CAR /
IMPRESSION
2021年3月30日
激戦区であるコンパクトSUV市場にプジョーが投入した「2008」に試乗|PEUGEOT
フランス車の十八番だった“猫足”的乗り味は過去のもの
130ps/230Nmの1.2リッター3気筒による前輪駆動の走りはどうか。こちらは8段ATの優れた制御によって、街中でのスタート時や低中速域での加減速がストレスなく行われてとても気持ちがいい。ドライブモードは、センターコンソールのボタンでEco、Normal、Sportの3段階に切り替えが可能で、ステアリングにはパドルシフトを備えている。
アクセルを強めに踏み込んだ時には、3気筒特有のブルブル感が伝わってくるけれども、それはこちらが注意しているから分かるようなもの。普通にドライブしていれば気になるレベルのものではない。
また、小径ステアリングによるコーナリングについては、最初は少し違和感があったけれども、慣れてしまえばクイックなハンドリングが面白くてすぐに思ったラインが狙えるようになってくる。
サスペンションは、かっちりしたボディ剛性を生かしつつロールやピッチングをきちんと抑えた硬めの設定。昔のフランス車にみられる“猫脚”的なものを懐かしがる向きもあるが、現在のフランス車はグローバルな基準に適合できる、スタンダードなセッティングになっているのだ。
運転支援面では、各種センサー類によって歩行者・二輪車・夜間検知ができるアクティブセーフティブレーキ、0~180km/hで作動するアクティブクルーズコントロール(ACC ストップ&ゴー機能付き)、ステアリング補正を行うレーンポジショニングアシストなど、現代のクルマらしい装備が充実している。
上位のGTモデルには、雪、砂、ぬかるみといった悪路に対応するアドバンスドグリップコントロールや、急な下り坂でも車速を一定に保つことができるヒルディセントコントロールなどが装備されるが、エキストラコストを払ってまでそれらが欲しいというのでなければ、2008アリュールというチョイスはなかなかイイ線をいっているのではないだろうか。