レクサス初となるバッテリーEV専用モデル「RZ」プロトタイプに試乗──レクサスが目指す走りとは?|LEXUS
CAR / IMPRESSION
2022年5月13日

レクサス初となるバッテリーEV専用モデル「RZ」プロトタイプに試乗──レクサスが目指す走りとは?|LEXUS

LEXUS RZ|レクサスRZ

レクサス初となるバッテリーEV専用モデル「RZ」プロトタイプに試乗

レクサスが4月20日にワールドプレミアした、バッテリーEV(以下、BEV)専用モデル「RZ」のプロトタイプに、モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗。その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by Lexus International

プロトタイプでありながら、完成度が高い

EVは進化している。そう思わせてくれるクルマが、2022年内に登場しそうだ。それがレクサス「RZ」。同ブランド初のBEV(バッテリー駆動EV)となるクロスオーバーSUVだ。
概略が22年4月20日に発表されたレクサスRZ。全長4,805mm、全高1,635mmと、トヨタでいえばハリアー(全長4,705mm、全高1,660mm)より長い。EV専用シャシーを使い、前後にモーターを搭載した全輪駆動だ。
スタイリングも、ほどよくアグレッシブ。ホイールベースは2,850mmもあり、パッケージングはいい。スポーティさと実用性が、うまく両立している感じで、バッテリー駆動のプレミアムSUVを探しているなら注目していいクルマだ。
モーターはフロントが150kW、リアが80kW。バッテリー容量は71.4kWhなので、かなりパワフルだ。たとえばトヨタ自動車が22年5月12日に発売するというBEV「トヨタbZ4X」4WD(80kW/80kW)より上をいく。
私はこのRZの発売前のプロトタイプに、22年4月に試乗した。場所は愛知県のテストコース。実車は、事前公開された画像よりはるかにダイナミックな印象だった。つまり、いかにも走りがよさそう。躍動感のある面づくりと、20インチ径タイヤの存在感を強調するボディのプロポーションが目を引く。
「EVで大事なのは、シャシーコントロール性です」。RZプロトタイプを前に、開発を指揮してきたチーフエンジニアの渡辺剛氏は、そう語ってくれた。モーターとブレーキをうまく制御して、走る、曲がる、止まるといった性能を高める。これにはBEVだからできることも少なくないんだそう。
いまどきBEVなんてどれもそう違いなんてないよ、と、実は私も考えていました。でもRZプロトタイプに乗ってみて、やっぱり違いはある、と思い直した。それほど、操縦性に際立つものがある。少なくてもテストコースではそう感じたのだった。
どこに特長があるか。一言でいうと、「ナチュラル」という渡辺氏の言葉通りの、すべてにおいてスムーズな操縦性だ。すっと出て、ドライバーの感覚にあらがわずに加速し、カーブは素直に曲がり、ブレーキペダルを踏むと、狙った通りの制動ができる。
上記を言葉にすると、それ全部当たり前のこと、と思われるかもしれない。でも、これを実現するのは、なかなか大変だ。BEVにしても、走りが良くても乗り心地が硬すぎるとか、どっかしらに“ここがもう少し良くなれば”と感じる要改良点が見つかるもの。RZは完成でないプロトタイプでありながら、完成度が高い、と思わせてくれた。
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