“電動化”されたボルボXC60 B6 Rデザインに試乗|VOLVO
CAR / IMPRESSION
2020年11月30日

“電動化”されたボルボXC60 B6 Rデザインに試乗|VOLVO

競合とは一線を画す静かなスポーツランナー的な走りが楽しめる

前置きが長くなったが、早速箱根のワインディングに連れ出してみよう。エンジンのスタート方法はフラッグシップのXC90などと同じで、センターコンソールにある美しいダイヤルを捻るタイプのものだ。その下にあるドライブモード選択ダイヤルも、キラキラと光る回転式のもの。一方シフトノブは、ラグジュアリーモデルではおなじみになったオレフォス社のクリスタル製ではなく、Rデザインでは専用の本革巻きのものとなる。
ドライブモードは、まずはデフォルトのコンフォートでスタート。アクセルをそっと踏みつけると、1,940kgというかなり重めのボディがスイッと加速してくれるので、「あ、これがISGMと電動スーパーチャージャーの恩恵なのだな」と気がつく。そしてスーパーチャージャーの効果は3,000rpmまでというので、通常の走り方をしている限りは加速時に常に仕事をしていることになる。
芦ノ湖スカイラインの入り口でドライブモードをダイナミックに入れ替えると、ギアが1〜2段下がり、エンジンのピックアップが鋭くなる。ここでドイツやイタリア勢だと当然のようにエキゾーストが変更され、迫力ある排気音やアフターファイヤのような音が醸成されるのだが、ボルボではそうした“音”は社会的にそぐわない、との考えによるものか、4気筒エンジンの軽快なバイブレーションが遠くから聞こえてくるだけである。
また、コーナーの入り口では、パドルでシフトダウンして、と思ったが、左手の指は虚しく空をきるだけ。“エアパドルシフト”状態になってしまう。マニュアルシフトをするためには、シフトノブを一つ手前に押し下げ、左右に動かすことでシフトアップ・ダウンを行う方式だけになっている。
足回りは、ノーマルサス比+30%のバネレートを採用したフロント・コイル、リア・コンポジットリーフのスプリング、専用モノチューブショック、強化アンチロールバー、チューンド電動パワステなどで引き締められているので、コーナーをクリアするスピードも相当高いのだが、上記の理由もあって、これまでのスポーツモデルとは一線を画した静かなスポーツランナー的な走りが楽しめるのだ。
また、3,000rpm以下、30〜160km/hの範囲内で変速動作がされない場合は、4気筒のうち1番と4番のシリンダーが停止する気筒休止を行うので、高速道路などの巡航時にはWLTPモードで2.5%〜4%の燃費の改善が望めるのは嬉しいところだ。
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