若々しくて楽しいSUVだった──キャデラック「XT4」に試乗|Cadillac
CAR / IMPRESSION
2021年7月20日

若々しくて楽しいSUVだった──キャデラック「XT4」に試乗|Cadillac

スポーティクーペのような走り

1997cc直列4気筒ターボエンジンは、169kW(230ps)の最高出力と350Nmの最大トルクを発生。9段オートマチック変速機との組合せで全輪を駆動する。オフロードに向いたクロスカントリー型4WDというより、都市型SUVで、むしろ乗り心地といい、静粛性といい、もちろんハンドリングを含めての操縦性といい、スポーティクーペのように走る。
手ごろなサイズのSUVを探している人にいいのではと勧めたいところは、アクセルペダルに対するエンジントルクの“つき”の良さが一つ。軽めの設定のペダルを踏む足の力に敏感にクルマが反応してくれる。かつステアリングホイールも軽め。ホットハッチ(高性能ハッチバック車)を思わせるような、俊敏な動きを味わえるのだ。
XT4は、冒頭で触れたエスカレードの重厚さとはまったく違う乗り味で、米国のメーカーも、ここまでグローバルテイストのクルマをつくれることが印象深かった。つまり、世界中どのマーケットでもすんなり受け入れられる性能ぶりなのだ。
4輪駆動システムは、低負荷時はクラッチを切り離すことで前輪駆動化される。ドライブモードも設定。日常使うのに最適な「ツーリング」をはじめ、「スポーツ」「AWD」そして「オフロード」とあり、「ツインクラッチAWDシステム」なる前後のトルク配分調整機構に、エンジン出力制御が組み合わされている。
運転にまつわる装備もかなり充実だ。とりわけ印象的だったのは、ナビゲーションシステムである。ゼンリンと共同開発のDR(自律航法)マップマッチング対応のクラウドストリーミングナビ方式だ。地図データが新しく、かつ正確なのだ。
個人的には、フロントグリル内のキャデラックのクレスト(エンブレム)がもっと大きくても面白かったのでは、と考えたりしている。いわゆるデカロゴ。キャデラック車がもつ伝統的なイメージを、いまの感覚と合わせてアレンジすることで、新しい世代のクルマなる印象がより強く打ち出せるように思えたからだ。
グレードは3つ。ベースモデル「XT4プレミアム」(570万円)にはじまり、「XT4プラチナム」(670万円)、そして今回試乗した「XT4スポーツ」(640万円)である。後者2モデルはタイヤサイズが、18から20インチへとアップ。かつアダプティブクルーズコントロールをはじめとする運転支援システムも、プラチナムとスポーツにのみ搭載される。
プラチナムの専用装備が、大きなグラスルーフである一方、スポーツには減衰力可変のバリアブル リアルタイム ダンピング サスペンションが備わる。よりスポーティな走りを求める人に、とメーカーでは謳う。プレミアムだとやや装備に不足感がある一方、プラチナムとスポーツは好みで迷う楽しみを提供してくれるのだ。個人的には快適志向のより強いプラチナムが好みである。
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