SUVのひとつの究極──ランボルギーニ ウルスに試乗|Lamborghini
CAR / IMPRESSION
2022年3月16日

SUVのひとつの究極──ランボルギーニ ウルスに試乗|Lamborghini

後輪駆動のフィールを重視した走りを楽しむためのクルマ

3,996ccV型8気筒エンジンは、478kW(650ps)の最高出力と、850Nmの最大トルクと、超ド級と呼べるほどのパワーを発生。4輪を駆動させて、5112mmの全長と1638mmの全高という余裕あるサイズのボディを、スパッという感じで、まさにスポーツカー的に加速させていく。
8段のギアに切られたトルコン式オートマチック変速機を介して、エンジントルクは40対60の比で前後に配分。走り方や路面の状況に応じてトルク配分は電子制御される。フロントには最大で70パーセントまで、リアには87パーセントまでとなる。基本的には後輪駆動のフィールを重視した、走りを楽しむためのクルマなのだ。
リアホイールステアリングが装備されているので、車速や操舵の速度に応じて、後輪が向きを変える。小さなコーナーでは前輪と反対方向に後輪が向くので、仮想ホイールベースが短くなるため(最大でマイナス600mmに相当)、小回りが効く。
太めのグリップのステアリングホイールを切ると、くいっとノーズが内側を向いて、速いペースで曲がっていける。高速では反対に、前輪と同じ方向に後輪が動くため、安定性が向上する。
ドライブモードセレクターがセンターコンソールに備わる。通常モードに加え、スポーツモードとサーキットモードが設けられているのが、いかにもランボルギーニらしい。一方、雪や砂というモードがあるのは、このクルマがよく売れる中東や中国などを鑑みてのことだろう(と私は思っている)。
4人で、空調がしっかり効いた車内にいて、音楽を楽しんでいられるし、ゴルフバッグだろうがスノーボードだろうが、たっぷりと積める。SUVとしてのパッケージングはしっかり追求しつつ、運転が楽しいので、移動中の時間が充実しているのだ。
車内のインフォテイメントシステムでは、ナビゲーションはもとより(オーバージエアでマップの更新ができる地域もある)、交通情報がとれるし、カメラを使って車両まわりのチェックなど、すこし大きめサイズのボディがより扱いやすくなっている。
スタイリングは、内外ともに、ウルスの魅力だ。やや強烈な印象を与えるものって、陳腐化する速度が早かったりするものの、ウルスはまったく古びていない。
目的地となる箱根・仙石原の箱根リトリート
クーペ的にやや小ぶりな印象を生むキャビンと、大きなエアインテークのアグレッシブなフロント、それにエッジの効いたラインが目立つ側面など、ウルスでしか手に入らないものだ。徹底して個性を作り上げているせいで、いつも新鮮に見えるのだろう。
グループ内には、ウルスと基本的に同じ内容のアウディRS Q8がある。フォーリングスの付いたこちらも、かなり速い。441kW(600ps)と800Nmと、数値的にはウルスよりやや薄めてあるのと、スタイリングもあれほど強烈ではない。いい出来のモデルであるものの、やっぱり、ウルスの個性は上をいっている。価格は、3068万1071円(税込)。これもスーパーな存在感の一因だろう。
問い合わせ先

ランボルギーニ
https://www.lamborghini.com/jp-en

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