デザイン、走り、車内環境すべてが上質だった──ホンダ新型「ヴェゼル」に試乗|HONDA
CAR / IMPRESSION
2021年7月29日

デザイン、走り、車内環境すべてが上質だった──ホンダ新型「ヴェゼル」に試乗|HONDA

HONDA VEZEL e:HEV PLaY|ホンダ ヴェゼルe:HEV PLaY

HONDA VEZEL G|ホンダ ヴェゼル G

デザイン、走り、車内環境すべてが上質だった──ホンダ新型「ヴェゼル」に試乗

8年ぶりにフルモデルチェンジを受けたホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」。先行してデビューしたトヨタ「ヤリスクロス」や日産「キックス」など競合ひしめくマーケットに、ホンダが満を持して導入した同モデルの実力を探る。

Text & Photographs by HARA Akira

大胆にデザインを変更

8年ぶりにフルモデルチェンジしたホンダの新型コンパクトSUV「ヴェゼル」。その注目度は非常に高く、今年3月に開始した受注の数は、5月末時点ですでに月間販売計画台数(5,000台)の6倍以上となる3万台を軽くオーバーしているという。内訳を見ると、ホンダ自慢の2モーターハイブリッドシステムのe:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)搭載モデルが93%で、もう一つの純ガソリンエンジン搭載モデルが7%。やはり最新モデルには最新のパワートレーンを選ぶユーザーが多いのだろう。e:HEVには、PLaY(FF)、Z(FFとAWD)、X(FFとAWD)と3つのグレードがあり、一方のガソリンモデルは「G」の1グレードのみとなる。
ボディサイズは、全長4,330×全幅1,790×全高1,590mm、ホイールベース2,610mmで、丸く塊感のあるクーペデザインを採用していた初代に比べて少しだけ幅広く、逆に背は低くなった。新型は四角い水平基調のデザインへとスタイルがガラリと変わったのが特徴で、存在をあまり主張しない縁なしグリルを持つフロントや、真っ直ぐに後方まで伸びるサイドのウインドウエリア、シャープな傾斜を見せるリアハッチなど、シンプルな造形で構成されていて、販売が絶好調だった1980〜90年代のシビックやアコード、インテグラなどが採用していたMM(マンマキシマム、メカミニマム)思想を想起させるデザインがなかなかイイ。
インテリアもエクステリアと同様にシンプルさを強調していて、水平基調のダッシュボードや、フロントからサイドまでが一直線になったウエストラインが見事だ。初代では少し閉塞感があった後席はそのおかげで視界が良く、足元も広々していてゆとりがある。ホンダ独自のセンタータンクレイアウト構造によって、後席を座面ごと上方に跳ね上げるチップアップや、逆に前方にダイブダウンしてフルフラットにすることができるので、高さがあったり長さがあったりする荷物にしっかりと対応できる。
室内で面白かったのは、「そよ風アウトレット」とよばれる空調の吹き出し口。フロントサイドのエアダクトが、通常のものと“くの字型”の2つで構成されていて、ダイヤルを回すだけで強い風が直接顔に当たらないようになる。お肌の乾燥が気になるパッセンジャーなどにはもってこいのアイデアだ。
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