メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペに試乗|Mercedes-AMG
CAR / IMPRESSION
2016年11月10日

メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペに試乗|Mercedes-AMG

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

現代的なSUVとしての要素をすべて持っている

メルセデス・ベンツのミドルサイズSUV「GLE」の派生モデルとして2015年にデビューし、日本へも今年6月に導入された同社初のSUVクーペ「GLE クーペ」。今回は、なかでもAMGが手がけた3リッターV6ユニットを搭載するメルセデスAMG「GLE 43 4マチック クーペ」に試乗した。

Text by OGAWA FumioPhotographs by Atsuki Kawano

出来のいいエンジンとキレ味のいい旋回性能

メルセデス・ベンツ「GLEクーペ」はスタイリッシュなSUVだ。2016年に日本でも発売されて高い人気を誇るこのクルマのラインナップに、AMG開発のV6エンジンを搭載したメルセデスAMG「GLE 43 4MATICクーペ」が追加設定された。

特徴は全長4,890mmおよび全高1,720mmという比較的余裕あるサイズを持ちながら、短めの前後長を持つルーフになだらかな傾斜でリアエンドへと続くクーペライクなスタイルにある。もう一つ今回のモデルでは、AMGが開発にたずさわったパワフルな3リッターV型6気筒エンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムである4MATICを組み合わせている。

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

GLEクーペには、従来、430kW(585ps)の最高出力と785Nmの最大トルクを誇る5.5リッターV8エンジンを載せたメルセデスAMG「GLE 63 4MATIC クーペ」が設定されていた。それに対してGLE 43 4MATIC クーペは270kW(367ps)、520Nm。数値からみる性能差は別の要素、つまり前者の1,780万円に対して1,200万円という価格差である程度正当化できるだろう。

エンジン自体にも違いがある。メルセデスAMGのセリングポイントは「ワンマン ワンエンジン」(一人が責任をもって1基のエンジンを組み立てる)。しかし3リッターV6ユニットは違い、AMGが開発を担当したライン製造のエンジンを搭載している。数値ばかりか成り立ちが少し異なっている。ただし楽しさでは負けていない。

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

AMGが開発を担当した3リッターV6は一言で言うと出来のよいエンジンだ。トルクの出かたや回転フィールといった体感的な部分はAMG製の4気筒やV型8気筒と肩を並べる。フィールのよさとは、エンジン回転の上昇にともなって並行してぐんぐんと増していく力を感じられるということで、このV6ユニットはスムーズな回転による効率アップのためシリンダーウォールには「NANOSLIDE」とよばれる加工を施している。それによって低フリクション化をは図っているのだ。

ハンドリングの向上のため、エンジンにはアルミニウムなど軽量化素材を多用。その恩恵はキレ味のいい旋回性能として明確に感じられる。車体はけっして小さくないけれど、メルセデスAMGに期待できるスポーティな運動性能はしっかり身につけている。感心させられる出来映えだ。

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

現代的なSUVとしての要素をすべて持っている (2)

ワインディングでの走りは期待以上

メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペはやや非力ではないかとみる向きがある。もちろん160kWもパワー差があるGLE 63 4MATIC クーペと比較すればそれはそうかもしれない。でも較べずに乗った場合、けっして失望はしないはずだ。2,000rpmから4,200rpmにかけて発生する520Nmもの最大トルクは必要にして十分。いや十分以上。9段オートマチック変速機のスケジュールも緻密で、加速したいときにはロケットとまではいかなくてもジェット機のような加速を味わうことはできると思う。よく回る快感も与えてくれるし、これがメルセデスAMGにとっての“汎用”エンジンであることは驚くべきことだ。

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

もちろんメルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペはエンジンだけが特筆点ではない。このクルマでの走りを楽しくしてくれている装備が数多くある。一つは走行状態に応じての連続可変ダンピング機構を備えたエアマチック サスペンションだ。重厚感をもたらしつつ、同時にステアリングホイールを切ったときの車体の動きなどの制御はうまい。ダイナミック セレクトというドライブモードで「スポーツ」あるいは「スポーツ プラス」を選んだときは車高を少し下げ、同時にスポーツ プラスでは目に見えて硬めの設定になる。それでも楽しさとともにしなやかさを感じさせる。

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マチック クーペ

コーナリングに優れるのはそもそもメルセデス車の伝統的なキャラクターだが、さすがのメルセデスもスポーツ性を追求しすぎるとコーナリング時に無理が出てくる。GLE 43 4MATIC クーペに搭載されたアクティブ カーブは電子の力を借りてコーナリングや車線変更時の動きをより安定してスムーズなものとする機構だ。この効果も恐らくあるのだろう。3リッターV6で上の回転を維持しながらワインディングロードを走るのは、期待以上の楽しさなのだ。

高い視点から遠くまで見渡せる安心感もSUVのよさだ。それに先にも触れたようにクーペ的なソフトなスタイリングが組み合わさって、現代的なSUVとしての要素をほとんどすべて兼ね備えている。最近同じスタイリングコンセプトながら車体はよりコンパクトな「GLC クーペ」も発売された。質感の高さというかぜいたく感を大切にする人ならGLE クーペがいいだろう。荷室の奥行きも驚くべきものがある。スポーツの足に使うにしても実用性は十分だ。

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Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC Coupe|メルセデスAMG GLE 43 4マティック クーペ
ボディサイズ│全長 4,890 × 全幅 2,015 × 全高1,720 mm
ホイールベース|2,915 mm
トレッド 前/後|1,655 / 1,710 mm
車両重量|2,310 kg
エンジン|2,996cc V型6気筒DOHCツインターボチャージャー付
ボア×ストローク|88.0 × 82.1 mm
最高出力|270 kW(367 ps)/ 5,500-6,000 rpm
最大トルク|520 Nm(53.0 kgm)/ 2,000-4,000 rpm
トランスミッション|9段AT(9G-TRONIC)
駆動方式|4WD
ブレーキ|ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|285/40R22 / 325/35R22
燃費(JC08モード)|10.0 km/ℓ
ラゲッジ容量|650-1,720 リッター
最小回転半径|5.5 メートル
最低地上高|200 mm
ハンドル位置|左
価格│1,200万円

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610

http://www.mercedes-benz.co.jp/

           
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