RENAULT LUTECIA RENAULT SPORT|ルノー ルーテシア ルノー スポール 試乗
CAR / IMPRESSION
2015年3月6日

RENAULT LUTECIA RENAULT SPORT|ルノー ルーテシア ルノー スポール 試乗

RENAULT LUTECIA RENAULT SPORT|

ルノー ルーテシア ルノー スポール

“RSの名を冠した、スポーティコンパクトハック

300万円を切るという魅力的な価格をもつ、痛快な操縦性能のルーテシア・ルノースポールにジャーナリスト 小川フミオが試乗した。

文=小川フミオ写真=清水博孝

ルーテシアベースのスポーティモデル

ルーテシア ルノー・スポール(以下ルーテシアRS)は、全長4メートルの小柄なハッチバックをベースに、スポーティなチューンがほどこされたモデル。202psの自然吸気エンジンに、6段MTが組み合わされている。299万円という手頃な価格とあいまって、運転が楽しいクルマを1台、というひとは、真剣に検討してもいいモデルだろう。

ルーテシアRSは、幅広い層に向けたハッチバック、ルーテシアをベースに開発されたスポーツモデル。シャシー、サスペンション、エンジン、そして外観と内装に手が入れられている。2010年初夏より日本で販売され、クルマ好きに好評を博してきた。

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いまルノーでは、ルーテシアRSとメガーヌ ルノー・スポール、2台のスポーティなモデルがラインナップされる。スポーティさでよりとんがっているのはメガーヌ ルノー・スポール(385万円)だ。しかし86万円の価格差を考えると、ルーテシアRSも十分納得のいく買い物だと言えるだろう。

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ルーテシアRSの特徴のひとつは、自然吸気エンジンを搭載していること。きれいなカーブでトルクを出し、5,000rpmから上ではもう一段、力強いプッシュがある。11.5対1の高圧縮比をもち7,100rpmがレッドゾーンなので、とにかくまわしていて楽しい。トルクもたっぷりあるが、このパワー感が魅力だ。

もうひとつの魅力がハンドリング。ダブルストラットアクスルと呼ばれる、マクファーソンストラットをベースに独自の設計をくわえたフロントサスペンションを採用。トルクがムダなく駆動輪に伝達することを目指すと同時に、素直で追従性のよいステアリング特性が実現されている。ワインディングロードでは、みごとなほど楽しい操縦性を味わうことができる。

エンジンの魅力を味わえるMTトランスミッション

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変速機は6段マニュアルトランスミッションのみ。ライバルにあたるフォルクスワーゲン ポロアルファロメオ ミトがAT感覚で操縦できるデュアルクラッチシステムを採用しているのに対して、少なくとも日本市場ではやや分が悪い。しかし、マニュアルトランスミッションでこそ、めりはりの効いたキャラクターをもつエンジンの魅力を堪能できるのは確かだ。運転が好きなら、ルーテシアRSにMTはすばらしいコンビネーションだと理解できるはずだ。

足まわりは、ワインディングロードでは路面の追随性がよく、すばらしいロードホールディングを堪能させられる。コーナリングは切りはじめから脱出まで姿勢は終始一貫していて、小さなRのコーナーの連続など、もっとも得意とするところだ。やはりすばらしいエンジンとMTをもつMINIクーパーSも互角の魅力を有するが、ルーテシアRSのほうがしなやかだ。ただし高速走行時では、リアが段差を越えるときぽんぽんと跳ねるのが気になる。

直接のライバルは、スポーティなフィーリングとボディサイズから、フォルクスワーゲン ポロGTI(294万円)だろう。全長はポロGTIが3,995mm、ルーテシアRSが4,020mmなのでほぼ同寸。エンジンはポロGTIが1.4リッターながらターボチャージャー装着。いわゆるターボ係数1.5をかければ2リッター相当なので、ルーテシアRSと同等となる。最高出力はルーテシアRSが202psであるのに対して、ポロGTIは179psとなっている。ポロGTIは全方位的によくできているが、とりわけ高速走行性能ではルーテシアRSより上だろう。個人的には、マニュアルのほうが好みなので、ルーテシアRSは捨てがたい。

本当のライバルはメガーヌ ルノー・スポールか……?

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MINIクーパーSも184psの1.6リッターターボエンジンを搭載する強力なライバルだ。6MTモデル(303万円)にくわえ、6AT搭載モデル(330万円)もあるのでマーケットでは強みを発揮する。MTという点からはアルファ ミト1.4Tスポーツ(285万円)も個性的なコンテンダーだ。楽しいハンドリングとよくまわるエンジンが身上。さらにミト コンペティチオーネ(295万円)はスポーティな操縦性にくわえて、デュアルクラッチシステムを搭載する。

もっとも手強いライバルは、ひょっとしたらメガーヌ ルノー・スポールかもしれない。2車の比較試乗をお薦めする。クラスがひとつ上になってしまい、ボディサイズも大きくなるが、特別さでも、言ってみればひとまわり大きい。この2台に乗ると、ルノーがいかに楽しいクルマをつくってくれているかよく分かる。ここが欧州の底力だろう。環境も大事だが、優遇税制にばかり目を奪われていると、クルマにもっとも大切な「楽しさ」と出会えない。

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RENAULT LUTECIA RENAULT SPORT|ルノー ルーテシア ルノー スポール
ボディ|全長4,020×全幅1,770×全高1,485mm
エンジン|2リッター 直列4気筒DOHC エンジン
最高出力|148kW(202ps)/7,100rpm
最大トルク|215Nm/5,400rpm
駆動方式|FWD
トランスミッション|6段MT
燃費|8.2ℓ/100km
CO2排出量|190g/km
価格|299万円

ルノーコール
0120-676-365

           
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