フィアット 500──時代を切り拓くクリエイターが選ぶ、イタリアの小さな名車<江川“YOPPI”芳文>編|FIAT
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2022年3月2日

フィアット 500──時代を切り拓くクリエイターが選ぶ、イタリアの小さな名車<江川“YOPPI”芳文>編|FIAT

Presented by FIAT

FIAT 500|フィアット チンクエチェント

江川“YOPPI”芳文の感性とシンクロする、“レトロ & ニュー”なクルマ

スペックや性能も大事だけれど、クルマにはカルチャーやファッションという切り口も存在する。東京ストリートカルチャーの中心人物、江川“YOPPI”芳文さんは、鮮やかなシチリア オレンジをまとったフィアット 500をカルチャーの視点から評価した。

Text by SATO Takeshi|Photographs by MAEDA Akira

形、色、音などを、五感で楽しむ

「おおっ、インパネはボディと同色のオレンジで、シートはネイビーなんだ。この色使いのセンスって、ありそうで実はあまりないですよね」
そう言いながらフィアット 500に乗り込んだのが、東京のストリートカルチャーシーンの中心人物である江川“YOPPI”芳文さんだ。スケートボードの黎明期にはプロスケーターの先駆けとして活躍、現在はファッションブランド「オンブレ・ニーニョ」のディレクターと「PLUS by XLARGE」のデザイナーという立場で、ストリートファッションを牽引している。
運転席に座り、インテリアを見渡したYOPPIさんは、内外装のデザインをこう評した。
「僕はイタリア人デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロのプロダクトのように、削ぎ落としたシンプルなデザインの影響を受けてきたので、このデザインは好きですね。余計なものがないシンプルな造形だけれど、お洒落に見せる方法を知っている、という印象を受けました」
そう言いながら、YOPPIさんはフィアット 500の1.2リッター直列4気筒エンジンをスタートさせた。
YOPPIさんはフィアットのクルマを走らせるのは人生で初めてだが、何年もこのクルマと付き合っているかのように、フィアット 500を走らせた。ときおりパドルシフトを操作してギアを変えながら、軽やかにハンドルを切る。
いきなり乗れていますね、と声をかけると「僕は完全にイタリア人なので(笑)」という答えが返ってきた。
「以前、自転車の買い付けでイタリアに行った時に、日本って島国だなと思い知らされたんです。日本だと競輪とツール・ド・フランスのようなロードレースというのは別のジャンルじゃないですか。でも向こうは自転車というくくりで、自転車カルチャー全体にラブな感じなんですよ。ピスト(レーストラックを走るブレーキのない自転車)でしか使わないハンドルをロードバイクのフレームに合わせたり、自由に楽しむ感じがすごくよかった。そんなこともあって、デザインをはじめとして、イタリアが好きになったんです。僕は、イタリア人の運転スタイルもすごく好きですね。街中を走る時も、退屈そうに移動するんじゃなくて、運転を楽しんでいるんです。」
確かに、内外装のデザインや色使い、ハンドルの感触や加速、それにエンジン音などを五感で楽しみながら走ることができるフィアット 500は、いかにもイタリアらしいクルマだ。そしてDJとしても活動するYOPPIさんは「僕は音楽を聞きながら運転するのが好きなんですけれど、フィアット 500だったら、そうですね、エキゾチックな民族音楽なんかが意外と合うかもしれない」と、笑った。

大人こそ、カラフルな装いを

いま、YOPPIさんは“クルマが欲しいモード”に入っていて、毎日のように中古車情報サイトをチェックしているという。
「理由は二つあって、まず一つは、また本格的にスノーボードにハマりそうなので雪山に行くクルマを探しています。もう一つ、これはストリートカルチャーの一種なんですが、PHONKというジャンルのヒップホップを流しながらスポーティなクルマで走るのが流行っていて興味があるんです」
そんなYOPPIさんは、フィアット 500のドライブフィールをどのように感じているのだろうか。
「ハンドルを切った瞬間の反応もアクセルを踏んだときのレスポンスもいいので、乗っていて気持ちがいいです。それに僕は世田谷生まれで今も世田谷で暮らしていますが、狭い道が多い土地なので、このサイズが一番使いやすいですよね」
試乗を終えて、鮮やかなシチリア オレンジのフィアット 500を眺めているYOPPIさんに「オンブレ・ニーニョ」の洋服作りのコンセプトについて聞いた。
「スケートボードや自転車に乗っているわけではなくて、ずっと続けていることがスタイルだと思っていて、続けていると歴史みたいなものが発生しますよね。オンブレ・ニーニョって“おとな・こども”という意味なんですけれど、昔と今をつなげられるようなデザインを心がけているというか、レトロ & ニューみたいなものを表現したいと思っています。あと、大人になるとどうしてもモノトーンや無地の洋服を着たくなるけれど、ストリートファッションに携わってきた者として、大人もカラフルだったり柄のあるものを着てほしい、という思いもあります」
レトロだけれど新しさがあって、しかもカラフルというのは、まさにこのフィアット 500とシンクロする。実際、華やかな洋服を着た紳士や淑女がこのフィアット 500から降り立ったら、さぞかし絵になるだろう。
YOPPIさんは常々「スケボーそのものよりも、スケボー文化が好き」と発言している。では、クルマに関してはどうなのだろう。
「同じかもしれないですね。クルマと運転も好きだけれど、クルマ文化もすごく好きです。サンタ・マリア・ノヴエッラのオーデコロンにノスタルジアというのがあって、いつも使っているんですけれど、これはクラシックカーに乗り込んだ瞬間のレザーやガソリンの匂いをモチーフにしています。スノボのゴーグルも、もともとはオープンカー用に開発されたものを使っていたり。だから60歳を過ぎたら、赤い小さなイタリア車でクラシックカーレースに出たいですね。堺正章さんのストリート版というか(笑)」
なるほど、クラシックカーレースには古いクルマで出るとして、ショッピングや旅行など、普段使いするクルマには何を選ぶのだろうか? YOPPIさんが大人のストリートファッションに身を包んで、原色のフィアット 500で街を走っている姿は、最高にクールではないだろうか。

Spec

FIAT 500 1.2 CULT|フィアット チンクエチェント 1.2 カルト

  • 全長✕全幅✕全高|3570✕1625✕1515mm
  • ホイールベース|2300mm
  • 車両重量|990kg
  • エンジン|1,240cc直列4気筒
  • 最高出力|69ps/5,500rpm
  • 最大トルク|102Nm/3,000rpm
  • トランスミッション|ATモード付き5速シーケンシャル
  • 駆動方式|FF
  • サスペンション前|マクファーソンストラット(スタビライザー付)
  • サスペンション後|トーションビーム(スタビライザー付)
  • ブレーキ前|ディスク
  • ブレーキ後|ドラム
  • 価格|221万円~
  • ※写真のボディカラー(シチリア オレンジ)は別途オプション費用55,000円がかかります。
EGAWA “YOPPI” Yoshifumi|江川“YOPPI”芳文
東京都世田谷区出身。東京のストリートシーンを牽引し続ける中心人物。1994 年からファッションブランド〈ヘクティク〉のディレクターとしても活躍。現在も T-19 所属のスケーターとして活躍する等、 趣味と仕事を共存している希有な存在。2012年からは自らのブランド〈オンブレ・ニーニョ〉をスタート。
問い合わせ先

CIAO FIAT
Tel.0120-404-053
http://www.fiat-auto.co.jp

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