VWの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸|Volkswagen
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2015年2月13日

VWの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸|Volkswagen

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ
Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

フォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸

フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは、電気自動車「e-up!」と「e-Golf」の2台を来年、日本に導入することを発表した。とくに発売を来年2月に控えるe-up!については、詳細な情報も公表された。

Text & Event Photographs by OHTO Yasuhiro

まずは来年初頭にup!から上陸

フォルクスワーゲンは、来春以降、2モデルの電気自動車を日本へ導入することを発表した。ひとつは現在、日本で流通するEVとしては唯一の5ナンバーサイズにおさまる4ドアハッチバックの「e-up!」。そしてもうひとつが、2012年に登場した第7世代「ゴルフ」をベースとした「e-Golf」である。実際のデリバリーのタイミングは、来年2月1日よりe-up!の発売が開始され、e-Golfは、来年中旬を予定しているという。

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ

Volkswagen e-up!

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

Volkswagen e-Golf

発表会にて、フォルクスワーゲン グループ ジャパンの庄司茂代表取締役社長とともに登場したのは、自身も初代「ゴルフ カブリオレ」のオーナーであり、ブランドアンバサダーをつとめる「Every Little Thing」の持田香織さん。イベント前に試乗し、初めてのEVカー体験となったe-up!について「可愛らしいクルマで、静かですごく乗り易かったですね。言われなければ、電気自動車ってわからなかったかもしれません」と感想を述べ、気軽に運転できるEVであることをアピールした。

e-up!、e-Golfいずれもフォルクスワーゲンの電気自動車ファミリー、VW e-mobilityの一員として、象徴的なブルーのアクセントが内外装に散りばめられている。また、空力性能も向上させるべく、どちらのモデルも専用のエクステリアパーツが採用されている。

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ
Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

フォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸 (2)

VW e-mobilityとしての機能

もちろん、外観上だけではなく機能面においても、電気自動車としての性能を最大限に活かす共通の機能を備えている。

そのひとつが、4段階の回生ブレーキシステム。これはシフトレバー操作で、アクセルオフ時における回生の強さを調整するもの。

通常つかうDレンジではアクセルペダルから足を離すと、完全に惰性で走行するコースティングモードになるが、シフトを倒すことで、惰性走行中でも充電用のモーターを働かせて減速をおこなうモードに切り替わる。回生ブレーキの効きが弱い順にD1、D2、D3そしてもっとも積極的な活用をおこなうBが設定されており、とくにD2以上では発生するストッピングパワーが強力で、後続車に注意を促すため、作動時にはリアのストップランプも点灯する。

この機能は、まるで内燃機関におけるエンジンブレーキのように利用することで、スポーティなドライビングを楽しむことができるという。当然、減速のさいには充電がおこなわれるので、下り坂では地形に合わせて回生ブレーキを最大限に活用し、航続距離を伸ばすこともできる。

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

Volkswagen e-Golf

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ

Volkswagen e-up!

走行機能としてはもうひとつ、3つのドライブモードが選べる「ドライビング プロファイル」も備わる。これはNormal、ECO、ECO+という3段階で設定できるもので、ECOにするとアクセルの反応が穏やかになりエアコンの運転も緩くなる。さらに進んだECO+は、アクセルレスポンスがさらに緩慢に、そしてエアコンは停止するという究極の燃費モードだ。Normal以外のいずれのモードでも、最高出力や最大トルク、最高速度も制限がかかる。

充電機能は、通常の200Vポートにくわえ、高速道路のサービスエリアや道の駅、コインパーキングなどでも設置が進められている日本の急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」用のポートを標準装備しており、出先での急速充電にも対応できる。オーナー向けの家庭用充電設備の設置サポートについても、すでに実績のある国内企業とパートナー契約をおこなっているという。

このほか、VW e-モビリティライフをサポートする機能として、パソコンやスマートフォンのアプリを利用して車両の状況を監視できることにくわえ、予約充電や運転前にエアコンの操作がおこなえるeリモートサービス「Car-Net」が3年間無料で提供される。また、搭載されるリチウムイオンバッテリーについては、8年間16万キロの保証が標準でつく。

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ
Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

フォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸 (3)

最小モデルに最新技術を詰め込んだEV

来年初頭にデビューとなるe-up!は、その名の通りフォルクスワーゲンの最小モデル「up!」がベース。全長3,540mmとコンパクトなボディながらも、エネルギー容量18.7kWhのリチウムイオン電池を床下に収め、キャビンやラゲッジルームへの影響は最小限に留められた。これは、up!そのもが、開発当初よりEV化を念頭におかれていた利点でもあるという。

搭載されるモーターは、最大出力60kW(82ps)、最大トルク210Nmを発揮。0-100km/hは加速12.4秒、最高速度130km/hというスペックだ。なお、ECOモードでは50kW/167Nm、最大速度120km/hに、ECO+になると40kW/133Nm、95km/hまで制限される。

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ

Volkswagen e-up!

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ

Volkswagen e-up!

充電時間については、ゼロからのチャージの場合、200Vで約8時間、CHAdeMOの急速充電では、約30分で80パーセントまで満たすことができる。満充電での航続可能距離は、もちろん走行および気象条件によってことなるものの、JC08モードにおける計測値では185kmとなっている。

標準でナビをもたないup!がベースのため、インフォメーションディスプレイとして、センターコンソールには「touch+more」がそなわる。ここには、車両の蓄放電状況を視覚的にあらす、エネルギーフローメーターなどが表示される。

このほか、ベースとなったup!でも注目を浴びたシティエマージェンシーブレーキをはじめ、前述のドライブプロファイルに対応するフルオートエアコン、クルーズコントロール、リアパークティスタンス コントロール、専用デザインの15インチアルミホイールなどが標準で装備される。

2015年2月1日より予約開始となる、e-up!の価格は366万9,000円と発表された。

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ
Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

フォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」と「e-Golf」が上陸 (4)

バリエーション豊かな第7世代ゴルフのパワートレーンのひとつ

いっぽう来年中旬に発売されるe-Golfは、最新のゴルフをベースにしたEVモデル。床下にバランスよく24.2kWhのリチウムイオン電池を配置。このバッテリーだけでも重量318kg、車両全体では1.5トンにもなるが、最大出力85kW(116ps)、最大トルク270Nmを発揮する小型モーターを搭載し、その性能は、0-100km/h加速10.4秒、最高速度140km/hという性能を誇る。

連続航続距離は、JC08モードで215kmと公表された。200Vでのゼロから満充電に必要な時間は約9時間、CHAdeMOの急速充電を利用すると30分かけて80パーセントまで充電完了できる。

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

e-Golfでは、EV専用のモードを追加したフォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム「Discover pro」を標準で採用。電力消費とエネルギーの回生状況をモニタリングし航続可能距離をわかり易く表示できるほか、電力消費も計算し再充電無しで往復できる可能性があるエリアをマップ上に360度で表示してくれる機能をそなえる。出先での充電スポットも検索が可能だ。

また、内燃機関という熱源をもたないEVの特性から、冬季にとくに電力消費を高めてしまう暖房への対策として、日本仕様ではヒートポンプを標準装備し、少ない熱でも効率よく室内を暖められるようになっている。

これらのほか、通常のゴルフでも用意される、シティエマージェンシーブレーキ付きのフロントアシストプラス、衝突時に二次被害を防ぐマルチコルジョンブレーキ、ドライバー疲労検知システム、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、LEDオートヘッドライト、エアロダイナミクスを考慮した専用の16インチアルミホイールなどを標準装備している。

e-Golfの予約開始は来年中盤のため、今回はスペックのみの発表となり、価格は現時点では未定となっている。

フォルクスワーゲン グループ ジャパンでは、CO2排出量削減をすすめるため、今回のEVを皮切りに、今後はプラグインハイブリッドやディーゼルエンジンの導入も検討したいとしている。

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Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ!

ボディサイズ|全長 3,545 × 全幅 1,650 × 全高 1,520 mm

ホイールベース|2,420 mm

トレッド 前/後|1,430 / 1,425 mm

重量|1,160 kg

モーター|3相交流モーター

最高出力|60 kW(82 ps)/ 3,500-12,000 rpm

最大トルク|210 Nm(21.4 kgm)/ 0-2,500 rpm

トランスミッション|1段固定式

駆動方式|FF

駆動用バッテリー種類|リチウムイオン

駆動用バッテリー総電圧|374 V

駆動用バッテリー総電力量|18.7 kWh

一充電走行距離(JC08モード)|185 km

タイヤ|165/65R15

最小回転半径|4.6 メートル

価格|366万9,000円

発売開始日|2015年2月1日

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

ボディサイズ|全長 4,265 × 全幅 1,800 × 全高 1,480 mm

ホイールベース|2,635 mm

トレッド 前/後|1,545 / 1,515 mm

重量|1,530 kg

モーター|3相交流モーター

最高出力|85 kW(116 ps)/ 3,500-7,000 rpm

最大トルク|270 Nm(25.5 kgm)/ 0-2,500 rpm

トランスミッション|1段固定式

駆動方式|FF

駆動用バッテリー種類|リチウムイオン

駆動用バッテリー総電圧|323 V

駆動用バッテリー総電力量|24.2 kWh

一充電走行距離(JC08モード)|215 km

タイヤ|205/55R16

最小回転半径|5.2 メートル

価格|未定

発売開始日|2015年 中頃

フォルクスワーゲン カスタマーセンター

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