パサート初のプラグインハイブリッドを公開|Volkswagen
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2014年12月16日

パサート初のプラグインハイブリッドを公開|Volkswagen

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE

パサート初のプラグインハイブリッドをパリで発表

フォルクスワーゲンは、パリ モーターショーで「パサート」初となるプラグインハイブリッドモデル「パサート GTE」を発表した。セダンとヴァリアント(ステーションワゴン)に用意されたこのモデルは、フル満タン&フル充電状態で1,000kmもの航続距離を確保し、同時にEVモードでは最高速度130km/h(ハイブリッドモードでは220km/h)、約50kmのゼロエミッション走行を可能とした。

Text by SAKURAI Kenichi

パリ-ロンドン間を無給油で走破可能

第8世代となる新型「パサート」に導入されるプラグインハイブリッドモデルは、最高出力115kW(156ps)を発揮する1.4リッター直列4気筒DOHCターボのTSIエンジンに、85kW(115ps)の出力を持つ電気モーターとリチウムイオンバッテリーをくわえたパワーユニットを搭載。プラグインの名称どおり、家庭用コンセントなどからの充電が可能だ。

このパワーユニットのシステム最高出力は160kw(218ps)、最大トルクは、400Nm(40.8kgm)で、これは3月にジュネーブ モーターショーで発表された「ゴルフ GTE」のもつ150kw(204ps)というシステム最高出力を若干上まわっている。

こうしたゴルフおよびパサートへのプラグインハイブリッドモデルの投入によって、フォルクスワーゲンは、エネルギーダイバシティへの対応がもっとも進んだ自動車メーカーのひとつといっても良い存在になった。ゴルフに至っては、市販自動車で唯一、ガソリンディーゼル、天然ガス、EV、そしてハイブリッドという5種類ものパワーユニットを1車種でもっている。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 02

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 03

ただ、ユニークなのは、一般的なガソリンエンジン(またはディーゼルエンジン)+電気モーターのハイブリッドシステムではなく、そこを一段飛び越えていきなりプラグインハイブリッドシステムを市販するという姿勢。これはフォルクスワーゲンのもつ「e-mobility(イーモビリティ)」戦略とのかかわりが大きいと想像できる。

フォルクスワーゲンはどのメーカーよりもクルマの電化に積極的で、日常的な距離を電気モーターでゼロエミッション走行することを重要視しているからだ。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE

パサート初のプラグインハイブリッドをパリで発表 (2)

プラグインハイブリッドのメリット

すでに説明したように、新型パサート GTEのプラグインハイブリッドは、1.4リッター直列4気筒DOHCターボTSIエンジンに電気モーターとリチウムイオンバッテリーをくわえたシステム構成である。外部電源から充電されるリチウムイオンバッテリーからのエネルギー供給によって、最長50kmまで「E-モード」と呼ぶゼロエミッション走行が可能だ。

フォルクスワーゲンによると、「E-モード」=EV走行は、通勤などの日常的な短距離走行にくわえ、たとえば長距離走行の最後に、市街地を走行する場合などを想定しているという。

英国を例に取ると、ロンドン市内にはいるドライバーには渋滞税の支払いが義務づけられているが、 新型パサート GTEのようなプラグインハイブリッドカーや、「e-up!」、「e-ゴルフ」などの電気自動車は、その対象にはならない。こうした税制上のメリットに合わせて、ゼロエミッション走行を含む航続距離はなんと1,000kmを超える。これはパリ-ロンドン間を無給油で往復できる距離に匹敵するものだ。ただし「E-モード」の最高速度は130km/hに抑えられている。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 05

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 06

運転する楽しみももたらしてくれるGTEモード

そうした低燃費と高効率を実現した反面、運転する楽しみももたらしてくれるのが、新型パサート GTEに用意されている「GTEモード」。このモードも「E-モード」同様にスイッチひとつで選択することが可能。

GTEモードを選択すると、システムトータル出力160kW(218ps)のパワーが得られ、スロットルやステアリングなどの設定も変化。俊敏でパワフルなドライビングが楽しめるのだという。0-100km/h加速は8秒以内、最高速度は220km/hを超えるパフォーマンスを見せる。

ちなみに充電は、ラジエーターグリル内の専用ソケットを介しておこなう。ゴルフGTEはエンブレム部分がソケットになっていたが、新型パサート GTEでは、ちょうどその横にソケットが用意されている。

欧州仕様には標準装備の充電ケーブルを230Vの電源ソケットに差し込む方法と、オプション設定となる自宅等の車輌保管場所となるガレージ/カーポート用ウォールボックスを使用するという2種類の充電方法がある。前者は、2.3kWのパワーレベルでAC充電され、完全放電している場合でも4時間15分で、ウォールボックスを使用する場合には3.6kWのパワーレベルとなり2時間30分で、フル充電が完了する。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 11

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE

パサート初のプラグインハイブリッドをパリで発表 (3)

日本導入も期待がもたれる

プラグインハイブリッドシステムばかりが注目される新型パサート GTEだが、エクステリアでもいくつかの特徴あるデザインを採用している。

たとえば、専用のクロームラジエーターグリルにくわえ、ブルーのアクセントラインがフロントフェイスに与えられたほか、フロントバンパーのデザインやエアインテーク部分のデザイン、そしてコの字形のLEDデイタイムランニングライトが専用パーツとなる。アクセントとして用いられるブルーはフォルクスワーゲンe-mobility のイメージカラーで、コの字形のLEDデイタイムランニングライトはフォルクスワーゲンのEVやPHEVモデルを象徴するデザインモチーフである。

インテリアでは、インスツルメントパネルの中央にマルチインフォメーションディスプレイを用意。「E-モード」による航続可能距離やドライブモードを示し、新型パサート GTEがPHEVであることを改めて主張する。

さらにインスツルメントパネル左側には、タコメーターの代わりにブレーキ回生による高電圧バッテリーの充電状況やエネルギーの消費状況を表示するパワーメーターを配置している。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 08

このディスプレイには、レンジモニター(「E-モード」走行可能距離表示)やエネルギーフローインジケーター(加速中は青矢印、制動・回生中は緑矢印でエネルギーフローをアニメーション表示)、ゼロエミッション統計値、eマネージャー(3つの出発時間と充電時間を予約可能。標準装備のエアコンで冷暖房の作動も可能)にくわえ、オプションでナビを装着した場合には、360度レンジ(「E-モード」の走行可能距離を地図上に360度表示)といった追加機能も装備する。

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 09

Volkswagen Passat GTE|フォルクスワーゲン パサート GTE 10

LEDヘッドライトやマルチコリジョン ブレーキ(追突などによる二次被害を軽減あるいは回避するための自動ブレーキシステム)、シティエマージェンシー ブレーキング機能を含むフロントアシスト、フロントとリヤのパークパイロット(駐車アシスト機能)など、フラッグシップモデルにふさわしい安全装備や快適装備の充実も新型パサート GTEの特徴としてあげられるだろう。

フォルクスワーゲンは、まもなく日本市場にも「e-up!」や「e-ゴルフ」を導入予定している。EV化にも積極的であることから、新型パサート GTEやゴルフ GTEというPHEVの市販も、大いに期待して良さそうだ。両モデルとも早ければ、2015年半ばには日本導入が見込まれる。

           
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