8代目の新型パサート、デビュー|Volkswagen
Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート
8代目の新型パサート、デビュー
フォルクスワーゲンは、ミッドサイズセダンおよびワゴン「パサート」の新型を発表した。今回で8代目となる、あらたなパサートは、プラットフォームにMQBをもちいて軽量化を実現し、最新のテクノロジーによるインフォテイメントやセーフティデバイスを採用する。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
MQBで軽量化を果たした8代目
フォルクスワーゲンのモデルラインナップのなかでも、「ゴルフ」とともに中核をなすのが「パサート」だ。そのパサートがフルモデルチェンジを果たし、8代目となった。
新型パサートはシャシーにゴルフ7とおなじく、モジュラー化されたプラットフォーム「MQB」を採用。全長は先代と2mmしかかわらない4,767mmでありながら、ショートオーバーハングとすることで、ホイールベースは79mm伸長し2,791mmになった。
幅は12mm広められた1,832mm、高さは14mm低められた1,456mmで、ワイド&ローを実現。さらにボンネット位置を下げ、同時にフロントスクリーンをリア側に移動したことで、スポーティさを強調したシルエットを実現している。
荷室もセダンでは21リットル増えた586リットルに拡大。エステート(ヴァリアント)では、標準状態で47リットルプラスの650リットル、最大で1,780リットルを確保している。
また、新型の車両重量は、MQBや最新のエンジンを搭載することで、先代比最大85kgもの軽量化も果たした。
エンジンにはガソリンとディーゼル、それにプラグインハイブリッドをあわせて10機種を用意。いずれも燃料直接噴射装置とターボチャージャーをそなえ、出力は88kW(120ps)から206kW(280ps)のあいだでバリエーションされる。これらの最新エンジンは、スタート/ストップ、ブレーキエネルギー回収機能などを搭載し、先代モデル比で最大20パーセントもの燃費向上を果たした。
パサート初のプラグインハイブリッドは、最高出力115kWの1.4リッターTSIエンジンに80kWのモーターを組み合わせ、システムトータルで最高出力155kW(211ps)、最大トルク400Nmを発揮。外部充電が可能な9.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、ピュア電気自動車としても最長50kmの走行が可能だ。気になる燃費は、ゴルフのプラグインハイブリッドモデル「ゴルフ GTE」とほぼ同等としている。ちなみに、ゴルフGTEの燃費は1.5ℓ/100km(およそ66.7km/ℓ)、CO2排出量はわずかに35g/kmを誇る。
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8代目の新型パサート、デビュー (2)
スポーティなRラインパッケージも用意
この新型パサートも先代モデル同様に、エンジンバリエーションにくわえて「トレンドライン」「コンフォートライン」「ハイライン」の3つの装備ラインが用意されるほか、「Rライン パッケージ」も選択が可能となる。
もっともベーシックなトレンドラインは16インチタイヤにLEDリアライト、クーラー機能付きグローブボックス、衝突後自動ブレーキ、タイヤ空気圧モニタリングなどを装備。
コンフォートラインは、先述のトレンドラインにくわえ、サイドウィンドウのクロームトリム、電動コンフォートシート、レザーステリアリング、フォグランプやシティエマージェンシーブレーキ付のフロントアシストがそなわる。またエンジンバリエーションの組み合わせによっては、LEDヘッドライトやクロームエグゾーストパイプ、DCCアダプティブシャシーコントロールも採用される。
これらにくわえ、ラジエーターグリル上のクロームラインやボディ下部を取り囲むクローム、LEDヘッドライト、17インチホイール、アルカンターラとレザーのフロントシートなどを標準装備するのが、もっともラグジュアリーなハイラインだ。
そしてフォルクスワーゲンのモータースポーツ部門、フォルクスワーゲンR社監修によるスポーティライン「Rライン パッケージ」も用意される。これには、ビエナレザーをあしらったインテリアトリム、シフトパドル付のRライン スポーツステアリング、ステンレス製フットペダル、ブラックのルーフライニング、専用バンパー、専用ラジエーターグリル、ルーフスポイラー、グロスブラックのディフューザーなど、その気にさせるイクイップメントが備わる。
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液晶のインパネやヘッドアップディスプレイ
新型パサートでは、アナログメーターにかえて12.3インチ、解像度1,440×540ピクセルのフル液晶ディスプレイをオプションで設定可能だ。「アクティブ インフォ ディスプレイ」と名付けられたこの液晶インパネは各ブランドがフラッグシップモデルなどに次々と導入しているものとおなじく、スピードメーターやレブカウンター、ナビをはじめ警告などを、操作や表示内容に応じてフレキシブルに表示される。
ただし、全面液晶ディスプレイを装着しても、唯一、システム警告灯のみ独立したLEDランプとなっており、これはフォルクスワーゲンのフェイルセーフへの考え方を示している。
このほかに、新型ではフォルクスワーゲンとして初となるヘッドアップディスプレイも装着が可能だ。利用しないときにはダッシュボードに格納可能なこのヘッドアップディスプレイは、速度やナビゲーション、各種アラートなど運転に重要な情報を、最小限の視線移動でドライバーに提供する。
安全面では、レーダーにより前方を監視し衝突の危険があると判断した場合、警告および減速をおこなうシティエマージェンシーブレーキを用意。さらにカメラを搭載し、歩行者までも検知することが可能な拡張機能を追加することもできる。欧州では盛んに利用されるトレーラーをけん引したさい、バックをアシストしてくれるトレーラーアシスト機能も世界で初めて採用された。
インフォテイメント面でも最新機能を搭載。5インチから8インチの高細緻画面まで3種類のナビゲーションが用意される。また、スマートフォンの画面をディスプレイに転送し操作可能とする「MIrror Link」や、Bluetoothに対応するなど、多彩な機能を備える。
あたらしいパサートは欧州において7月10日より販売開始。価格はセダンが2万5,875ユーロ(およそ357万円)から。そしてエステート(ヴァリアント)は2万6,950ユーロ(およそ373万円)からとなる。