パナメーラにプラグインハイブリッドを搭載したコンセプト|Porsche
Porsche Panamera Sport Tourismo|ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモ
パナメーラにプラグインハイブリッドを搭載したコンセプト
ポルシェA.G.は、パナメーラに高性能リチウムイオンバッテリーを搭載した、プラグインハイブリッド コンセプト「パナメーラ スポーツツーリスモ」をパリモーターショーの前夜祭ともいえるフォルクスワーゲン グループ ナイトにて発表した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
EVモード優先のハイブリッド
「パナメーラ スポーツツーリスモ」は、現行の「パナメーラSハイブリッド」「カイエンSハイブリッド」とおなじパラレル式ハイブリッド機構を進化させたパワートレインを採用しているものの、従来のおよそ2倍の出力にあたる70kW(95ps)を発生させる新型モーターや高出力のリチウムイオンバッテリーを搭載。245kW(333ps)を発揮するスーパーチャージャー付の3リッターV型6気筒エンジンと協調することで、総出力は306kW(416ps)に達する。
0-100km/h加速が6秒以内という動力性能をほこるいっぽうで、環境対応性能にもすぐれ、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)値での複合モード燃費は3.5ℓ/100km(およそ28.6km/ℓ)以下、CO2排出量は82g/km未満とされる。
通常の走行時は、電気モーターのみのいわゆる“EVモード”が優先される設定になっており、その場合でも最高速度は約130km/h、航続距離は30km以上だという。さらにステアリングホイールのボタンでハイブリッド走行モードや、充電モードも選択でき、「高速走行中に充電させておき、市街地に入ったさいにEVモードで走行する」といったドライバーの意思による合理的なエネルギーマネージメントもおこなえるようになっている。
荷室の床下に搭載する液冷リチウムイオンバッテリーは容量9.4kWh。充電時間はおよそ2.5時間以内とされ、欧州の一般的な家庭用AC電源からの充電にも対応する。スマートフォンとの連携し、予測充電時間の計算や充電のタイマー予約を行うこともできるとともに、接続された家庭用電源を利用してエアコンを作動させ、室内温度を事前に調節しておくこともできる。
ボディサイズ全長4,950×全幅1,990×全高1,401mmになる「パナメーラ スポーツツーリスモ」は、そのパワートレインのみならず、内外デザインにもコンセプトモデルとしてさまざまなアイディアが盛り込まれている。
フロントは大型のエアインテークが組み込まれ、その左右には相対する“コの字”型に配された「C-ブレード」と呼ばれるインジケーターとポジショニングライトのユニットが、従来の丸型にかわり4灯のLEDが採用されるヘッドライトとともに、全体的に引き締まった印象を強くする。
リヤは、現行型ではテールランプを避けるように絞り込まれているハッチドアが、LEDのテールランプを縦断し、開口部が広くとられるようになっている。水平線で左右のランプをつなぐデザインは、おなじくパリモーターショーでワールドプレミアを果たす「911カレラ4」などと同様に、ポルシェの伝統的なデザインを反映したものだという。
ダウンフォースを改善するため、ルーフエンドに装備されるアダプティブ リアスポイラーはカーボン製。ボディサイドにドアミラーはなく、エアアウトレットに内蔵されたカメラからの映像をコックピット内に映し出すようになっている
インテリアでは、メーターにかわり大型のTFTセンターカラーディスプレイが配され、ここにスピードメーターやタコメーターをはじめとして、前述のドアミラー映像表示やナビゲーション、ハイブリッドシステムの統合出力状況などの車両情報を表示。センターコンソールにはせり上がり式のタッチディスプレイが設置され、ここからエアコンや照明、シート調節といったあらゆるコントロールを直感的におこなえるようになっている。
今回のパリモーターショーにおいて、ポルシェはこの「パナメーラ スポーツツーリスモ」のほか、「911カレラ4」「911カレラ4S」「911カレラ4カブリオレ」「911カレラ4Sカブリオレ」をワールドプレミアする。