フォルクスワーゲングループ ナイト開催|Volkswagen
Volkswagen Group|フォルクスワーゲン グループ
フォルクスワーゲンによるパリサロン前夜祭
パリモーターショー2012開幕前日、グループ傘下のブランドをあつめ、フォルクスワーゲンが前夜祭を開催した。世界最大規模の同グループの展望はいかなるものか? 現地の大谷達也氏からのリポートが早速到着!
Text & Event photographs by OTANI Tatsuya
フォルクスワーゲングループはこれからも成長する
「ヨーロッパを覆う経済危機はいつ終わるのかと、たくさんの人たちが私にたずねます」
グループ内の全12ブランドが集結し、パリサロン2012のメディアデイ前日におこわれたフォルクスワーゲン・グループ・ナイト。その締め括りの挨拶に立ったフォルクスワーゲンAGのマルティン・ヴィンターコルン会長は、数百名のメディア関係者を前にしてそう語りかけた。
「多くの自動車メーカーが難局に立たされています。しかし、フォルクスワーゲン グループは力強く成長していくでしょう。なぜ、そう言えるのか? 私たちは今後も、正しい時期に、正しいモデルを、正しい地域で販売していくからです」
この言葉の背景として大きな意味を持っているのが、先ごろ発表された同社のプラットフォーム戦略「MQB」だ。エンジンを横置きするモデルのパワートレーンやプラットフォームを共通化することで開発期間を短縮し、コストの低減にも結び付くMQBは、市場ごとの要求にあったモデルを素早く発売するうえで極めて有効とされる。MQBは先ごろ日本でも発売されたフォルクスワーゲン「up!」で採用しているほか、「パリサロンの華」というべき「ゴルフ7」の開発でも活用された。そうした手法が、先を見通しにくい現在の自動車市場を生き抜いていく上で重要になるとフォルクスワーゲンは考えているのだ。
プラグインハイブリッドに積極的
いっぽう、今後の環境技術の柱として強く打ち出されたのはプラグイン ハイブリッドだった。トヨタがプリウスPHVでいちはやく紹介した「家庭で充電できるハイブリッドカー」は、従来のハイブリッドカーに充電用のコンセントをただ付けくわえただけでなく、バッテリーの容量を大きくすることで限定的ながら電気自動車としても利用できる可能性を持つ。この、電気自動車として走行可能な航続距離をプリウスPHVは26.4kmとしているが、フォルクスワーゲンは50kmまで拡大してEVとしての利用価値を高めるいっぽう、来年以降、フォルクスワーゲン グループの各ブランドで順次発売していくという。
EVの航続距離がネックとなっているなか、電気がなくなれば普通のハイブリッド車として利用できるプラグイン ハイブリッド車に注目が集まっているのは事実だが、さほどハイブリッドカーを積極的に開発しているとはおもえなかったフォルクスワーゲンが、今後の戦略としてプラグイン ハイブリッドを選択したことは、筆者にとっては軽い驚きだった。
そのほか、31.25km/ℓを誇る3世代目のフォルクスワーゲン 「ゴルフ ブルーモーション」を筆頭に、セアト「レオン」、ポルシェ「パナメーラ スポーツツーリスモ」、ランボルギーニ「ガヤルド」など数多くのニューモデル/コンセプトカーを発表したフォルクスワーゲン グループ。「2018年までにヨーロッパ最大の自動車メーカーになる」と、彼らの鼻息は荒い。
Mondial de I'Automobile 2012 Salon de Paris
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