第7世代の新型ゴルフ発表!|Volkswagen
Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン ゴルフ
第7世代の新型ゴルフ発表!
フォルクスワーゲンAGは、第7世代にあたる新型「ゴルフ」を、パリモーターショーでのお披露目に先駆けて発表した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
伝統的な外観と先進的な中身の融合
第7世代ということでゴルフ7とも呼ばれる新型「フォルクスワーゲン ゴルフ」は、アイコンである太いCピラー(後部ドアからリヤの部分)や長いルーフライン、水平基調のフロントおよびリヤのデザインなど、全体的にはキープコンセプトにみえる。しかしながら、生産技術にモジュラー・トランスバース・マトリックス(MQB)を採用、エンジンも新開発のものを導入し、内部はまったくあたらしいクルマであるという。車両重量を100kg減じたのをはじめ、さまざまな高効率化技術も導入され、欧州での環境性能指標となるCO2排出量は最大で23パーセントも削減している。
ボディサイズは全長4,255×全幅1,799×全高1,452mmと、先代にくらべて56mm長く、13mm広く、28mm低くなった。ホイールベースは2,637mmと59mm伸長され、さらに、前輪軸が43mm前に移動したためフロントオーバーハングが切り詰められている。このため、ボンネットが長くキャビンが後ろ寄りに見え“よりスポーティで高級感のあるシルエットになった”とフォルクスワーゲンのデザイナーは語る。
ボディの拡大と同時にキャビンスペースも拡張されており、後席のレッグルームで15mm、そのほか前後席ともに肘まわりや肩まわりのスペースが20~30mmひろがった。荷室容量も30リットル増え、380リットル。後席は6:4可倒分割式で、必要に応じて拡張することができるのは従来通りだ。
新開発のパワートレイン
パワートレインはガソリンとディーゼルが用意される。いずれも新開発で、ガソリンエンジンは直列4気筒DOHC 16バルブ直噴ターボ(TSI)。ローンチ時には出力のことなる2種類が設定され、エントリーレベルのものが最高出力85ps(63kW)、 /* 燃費が4.9ℓ/100km(およそ20.4km/ℓ)、CO2排出量は113g/km。これは同等性能の先代にたいして0.6ℓ/100km向上している。*/ ?>高出力版は最高出力140ps(103kW)で、こちらの燃費は4.8ℓ/100km、CO2排出量112g/kmだ。
1.4リッターTSIエンジンには「ポロ ブルーGT」で採用された気筒休止技術「ACT(アクティブ シリンダー テクノロジー)」も搭載される。具体的にはエンジン回転数が1,400-4,000の間でトルクが85Nm以下の低負荷時に、2気筒を休止させ燃費向上をはたす。これにより、欧州ドライビングサイクル値で0.4ℓ/kmの向上に貢献するという。
ディーゼルエンジンもおなじく新開発の直列4気筒DOHC 16バルブターボ(TDI)。はじめは、105ps(77kW)版と150ps(110kW)版がリリースされ105ps版の燃費は3.8ℓ/100km(およそ26.3km/ℓ)、CO2排出量は99g/kmと、100g/kmを下回る。150ps版においても、4.1ℓ/100km(およそ24.4km/ℓ)の燃費と106g/kmのCO2排出量で、ともに高い環境対応性能をほこる。
この環境性能はエンジンの性能だけでなく、軽量化によっても支えられている。具体的にはエンジンで40kg、トランスミッション系統で26kg、電気系統で6kg、ボディとインテリアで37kgの軽くなっている。ボディとインテリアはさらに内訳が公開されており、ボディのみで23kg、ダッシュボードで0.4kg、ダッシュボードの周りのフレーム等で1.4kg、シートで7kg、その他で2.5kg。なお、これらの減量ぶんをすべて足すと109kgになるが、実際の車両では安全装備などで増加している分もあり相殺されて100kgになるということだ。
さらに、4パーセントの燃費向上につながるという「スタート/ストップ(アイドリングストップ機能)」、4パーセントのCO2排出量削減になる「ブレーキエネルギー回収システム」も搭載する。
数多くの安全装備
安全にかんする装備も、最新のものと、「トゥアレグ」や「パサート」で先に採用されたものが導入され、より充実している。
今回はじめて導入される「マルチ コリジョン ブレーキング システム」は衝突したさいに自動的にブレーキをかけるシステムで、これにより衝突時の被害の度合いを決定する要素となる運動エネルギーを大幅に減少させることができるという。作動にあたっては、電子制御により減速度が0.6G以下に抑制され、ドライバーによるコントロールも確保される。たとえば、アクセルペダルを踏めば、この自動ブレーキは解除されドライバーによる危険回避動作を妨げることはない。この“事故後にはたらく”システム採用の背景として、人身事故のうち4分の1が二次的な衝突を発生させており、複数回の衝撃がくわわっているという研究成果があったからだという。
また、ハードブレーキングや強いアンダーステア、オーバーステアなど衝突する前兆を察知すると、エアバッグが有効にはたらくようシートベルトを締め前席乗員の着座位置を矯正するプリテンショナー機能にくわえ、サイドエアバッグやカーテンエアバッグが期待どおりに効果を発揮できるよう窓やサンルーフを自動的に閉めるプリクラッシュ機能が導入された。
そのほか、レーダーで探知により0-160km/h(MTの場合には30-160km/h)の間で自動走行をおこなう「アダプティブ クルーズ コントロール」、前走車に接近しすぎると警告を発し、それでも近づくと自動的にブレーキをかけ衝突の回避もしくは衝突時の衝撃を最小限にとどめる「フロント アシスト」、フロントアシスト警告時にかけたブレーキが足りない場合に必要なぶんのブレーキ力を自動的に補う「シティ エマージェンシー ブレーキング機能」、ドライバーのステアリング操作をモニタリングし疲労を検知した場合に休憩をうながす「ドライバー疲労検知システム」、カメラによる車線逸脱防止と車線に沿ったステアリング操作をサポートする「レーンアシスト」など、既存機能の発展や従来は高級車にしか採用されなかった安全技術が数多く採用された。
この最新技術の詰まった新型ゴルフのお披露目は、29日からはじまるパリモーターショー(パリサロン)にて。