ベスト 3シリーズはどれだ?|BMW
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2015年1月26日

ベスト 3シリーズはどれだ?|BMW

BMW 3 Series|BMW 3シリーズ

ディーゼル、ハイブリッド、4輪駆動……

充実ラインナップの3シリーズは どれがいい?

2011年10月、約7年ぶりのフルモデルチェンジが発表された6代目 BMW 3シリーズは、BMWの主力とあって、ここ日本でも、「328i」の発売以降、ハイブリッド4WDディーゼルツーリングと、パワーソースや駆動方式、ボディ形状のバリエーションを次々と投入。現在はユーザーのニーズに応じてきめ細やかなモデルを提供する体制にある。これまででもっとも豊かなラインナップになった、このBMWニュー3シリーズ。いったいベストバイはどれなのか? おなじみ大谷達也氏の見解。

Text by OTANI TatsuyaPhotographs by ARAKAWA Masayuki

いま 3シリーズとは?

BMWの屋台骨を支える3シリーズが急速にラインナップを拡充している。今年に入ってデビューした6世代目3シリーズ(F30系)の流れをまとめると、次のようになる。

1月30日 328iデビュー

4月9日  320iデビューと同時に6MTを追加

7月25日 アクティブハイブリッド3デビュー

8月8日  320i xDriveデビュー

8月22日 320d BluePerformanceデビュー

9月5日  3シリーズ ツーリングデビュー

まさに矢継ぎ早といいたくなるほどのモデル攻勢だが、ここであたらしい3シリーズでおさえておきたいポイントをいくつか紹介しておこう。

BMW ActiveHybrid 3|ビー・エム・ダブリュー アクティブ ハイブリッド 3

BMW 320d Touring|ビー・エム・ダブリュー 320d ツーリング

1) 日本仕様の3シリーズは基本すべて4気筒ターボエンジンを搭載。例外はアクティブハイブリッド3で、これは3.0リッター直列6気筒ツインパワーターボエンジンに電気モーターを組みあわせたハイブリッドモデルとなっている。

2) 328iと320iの最高出力はそれぞれ245psならびに184psとなるが、両者はあくまでもチューニングちがいであり、基本となる2.0リッター直列4気筒ツインパワーターボエンジンは共通。

3) 各モデルには標準、Sport、 Modern、Luxury、M Sportという5つのトリムレベルが用意されるが、Sport、 Modern、Luxuryの3タイプは内外装の味付けがことなるだけで、サスペンションやタイヤサイズは共通。価格も同一となっている。

4) 6MTが用意されるのはセダンの320iのみ。

5) 3シリーズのxDriveは、四輪駆動のBMWセダン初の右ハンドルとなることが特徴。ただし、320iセダンとのみ組みあわされる。

6) ワゴンボディのツーリングは320dならびに328iとのみ組みあわされる。

以上が新型3シリーズを考えるうえでの基本ルールだが、それでも選択肢の数は十分すぎるほど多い。そこで、ここでは最近追加されたパワートレーンを中心に紹介し、あなたに最適な3シリーズ選びをお手伝いすることにしよう。

BMW 3 Series|BMW 3シリーズ

ディーゼル、ハイブリッド、4輪駆動……

充実ラインナップの3シリーズは どれがいい? (2)

BMWのハイブリッドとはなにか?

まずは、日本仕様の新型3シリーズで唯一6気筒エンジンを搭載する「アクティブハイブリッド3」から。

日本でハイブリッドというと省燃費モデルとの印象が強いが、BMWをはじめとするドイツ車メーカーはハイブリッドを「燃費もいいハイパフォーマンスモデル」と捉えているフシがある。

プレスリリースを見ても、システム出力が340psで0-100km/h加速が5.3秒であることなど、まずはその性能の高さをアピール。価格についても、先代3シリーズのハイパフォーマンスモデルだった「335i」と比較して「わずか13万円の価格アップとなる699万円」と紹介している。

そのうえで、EVモードによってゼロエミッション走行が可能なことや、4気筒ガソリンエンジン並みの低燃費であることが謳われているのだ(JC08モードは320iと同等の16.5km/ℓ)。

ただし、試乗しての印象は、先代の335iとはいくぶんことなるものだった。

いかにも直噴ターボエンジンらしく、分厚い中低速トルクを発揮して力強い加速を見せる335iにたいし、アクティブハイブリッド3はエンジンの回り方が軽快で、スムーズかつ伸びやかにスピードを上積みしていくのだ。

結果としてアクティブハイブリッド3は、自然吸気の直列6気筒エンジンを搭載した先代の「325i」のごとき自然な加速感をしめす。しかし、フルスロットルにすればブースト機能が働いて340psのシステム出力を余すところなく発揮。先代335iに勝るとも劣らないパフォーマンスを見せる。

BMW ActiveHybrid 3|ビー・エム・ダブリュー アクティブ ハイブリッド 3

前述のとおり、アクティブハイブリッド3は新型3シリーズで唯一の直列6気筒エンジン搭載モデル。であればこそ、BMWの伝統である“ストレート6”の味わいをよく残していることは率直に嬉しかった。先代335iのやや野太い音色とはことなり、軽く澄んだエグゾーストサウンドを響かせる点も好感が持てる。

BMW 3 Series|BMW 3シリーズ

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充実ラインナップの3シリーズは どれがいい? (3)

最新のF30系 328i、320i、そして320i xDrive

BMWが「xDrive」と呼ぶ4WDモデルは、新型3シリーズでは320iのみに設定される。320iというと、最近は「ノーズが軽いのはいいけれどややパフォーマンス不足で、4気筒エンジンの質感も物足りない」との評価が主流だったが、おなじ4気筒でも直噴ターボとなるF30系の320iは、低回転域から余裕あるトルクを発揮。ほとんどのシーンで328iに匹敵するパフォーマンスを楽しめる。

また、ノイズやバイブレーションの点でも、もはや4気筒の不利を感じさせない仕上がりとなっており、コストパフォーマンスを考えれば328iよりもむしろお勧めのモデルといえる。

当然、xDriveと組みあわせても動力性能や質感に不満は感じられない。

BMW 320i xDrive|ビー・エム・ダブリュー 320i エックスドライブ

BMW 320i xDrive|ビー・エム・ダブリュー 320i エックスドライブ

しかも、今回は雨が降るなかでの試乗となったが、そんなときでも4WDがもたらすトラクションは心強く、安心して箱根のワインディングロードを駆け抜けることができた。

4WDのメリットはトラクションが良好なことばかりではない。駆動輪が滑りはじめるとハンドリング特性が大きく変化する2WDとことなり、4WDでは多少スキッド(横滑り)してもコーナリング中の軌跡はほとんど変わらない。ウェットコンディションでも限界的なコーナリングを安心して楽しめる所以である。

唯一難点を挙げるとすれば、フロントにも駆動力を伝える関係で、インフォメーションが豊富なBMW特有のステアリングフィールがやや損なわれていることだが、その差はごくわずか。それよりも4WDのメリットの方がはるかに大きい。480万円からとなる価格も、BMWの4WDモデルとしては魅力的だ。

BMW 3 Series|BMW 3シリーズ

ディーゼル、ハイブリッド、4輪駆動……

充実ラインナップの3シリーズは どれがいい? (4)

ディーゼルモデルの驚くべき完成度―320d ツーリング

最後に紹介するのは320d BluePerformance Touring。このモデル、じつは驚くほど完成度が高かった。

BMWのディーゼルモデルといえば、3.0リッター直列6気筒エンジン搭載の「X5 xDrive35d BluePerformance」がすでに導入済みだが、どちらかといえば高回転域を好むX5にくらべると、320dはディーゼルらしく低回転でも豊富なトルクを生み出し、優れたドライバビリティを実現している。

BMW 320d Touring|ビー・エム・ダブリュー 320d ツーリング

BMW 320d Touring|ビー・エム・ダブリュー 320d ツーリング

スロットル操作にたいする反応がきわめてリニアなことも美点のひとつ。さらには絶対的なパワーも十分で、レスポンスが良好なため、タイトなワインディングロードを攻めてもまったくもどかしさを感じなかった。

また、ボディ剛性が際だって高いうえ、ややソリッドな手応えのサスペンション設定が絶妙で、まるでクルマを手のひらの上に乗せて操っているかのような一体感を味わえた。

意外におもわれるかもしれないが、自分のおもうままにドライブできるという意味では、今回試乗した320d BluePerformance Touringが新型3シリーズのなかではベストである。

ディーゼルフィルターとNOx吸蔵還元触媒の組みあわせだけで、尿素SCRシステムを採用せずにポスト新長期規制をクリアした排ガス処理技術も特筆すべきだ。

ワゴンボディのツーリングでも491万円という低価格を実現するうえで、尿素SCRシステムを採用しなかった効果は大きいはず。

おなじ理由から、尿素を補給する必要がなくなり、実質的にメンテナンスフリーとしたことも見逃せない長所である。

BMW 320d Touring|ビー・エム・ダブリュー 320d ツーリング

328i、320i、アクティブハイブリッド3、xDrive、320d、そしてツーリングと多彩なラインナップを誇る新型3シリーズ。当初はモデル選びの一助になればとおもって書きはじめた一文だが、その魅力を書き連ねるうち、かえって読者を混乱させる結果になったのではないかと、いまは深く反省している次第である。

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BMW ActiveHybrid3 M Sport|ビー・エム・ダブリュー アクティブハイブリッド3 M Sport

ボディサイズ|全長4,625×全幅1,800×全高1,440mm

ホイールベース|2,810mm

トレッド 前/後|1,525/1,540mm

重量|1,740kg

エンジン|2,979cc直列6気筒直噴DOHCターボ付き

最高出力| 225kW(306ps)/5,800rpm

最大トルク|400Nm(40.8kgm)/1,200-5,000rpm

モーター出力|40kW(54ps)

モータートルク|210Nm(21.4kgm)

システム最高出力|250kw(340ps)

システム最大トルク|450Nm(45.9kgm)

トランスミッション|8段オートマチック

駆動方式|後輪駆動

サスペンション 前|ダブルジョイントストラット/コイル

サスペンション 後|5リンク/コイル

タイヤ 前/後|225/45R18 / 225/40R18

トランク容量|390リットル

燃費|16.5km/ℓ(JC08モード)

価格|745万円

BMW 320i xDrive Luxury|ビー・エム・ダブリュー 320i エックスドライブ ラグジュアリー

ボディサイズ|全長4,625×全幅1,800×全高1,440mm

ホイールベース|2,810mm

トレッド 前/後|1,520/1,560mm

重量|1,610kg

エンジン|1,997cc直列4気筒直噴DOHCターボ付き

最高出力| 135kW(184ps)/5,000rpm

最大トルク|270Nm(27.5kgm)/1,250-4,500rpm

トランスミッション|8段オートマチック

駆動方式|4輪駆動

サスペンション 前|ダブルジョイントストラット/コイル

サスペンション 後|5リンク/コイル

タイヤ|225/50R17

トランク容量|480リットル

燃費|15.2km/ℓ(JC08モード)

価格|500万円

BMW 320d BluePerformance Touring Sport|ビー・エム・ダブリュー 320d ブルーパフォーマンス ツーリング スポーツ

ボディサイズ|全長4,625×全幅1,800×全高1,460mm

ホイールベース|2,810mm

トレッド 前/後|1,520/1,560mm

重量|1,620kg

エンジン|1,995cc直列4気筒直噴DOHCディーゼル ターボ付き

最高出力| 135kW(184ps)/4,000rpm

最大トルク|380Nm(38.7kgm)/1,750-2,750rpm

トランスミッション|8段オートマチック

駆動方式|後輪駆動

サスペンション 前|ダブルジョイントストラット/コイル

サスペンション 後|5リンク/コイル

タイヤ|225/50R17

トランク容量|495-1,500リットル

燃費|19.4km/ℓ(JC08モード)

価格|511万円

           
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