メルセデス・ベンツ新型Bクラスに試乗|Mercedes-Benz
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2015年1月26日

メルセデス・ベンツ新型Bクラスに試乗|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|
メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

世界でヒットする要素は十二分

メルセデス・ベンツ新型Bクラスに試乗

デビューから6年目を迎えた今年、フルモデルチェンジを果たし2代目へと進化を遂げたメルセデス・ベンツの新型「Bクラス」。先代にはないスポーティーなルックスに、1.6リッター直4ターボと自社製デュアルクラッチの7G-DCTを組み合わせ、内外ともにその印象を大きく変えた。今回は東京から熱海までを、九島辰也がテストドライブ。そのレポートをお届けする。

Text by KUSHIMA TastuyaPhotographs by NAITO Takahito

新型はかなりホンキ

激化するコンパクトカーマーケットにおいて、メルセデスの密かな稼ぎ頭となっているのがこの「Bクラス」である。先代は2005年のリリースから世界中で70万台売ったというから恐れ入る。「Cクラス」「Eクラス」にも負けない勢いだし、もっというと近年は初代「Aクラス」よりもいい成績を残している。つまり、メルセデスにとって重要なモデルということだ。

そんなこともあって、新型はかなりホンキでつくられた。これまではAクラスをボリュームアップした感が拭えなかったが今度はそうじゃない。スタイリングからインテリアまで、オリジナリティたっぷりに描かれた。特にフロントマスクからキャビンまでのまとまり感はじつにいい。先代比でマイナス約65mmの車高で、スポーティさと高級感を兼ね備える。

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

個人的には“顔”が好きだ。「SL」にも通じるスポーティな横棒だけのグリルと、「Mクラス」と共通するLEDをヘッドライトユニット上部に埋め込んだ造形がかっこいいし、遠くからでもメルセデスとわかるところが見る者のハートをくすぐる。

それにハードウエアもそう。床下に電池を搭載する目的でつくられたサンドウィッチ構造のフレームから脱却し、堅牢なボディがあてがわれた。この辺は走り出してすぐに感じるところだが、メルセデスのこだわりとおもわれる。小さくてもお金をかけるべきところはしっかりかけているのが彼ら流だ。

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|
メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

世界でヒットする要素は十二分

メルセデス・ベンツ新型Bクラスに試乗(2)

Bクラスのグレードはふたつ

さて、そんなBクラスの日本仕様はふたつのグレードからなる。「B180 BlueEFFICIENCY」と「B180 BlueEFFICIENCY Sports」の2モデルだ。ともにおなじパワートレーンを持ち、装備のちがいによってわけられる。というのも、今回戦略的に299万円という価格設定をおこなったからだ。

いまさらだが、実際にオプションなどで価格が膨らんだとしても、車両本体価格というのは気を引く要素が強い。自動車雑誌の企画でも「300万円以下の○○○」といった風にクルマを線引きすることが多々ある……

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

エンジンは1.6リッター直4ターボで、これと自社製の7G-DCTを組み合わせる。先代ではCVTだったのでこの辺が大きく変わった点といえるだろう。中高回転型の心臓とデュアルクラッチでスポーティな走りを実現した。しかも、ECOスタートストップ機能で好燃費も両立。ダウンサイジングされたエンジンとあわせ、新世代ユニットであることは明白だ。

ただし、実際に走らせてまったく違和感がないわけでもない。中高回転型と記したように低速でもたつくところもある。アクセルにたいして踏みしろが深いのも関係して、いざというときの俊敏さに欠ける。もちろん、そこはダイレクトセレクトと呼ばれるパドルタイプのシフト操作でカバーできるし、そうした走りを強要しなければ問題はない。街中を自由自在に走りまわる場面では快適そのもの。軽めに設定されたパワステで、軽快な街の遊撃手になれる。

Mercedes-Benz B180 BlueEFFICIENCY|
メルセデス・ベンツ B180 ブルーエフィシェンシー

世界でヒットする要素は十二分

メルセデス・ベンツ新型Bクラスに試乗(3)

メルセデスはこうでなくっちゃ

タイヤサイズはスタンダードの「B180 BlueEFFICIENCY」が16インチで、「B180 BlueEFFICIENCY Sports」が17インチという設定だが、どちらにせよ想像していたより乗り心地は固い。そこは車高とサスペンションキットの関係もあるようだが、もう少し柔らかくてもいいとおもわれる。

それでも、高速域になるとクルマがピタッと安定するのはさすが。特に路面のいいところでは、かなりコンフォートなフラットライドが顔を出す。メルセデスはこうでなくっちゃ、とつぶやいてしまう瞬間だ。

このほかでは「CPA」と名付けられたレーダー型衝突警告システムが特筆できる。前方車両との衝突危険性をクルマが察知し、ドライバーへ知らせるというものだ。最終的にはブレーキアシストがおこなわれ、事故回避に必要な制動力を自動的に補ってくれるというのだから心強い。今後こうしたシステムは益々進化していくことだろう。

このようなプロファイルを持つ新型Bクラス。駆け足で見て来たが、日本で、いや世界でヒットする要素は十二分に読み取れる。この分ではきっと先代のセールを大きく上まわるにちがいない。メルセデスの稼ぎ頭はまだまだ健在だ。

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B180 BlueEFFICIENCY |メルセデス・ベンツ B 180 ブルーエフィシェンシー

ボディサイズ|全長4,365×全幅1,785×全高1,540mm

ホイールベース|2,700mm

トレッド 前/後|1,550mm/1,550mm

車輌重量|1,450kg

エンジン|1,595cc

ボア×ストローク|83.0×73.7mm

圧縮比|10.3

最高出力|122ps(90kW)/5,000rpm

最大トルク|200Nm(約20.4kgm)/1,250-4,000rpm

駆動形式|FF

トランスミッション|7段AT(7G-DCT)

サスペンション 前/後|ストラット / マルチリンク

ブレーキ|ベンチレーティッドディスク

タイヤ 前/後|205/55R16 / 205/55R16(225/45R17 / 225/45R17)

最小回転直径|5.2m

燃費(10・15モード)|16.4km/L

燃費(JC08モード)|16.0km/L

価格|299万円(試乗車はオプション装着車で327万3,000円となる)

           
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