今回オープンした旗艦店には、デザイナーであるトッド・スナイダーのライフスタイルすべてが詰め込まれている。当然ながらそのメインコレクションこそ、彼の世界観を端的に表すプロダクトといえよう。2014年春夏のコレクションは、1960年公開の映画、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』にインスピレーションを受けている。シンプルでエレガント、トッドが考える“格好いい男”のスタイルがこれだ。

静謐、成熟を醸し出すレザー

春夏ならではの薄手のレザーブルゾンとブラックジーンズを用いた、シャープな印象の着こなし。独特の落ち着きを醸し出している理由は、ブルーの、リバティプリントシャツにある。華美ではなく、ラフでもないレザー……モダンジェントルマンらしさを十分に表現したコーディネート、その見本である。

サウスウィック生産によるテーラードラインをはじめ、フォックス アンブレラズやベルベストなど、歴史ある名ブランドとのショップ限定コラボレーションアイテムも見どころのひとつ。伝統と革新のクロスオーバーによって、“モダンジェントルマン”にふさわしい今日的エレガンスを醸し出す品々に、注目してほしい。

“きちっとリラックス”がキーワード

驚くほど軽い一枚仕立てのネイビーブレザーは、シャープなシルエットでコンテンポラリーなイメージを演出、オーセンティックなムードと最先端のスタイリングを融和させる効能がある。これもサウスウィックとの共作だからこそなせる業か。シャンブレーのボタンダウンシャツに、ネイビーのナロータイ、そしてナチュラルストーンのジーンズを合わせ、ほどよく無骨なレザーシューズをチョイス。絶妙なスマートさとリラックス感を備えた着こなしだ。

トッド・スナイダーというフィルターを通して、セレクトにセレクトを重ねて選ばれた、アクセサリーコレクション。英国ベイツのハットやホワイトハウスコックスのレザーグッズ、ドイツはクライスのレザーバッグ、アメリカのモスコットやイタリアのペルソールのアイウェア……文字通り世界中から選び抜かれた逸品揃い。マニア垂涎のアンティークウォッチも必見だ。

ポロ ラルフローレンのデザイナー、ギャップのディレクター、J.クルーのシニア・バイスプレジデントなど、メンズファッションにおける要職を歴任。J.クルー在籍時には「THE LIQUOR STORE（ザ・リカーストア）」というエポックメイキングなコンセプトショップを成功に導いた、トッド・スナイダー。彼のインタビューと、旗艦店の概要はこちらへ。