MOVIE|豪華絢爛な歴史ドラマ『皇帝と公爵』
MOVIE|皇帝と永遠のライバルの知られざる戦いがいま、描かれる
豪華絢爛な歴史ドラマ『皇帝と公爵』
2011年に亡くなった名匠ラウル・ルイス監督最後のプロジェクトを、彼のパートナーであるバレリア・サルミエントがメガフォンを取り、完成させた『皇帝と公爵』。12月28日(土)より、シネスイッチ銀座ほかで全国順次ロードショーされる。
Text by KUROMIYA Yuzu
ルイス監督最後のプロジェクトに豪華キャストが集結
武勇を誇ったナポレオンに対し、知将として知られたウェリントン。この対照的なふたりが、ただ一度剣を交えたという世紀の決戦が、“ワーテルローの戦い”である。そのきっかけとなったのは、フランス軍のポルトガル征服と、その侵略を食い止めるイギリス・ポルトガル連合軍が激突したブサコの戦いだ。本作では、その知られざる攻防を描く。
前線で戦う兵士たちの姿はもちろん、たくましく生き抜く女性たち、そして否応なく戦火の渦に巻き込まれていく人びとを分け隔てなく映し出し、動乱の時代をあらゆる角度から浮き彫りにしていく。
キャストには、ウェリントン役のジョン・マルコヴィッチをはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック、ミシェル・ピコリら豪華俳優陣が集結する。
それぞれの運命が、最後の砦“トレス線”で交錯する
1810年9月27日、フランス軍第二大隊の兵士たちは激戦の末、ポルトガル・ブサコの斜面を這い上がり、アルコバ山頂に達した。しかし、やっとの思いで尾根に出たフランス兵たちの目に飛び込んできたのは、準備万端で待ち構えるイギリス軍の姿だった。
ウェリントンの戦略により、イギリス軍は見事、フランス軍を追い払うことに成功。だが勝利を収めたのにもかかわらず、イギリス軍はウェリントンが建設した要塞“トレス線”へ撤退。リスボンの手前に建設されたこの“トレス線”は、知将ウェリントンが1年前から密かに準備を進めていた、80キロにもおよぶ防衛のための砦であった。
「戦争において苦しむのは女性たちということを伝えたかった」と語るバレリア・サルミエント監督。故ラウル・ルイス監督の意思を引き継ぐこの女性監督の手により、戦時下における女性たちの苦しみとその生命力が、いっそう強く描き出されているのもポイントだ。
『皇帝と公爵』
12月28日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督|バレリア・サルミエント
出演|ジョン・マルコヴィッチ、マチュー・アマルリック、メルヴィル・プポー、カトリーヌ・ドヌーヴ
2012年/フランス・ポルトガル/152分/ PG‐12/原題『Linhas de Wellington』
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