メルセデス・ベンツ E 350 クーペに試乗|Mercedes-Benz
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2014年12月25日

メルセデス・ベンツ E 350 クーペに試乗|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

メルセデス・ベンツ Eクラス クーペに試乗

ドイツでは今年1月に登場し、昨日、日本発売となった「Eクラス クーペ & カブリオレ」。OPENERSでは登場間もない、このEクラス クーペのうち、V型6気筒エンジンを搭載したE350 クーペを小川フミオ氏とともに試した。

Text by OGAWA FumioMPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko

おとなのクルマ

さる2013年8月5日に発表されたばかりのメルセデス・ベンツ「E350 クーペ」にさっそく試乗した。すばらしい6気筒搭載の、エレガントでパワフルなモデルだ。

今年のメルセデス・ベンツは大豊作だ。

Aクラス」、「Eクラス」につづいて、「Eクラス クーペ」と「カブリオレ」が2013年8月5日に日本発売された。

注目の1台がV6エンジン搭載のE350 クーペ。新型Aクラスともどこか共通するイメージのアグレッシブなフロントマスクに、306馬力の3.5リッターエンジンを組みあわせた、スポーティな印象が強いモデルだ。

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

新型Eクラス クーペのボディサイズは全長4,705×全幅1,785×全高1,395mm。従来型と比較すると、2,760mmのホイールベースをはじめ、全幅と全高は不変、全長が10mm短くなっている。見た目の印象は、数字から想像するよりずっとコンパクトだ。

乗ったクルマはAMGスポーツパッケージ装着車。ゆえに、フロントバンパー部分の造形が複雑になり、いってみればどう猛な印象が強くなっている。それでも全体を通じての、流麗なルーフラインを持ちエレガントさを重視するクーペというキャラクターは(かろうじて)守られている。

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

トルキーなV6エンジンによる低回転域からスムーズな加速性が特徴で、最初の印象は、繰り返しになるが、アグレッシブでありつつ、乗り味はエレガントでコンフォタブル。

E350クーペをひとことで表現するなら「おとなのクルマ」という言いかたがあうかもしれない。

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メルセデス・ベンツ Eクラス クーペに試乗 (2)

収まりのいいスタイル

大幅なデザイン変更を受けたE350 クーペ(875万円)。フロント部分をはじめとする外観については触れたとおりだが、内装も同様に、従来のモデルとは大きく印象がかわった。

ドアを開けてまず目にとびこんでくるのが、あたらしい意匠を与えられた、ヘッドレスト一体型のハイバックシート。新型Aクラスを連想させるデザインで、はたしてスポーティで、若々しいイメージが強くなっている。

レッグルームもあり大人も余裕で乗っていられる後席にも、ヘッドレスト一体型ハイバックシートがそなわり、やはりAクラスをおもわせる。クーペでも後席の居住性を強調するのが、メルセデス流なのだとあらためてわかった気がする。

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

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座り心地は上々。シート座面のクッションは硬めだが、路面からの振動は上手に吸収してくれる。上半身のサポート性はよく、コーナリング中にからだが動くこともない。メルセデス車の常として、積極的にワインディングロードを楽しむキャラクターではないが、走れば不安定性さはなく、しっかり仕事をこなしてくれる。スポーツカーのような刺激こそないものの、ある種の楽しさはちゃんと存在している。

後席用のリアクォーターウィンドウは、複雑なカムを介して、全開になるのも、完璧主義の表れと感心する。ハードトップのクーペは、窓を全開して走行するのも、かっこがよいものだ。ハードトップの名が意味しているように、本来はオープンだったボディに硬い屋根を便宜的に載せたのが、Eクラス クーペのようなハードトップ クーペのスタイルの原点だからだ。とても収まりのいいスタイルだ。

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メルセデス・ベンツ Eクラス クーペに試乗 (3)

メルセデスのキャラクターが守られている

従来型と基本的にはスペックスを一にするV型6気筒エンジンは、とてもよい。1,500rpmも回せばもりもりとトルクを出し、アクセルペダルを強めに踏み込んだときこそ、途中ややトルクの谷があるが、そのあとは一気呵成にレッドゾーンまで回る。

トルクが豊かで、市街地をゆっくり流すのも気持ちがいいが、美点はさらにある。3,000rpmから上の回転域でとりわけ明確なトルクバンドをもち、力強い加速が得られることがひとつ。くわえて、6気筒のスムーズで上質な回転マナーは、やはり4気筒エンジンとは一線を画したものだ。

Eクラス クーペという、上質さを期待させるキャラクターによくあっている。

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

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といいつつも、アクセルペダルの重さに驚くドライバーもいるかもしれない。“ドライバーは意識的に加速すべし”という1960年代からのメルセデスの思想がいまだに残っているのだろう。このあたりは、積極的にスポーツドライビングを楽しませようという姿勢のBMWと、いまだ一線を画しているようで、おもしろい。

追従性のよいサスペンションと、リニアリティの高いハンドルのおかげで、いっさいの不安定さはなく、とても気持ちのいいドライブができる。

さきにも書いたが、Eクラス クーペには、メルセデスがずっと守ってきたキャラクターがきちんと備わっている。つねに乗るひとを優先して、スポーティに振れすぎず、求められたら応えるという、マージンをとった操縦性。この個性を失っていないのはすばらしいことだと、このクルマに乗っていると、つくづくおもう。

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

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メルセデス・ベンツ Eクラス クーペに試乗 (4)

絶対に欲しくなる安全装備

Eクラス クーペ(それに同時に発売されたカブリオレ)には、さきにビッグマイナーチェンジを受けた新型Eクラスと同様、「レーダーセーフティパッケージ」が用意される。E350 クーペでは標準装備だ。これからのクルマにとって必需品となりつつある安全装備がそなわったことは、ユーザーへの朗報だろう。

レーダーセーフティパッケージは、5つのレーダーセンサーと1つのカメラを搭載。安全運転支援が謳われており、大きな内容は下記のとおりとなる。

1 カーブでの追従走行
2 横から飛び出すクルマを検知
3 歩行者に反応
4 追突などの二次被害を軽減

Mercedes-Benz E 350 Coupe|メルセデス・ベンツ E 350 クーペ

ある速度で「ディストロニック・プラス」とよばれる前車追従機能を作動させると、先行車との車間距離を保ちつつ、減速も加速も、さらに停止も自動でおこなわれる。停止からの再加速のみ、運転者が加速の意思を、アクセルペダルを軽く踏むことでクルマに伝える必要があるが、そのあとは追従走行が再開される。カーブも車線があれば、きちんとトレースしていく。

セットはステアリングコラム脇から生えているレバーを使ってワンタッチで容易におこなえる。もし追突したらどうしよう……と不安もあるが、しかし、テスト走行のときは、システムは完璧に作動してくれた。まあ、いざというときドライバーを助けてくれる可能性のある補助的な装備と考えておいたほうがいいかもしれない。だとしても、絶対に欲しくなる安全装備だ。

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Mercedes-Benz E350 Coupe|メルセデス・ベンツ E350 クーペ
ボディサイズ|全長4,705×全幅1,785×全高1,395 mm
ホイールベース|2,760 mm
トレッド 前/後|1,540 / 1,535 mm
最低地上高|135 mm
最小回転半径|5.1 メートル
トランク容量|415リットル
重量|1,690 kg
エンジン|3,497cc V型6気筒 直噴DOHC
最高出力| 225kW(306ps)/ 6,500 rpm
最大トルク|370Nm(37.7kgm)/ 3,500-5,250 rpm
トランスミッション|7段オートマチック
駆動方式|FR
ステアリング位置|左/右
タイヤ 前/後|235/40R18 / 255/35R18
燃費(JC08モード)|12.8 km/ℓ
価格|875万円

           
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