セダン最小のS

アウディのモデルのうち、もっとも小さなサルーン「A3セダン」。アウディによれば、その発売からわずか数ヵ月後には、「S3セダン」がラインナップにくわわるという。

このS3セダンでは、「S」をその名にもつモデルとして、バンパー、シングルフレームグリル、エアインテーク、ドラミラー、サイドシル、リアスポイラーなどが、ほかのSモデルとおなじ意匠のものに変更され、2本出しのクローム デュアルエグゾーストパイプが特別なモデルであることを主張する。

パワートレインは、221kW（300ps）の最高出力と380Nmもの最大トルクを発揮する、2リッター直列4気筒エンジン、2.0TFSI。

このハイパフォーマンスエンジンは、燃焼室とインテークマニフォールドの両方に燃料を供給できるデュアル フューエル インジェクション機能、シリンダーヘッドに内蔵されるエグゾーストマニフォールド、アウディ バルブリフト システム、熱管理システムのためのロータリーバルブモジュールなど、最新技術が採用されて、スポーティモデルに相応しい性能を実現する。駆動方式は、アウディ得意の4輪駆動「クワトロ」だ。

このエンジンと、デュアルクラッチトランスミッションである「Sトロニック」が組みあわされると、S3セダンが静止状態から100km/hに至るには、わずか4.9秒しかかからない。マニュアルトランスミッションでも、たった5.3秒だ。その後、加速しつづけると、250km/hに達した段階で、リミッターにより抑制される設定になっている。

いっぽうで燃費はSトロニックモデルで、6.9ℓ/100km（およそ14.5km/ℓ）、MTで7.0ℓ/100km（14.3km/ℓ）。CO2排出量も、それぞれ、159g/km（Sトロニック）と162g/km（MT）におさえられている。

車高はスポーツサスペンションにより、標準のA3セダンよりも25mm低く、18インチホイールの内部には、フロントで直径340mmという大径ブレーキディスクを装備。電動アシストのパワーステアリングは可変レシオとなっており、センター付近はある程度あいまいな部分をのこしながら、深く切り込むとダイレクト感を増すという。

車両のセッティングを変更する「アウディ ドライブセレクト」が標準装備され、オプションで「アウディ マグネティック ライド ダンパー コントロール」を設定することも可能だ。

今回の発表はあくまでも、予告。とはいえ、冒頭に記したように、すでに発売が見込まれているため、次なる情報が入るのも、それほど先の話ではないだろう。