ジュネーブ現地リポート|Ferrari
CAR / MOTOR SHOW
2014年12月24日

ジュネーブ現地リポート|Ferrari

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラフェラーリ

ラ フェラーリという事件

フェラーリのあらたなるフラッグシップ「ラ フェラーリ」。昨日の発表以来、クルマファンの話題を総ざらいにしているこのモデル、その発表の現場は熱気に包まれたいた。ジュネーブの大谷達也氏からのリポート。

Text by OTANI Tatsuya

2013年 ジュネーブの華

ショー会場は異様な熱気に包まれていた。一部のジャーナリストは少しでもよく見える場所を求めて隣にあるジープのブースにまで進出している。裏手に見える階段には鈴なりの人、人、人……もちろん、ステージ周辺には幾重にも人垣ができていて、肝心の“クルマ”はまったく見えない。

フェラーリのフラッグシップスポーツカー「ラ フェラーリ」はマクラーレン「P1」と並ぶ「今年のジュネーヴの華」とされたモデルだが、この熱狂振りには心底驚かされた。最初にステージ上に上がったルカ・ディ・モンテゼーモロは「こんなにたくさんの皆さんに集まっていただき、本当に嬉しくおもいます」と挨拶したが、それは偽らざる心境だったのではないか。

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラ フェラーリ

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラ フェラーリ

果たしてアンベールされたラ フェラーリは、非常に未来的で、レーシングカー的で、そして何よりも強いオーラを放っていた。

デザインはやや煩雑か?

まるでル・マン24時間レースを戦うプロトタイプ レーシングカーのように、キャビン部分はモノコックのみの幅の狭い形状とし、その前後にタイヤをカバーするための空力的なフェンダーを取り付けた造形は先代の「エンツォ」に通ずるものだが、そこに前衛性という、あらたな要素が付けくわえられた。

ただし、デザインはやや煩雑で、ボディ後半部分にはスポーツカーに必須の引き締まった印象が希薄に感じられたのも事実。古い世代の筆者は、どうしてもピニンファリーナ時代のフェラーリを懐かしくおもってしまう。

いっぽう、パワートレーンの進化には目を見張るものがある。

HY-KERS×9,250rpm

F1でもライバル関係にあるマクラーレンが、P1でIPASを投入したのと同様、ラフェラーリもHY-KERSという名のハイブリッドシステムをラフェラーリに搭載した。興味深いのは、P1がひとつのモーターで発電機と電動機を兼ねているのにたいして、フェラーリは発電用と電動用のふたつのモーターを搭載していることだった。

自然吸気V12エンジンの排気量は6,262ccで、800psを発生。驚くべきは、これだけ大排気量のエンジンが9,250rpmまで回ることだろう。

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラ フェラーリ

さらに圧縮比も13.5と極めて高く、結果としてリッターあたり128psというパワーを得ている。なお、モーターの出力は163psで、トータルのシステム出力は963psとなる。

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラ フェラーリ

Ferrari LaFerrari|フェラーリ ラ フェラーリ

499/700

華々しいデビューを飾ったラフェラーリだが、ファンにとっては残念なことがある。

このフラッグシップ フェラーリも限定生産となるのだが、予定されている499台を上まわる700件ほどのオーダーがすでに入っているのだ。したがって、あなたがこれから直ちにフェラーリ ディーラーに駆け込んだとしても、購入できる可能性は万にひとつもない。

「これから我々は難しい作業をおこなわなければなりません」とディ・モンテゼーモロ。

「700人のなかで誰がフェラーリにとって正しいお客様なのかを見極めなければいけないからです」

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