あらたな12Cのコンセプトは、究極のサーキット専用マシン|McLaren
CAR / NEWS
2014年12月9日

あらたな12Cのコンセプトは、究極のサーキット専用マシン|McLaren

McLAREN 12C Can-Am Edition Racing Concept|
マクラーレン 12C カンナム エディション レーシング コンセプト

究極のサーキット専用マシン

マークラーレン・オートモーティブから、究極のサーキット専用マシンをコンセプトとした「マクラーレン 12C カンナム エディション レーシング コンセプト」が発表された。

Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)

最新のF1マシンテクノロジーを12Cへ還元

今週末、米国カリフォルニア州で開催される世界的自動車イベント「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」を舞台に、マークラーレン・オートモーティブは、あらたなコンセプトモデルの発表をおこなう。昨日、そのお披露目を前にスタジオショットが先行公開された。

創始者のブルース・マクラーレンと、1960-70年代に活躍したレーシングドライバー、デニス・ハルムへの賛辞を込め、ふたりの母国であるニュージーランドのナショナルカラーが配されたオレンジのボディ。このレーシングカー然とした佇まいは、もちろん見た目だけではない。

マクラーレン・グループがあらたに創設したレース車両部門、「マクラーレンGT」が製作した「マクラーレン 12C カンナム エディション レーシング コンセプト」は、「MP4-12C GT3」をベース車両とし、究極のサーキット専用マシンとして開発が進めれた。



室内はレカロ社製のシートに6点式ハーネス、ロールケージにくわえ、コックピットには、F1マシン「MP4-24」と同じファンクションシステムを持つステアリングを装備。もちろん、空調システムなどサーキット走行において必要最低限の設備は備わるが、その仕様は極めてスパルタンだ。一切無駄のないシンプルなインテリアは当然車輌重量にも反映され、ルーフ、ドア、バンパーなどにカーボン素材を多用したことで大幅なダイエットに成功。ロードモデルの「MP4-12C」比でマイナス234kgの1,200kgとなる。

また、F1マシンの開発でつちかった先進の技術を駆使し設計された、リップスポイラー、リヤウイング、リヤディフューザーなどのカーボン製空力パーツを装着することで、ロードモデルのMP4-12Cと比べダウンフォースが30%アップ。F1マニュファクチャラーとしての実力が数値として随所に現れている。

パワートレインはロードモデルのMP4-12Cとおなじく、V型8気筒3.8リッターツインターボエンジンだが、燃料制御システムを最適化させてたことで、12Cのラインナップの中ではもっともパワフルな630ps(2013年版ロードモデル比+5ps)を発揮。その強靭なパワーを受け止める足回りは、ピレリのスリックタイヤに、曙社のブレーキシステムが組み合わされ、サーキットでの走行性能をいっそう高めている。

この「マクラーレン 12C カンナム エディション レーシング コンセプト」は、先述のとおり究極のサーキット専用マシンとして開発された。それだけに現時点ではどの自動車レースのレギュレーションにも適合しておらず参戦することは不可能だ。だが、ひょっとするとマクラーレンは、フェラーリが「458チャレンジ」で、ランボルギーニが「ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ」で成功を納めていく様子を横目に、自身によるワンメイクレースの開催を目論んでいるのかも、しれない。

           
Photo Gallery