McLaren MP4-12C GT3|マクラーレン MP4-12C GT3
McLaren MP4-12C GT3|マクラーレン MP4-12C GT3
マクラーレン製スーパーカーにGT3仕様がデビュー
マクラーレンは、近々デリバリーをはじめるMP4-12Cのレース仕様車を発表した。
文=松尾 大
よりエアロダイナミクスを追求
その名前のとおりGT3カテゴリーへの参戦を可能にするために、MP4-12Cをベースにつくられたレース仕様車が、マクラーレン MP4-12C GT3だ。今回マクラーレンは、イギリスにあるCRSレーシングと共同でマクラーレンGT社を設立。そのGT社がこのモデルの開発をおこなっている。
このマシンの開発を担当しているのは、2005年ブリティッシュF3チャンピオンシップ、および2007年フォーミュラ・ルノー3.5シリーズでチャンピオンに輝き、昨年はGP2シリーズにスクーデリア・コローニから参戦し、総合15位となった26歳のポルトガル人レーサー、アルバロ・パレンテだ。
シャシーはベースとなったMP4-12C同様、カーボン・モノセルと呼ばれるモノコックで、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)という射出成形によるワンピース構造で単体重量が75kgというのも変わらない。
エンジンは、MP4-12C にも搭載される3.8リッターV8ツインターボをレース用にチューニング。トランスミッションは、ベースモデルに搭載されるグラツィアーノ製7段SSGデュアルクラッチからリカルド・デザイン製のパドルシフトタイプに変更されている。ブレーキキャリパーは、F1サプライヤーの曙ブレーキ製で、ABSはボッシュモータースポーツ製となる。
エクステリアはMP4-12Cにくらべ、100mmワイドになり、マクラーレンF1用の開発シミュレーターを使ったあたらしいサスペンションシステムが搭載されている。また、フロントスプリッターやリヤウィング、ドアブレード、リアディフューザーといったエアロパーツもレース用にあたらしく追加され、エアロダイナミクス性能をいっそう強化している。
ただ、FIA GT3レギュレーションの関係上、ベースモデルに採用された、プロアクティブ・シャシー・コントロールシステムは採用されなかった。この、MP4-12C GT3は2012年から各チームへの供給が開始される予定。F1の開発で培った技術のかたまりといえるこのMP4-12C GT3は、レースフィールドを席巻することになるだろう。