メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売|Mercedes-Benz
CAR / NEWS
2016年6月6日

メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売

メルセデス・ベンツ日本は、6月1日(水)、同社のオープンモデル3種類を発表した。1台は44年ぶりとなるラグジュアリー4シーターオープンのSクラスカブリオレ。そして、SLとSLCはフェイスリフトである。

Text & Event Photographs by UCHIDA Shunichi

ドリームカーとそのデザイン

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏によると、「メルセデスの伝統を象徴するクーペやカブリオレ、ロードスターは、クルマを運転するワクワク感や所有する喜びを、より感じてもらえるモデルで、われわれは“ドリームカー”と呼んでいる」と述べ、今回の3種を含め、現在10車種35モデルのドリームカーが日本市場で展開されているという。

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz S Class Cabriolet

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

Mercedes-Benz SLC

今回の発表に際し来日した、ドイツダイムラー本社、エクステリア・デザイン シニアマネージャーのアヒム・ディートリッヒ・パドシュトゥプナー氏は、メルセデスの新たなデザイン哲学を「モダンラグジュアリー」だと表現する。「情熱と知性、ラグジュアリーとモダン、官能(センシャル)と純粋(ビュリティ)という、相反する要素を、それぞれのモデルラインナップの性格や役割に応じ融合させたものだ」とし、これらを「プロポーション、面構成、ディテールで表現していく」と説明。今回発表された3台も、この哲学に基づいてデザインされた。

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売 (2)

40年以上ぶりに復活したSクラスカブリオレ

パドシュトゥプナー氏曰く、「一生に一度、世に出るか出ないかというクルマだ。今回登場することで、出た途端にコレクターズモデルになるだろう」というSクラス カブリオレ。事実、先代はW111(1961年~1971年)であることから、今回40年以上ぶりの復活となる。

サイドビューのデザインは、ソフトトップを閉じた状態ではクーペスタイルを演出。また、他のSクラスと同様、キャラクターラインが後ろにいくにしたがって下降する“ドロッピングライン”や、完全に格納されるサイドウインドウが特徴だ。

ソフトトップは3層構造を持ち、ブラック、ダークブルー、ダークレッドの3色から選ぶことができる。また、50km/h以下であれば、走行中でも約20秒で開閉可能だ。ちなみに、このソフトトップはトランク内に格納されるが、そのさいはトランクの荷物が汚れないようにラゲッジカバー内に自動的にソフトトップが格納される気遣いがなされている。

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz S Class Cabriolet

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz S Class Cabriolet

当然オープン時の風の巻き込みにもさまざまな工夫が凝らされた。フロントウインドウ上部に“エアキャップ”を装備することで空気の流れを上方に高く跳ね上げ、また、後ろからの風の巻き込みを低減。さらに、日照センサーや室内温度計の情報により、ルーフの開閉に伴う温度変化を感知し、自動的に設定に合わせた温度と風量を調整する。また、ドアアームレスト、センターアームレスト、ステアリング、シートなどにヒーターを採用し、冬の快適性を大幅に向上させた。

日本に導入されるモデルは、4.7リッターV8直噴ツインターボエンジンの「S 550 カブリオレ」、5.5リッターV8直噴ツインターボエンジンのメルセデスAMG「S 63 4MATIC カブリオレ」、6.0リッターV12ツインターボエンジンのメルセデスAMG「S 65 カブリオレ」の3モデルで、価格はそれぞれ2,145万円、2,750万円、3,417万円で、2016年10月中旬以降に納車が開始される予定だ。

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売 (3)

フロントフェイスを中心に変更されたSL

現在6代目となる「SLクラス」がフェイスリフトした。変更点は主にフロント周りだ。SLの歴史を紐解くと1952年のレーシングカーにまでさかのぼる。その名は「300SL」。のちの1954年にデビューした「300SL ガルウイング」などの量販車のもとになるモデルで、さまざまなレースで優勝。その一つが南米メキシコで開催された“パナアメリカーナメヒコ”だ。メキシコにて開催されたこの過酷なレースで300SLは優勝し、偉業は後世にまで語り継がれている。優勝した「300SL パナアメリカーナ」のフロントグリルからインスピレーションを得てデザインされたのが、新型SLのフロントグリルだ。その形状は末広がりで、メルセデスのラインナップのなかでも独特なフロントデザインが与えられると同時に、「長い歴史を継承するモデルだと主張している」とパドシュトゥプナー氏は述べた。

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SL Class

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SL Class

走りの面では、アクティブ ボディ コントロール サスペンション(ABC)に、二輪車のようにコーナーで車体を内側に傾けるダイナミックカーブ機能が新たに搭載されたことがトピックだろう。ABCは、発進、加速、減速、旋回時などに発生する車体の動きと、乗員を含めた車両重量を感知して、四輪それぞれのサスペンションの作動を瞬時に電子制御することで、車体を水平に保つ機能だ。そこに、コーナリング時に内側の車高を下げ、外側を持ち上げることで、乗員はより安定して座っていることができるようにしたのが、ダイナミックカーブ機能である。その結果、走行安定性や快適性がさらに向上した。

上野氏は、「SLとは“スーパーライト”を略したモデル名で、その名が示す通り、フル アルミボディシェルを持ち、軽量でありながらも高い剛性と、最高のレベルの安全性を実現。上質で俊敏な走りを追及したのが新型SLだ」と語った。

日本へは新規となる3.0リッターV6直噴ツインターボエンジンを搭載した「SL 400」から、メルセデスAMG「SL 65」まで4バリエーションが導入され、価格は1,265万円からである。

Mercedes-Benz S Class Cabriolet|メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ

Mercedes-Benz SL|メルセデス・ベンツ SL

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

メルセデス・ベンツ日本、オープンモデル3種発売 (4)

SLの弟分として若い人たちにアピールするSLC

SLC」の初代は、1996年に電動開閉式ハードトップである“バリオルーフ”を備えて登場したオープンカー「SLK」だ。3代目となる現行は2011年から2014年まで連続して輸入車オープンカー市場でナンバーワンとなるヒット作である。

今回のフェイスリフトではリアデザインの小変更とともに、新たに1.6リッター直列4気筒Blue DIRECTターボエンジンを搭載した「SLC 180」と、3リッターV6ツインターボエンジンのメルセデスAMG「SLC 43」が追加された。そして、メルセデスのオープンモデルを指すSLにクラスを表すCが組み合わされ、SLCと名称が変更された。

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

Mercedes-Benz SLC

Mercedes-Benz SLC|メルセデス・ベンツ SLC

Mercedes-Benz SLC

パドシュトゥプナー氏はこのSLCについて、「フレッシュで若い世代にアピールするSLCは、若い人にも手の届くドリームカーだ」という。そして、「SLCはSLの弟分なので、そのバックグラウンドには深い歴史、伝統がある」と述べた。

そのほかの変更点は、ルーフ格納時にトランク内の荷物が汚れないよう、自動的にルーフをカバーするオートトランクカバーが追加されたほか、走行モードに応じてエグゾースト音を演出する機能も追加された。

価格は530万円から。なお、今回のフェイスリフトでマニュアルトランスミッションはカタログから落とされた。

問い合わせ先

メルセデスコール

0120-190-610(9:30-12:00、13:00-17:30、年中無休)

           
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