ヴァン クリーフ&アーペル|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|VAN CLEEF & ARPEL
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2016年2月15日

ヴァン クリーフ&アーペル|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|VAN CLEEF & ARPEL

VAN CLEEF & ARPEL|ヴァン クリーフ&アーペル

詩情のあふれる世界を文字盤に紡ぎ出す(1)

ヴァン クリーフ&アーペルは、ハイジュエリーとポエティック コンプリケーションを柱として、新作を発表したが、やはり注目したいのはポエティック コンプリケーションである。2016年も、文字盤に詩心にあふれる世界が展開された。

文/河田昭則

モチーフの造形も見事で魅入られてしまう

ヴァン クリーフ&アーペルのポエティック コンプリケーションは、毎年の楽しみの一つである。ある時は宇宙の神秘を、ある時は情感あふれるストーリーを、文字盤に出現させ、文字通りに、時計を詩的な(ポエティック)なものに仕立て上げる。ジェムセッティングも、名立たるハイジュエラーらしい素晴らしさで、時計に華やな彩りと輝きを与える。

2016年は、そんなポエティック コンプリケーションの充実ぶりが際立っている。ここで紹介するうちの2本は、美しく、独創的なことに加えて、メカニズムという点でも傑出した時計である。「レディ アーペル」の蝶の舞い踊る様や「ミッドナイト」のダイヤが発光する仕組みなど、ヴァン クリーフ&アーペルの追求する哲学と美が見事に反映されていることを感じるばかりだ。

腕時計に詩情を込め、手放し難い魅力を作り上げる点で、ヴァン クリーフ&アーペルの独自性が反映された新作である。

雲間に現れる蝶の動きに注目

この時計「レディ アーペル ロンド デ パピヨン」は、ただ見ているだけでも楽しいが、それが計時のメカニズムと結びついているだけに、時計として秀逸である。

文字盤のセンター付近には、雲のモチーフが置かれ、蝶とツバメも配されている。漫然と眺めているとわずかずつ、蝶も燕も動き、蝶が隠れると、別の蝶が現れる。その後、都合3匹の蝶が1時間のうちに現れ、文字盤の上を動き、それに連れてツバメも少しずつ動く。

実は、ツバメは、12時間かけて左の翼の先が、扇型のアワートラックをなぞり、12時に達するとゼロ位置へ瞬時に戻るレトログラード式の時針となっている。蝶は分針の役割を果たし、バリアブル スピード ミニッツと呼ばれるシステムが雲の下に隠されている。雲の下に蝶のモチーフをセットしたディスクが3枚セットされており、リレーするように蝶が出現するよう設計されている。

これだけでも精妙なメカニズムだが、ケース8時位置のボタンを押すとさらなるスペクタクルが待っている。蝶が現れ、飛び、また雲に隠れるという動きをスピードあげて繰り広げる。そんなオンデマンド アニメーション機構も装備しているのである。

VAN CLEEF & ARPEL│ヴァン クリーフ&アーペル1-2

うららかな春を思わせる光景は、高度なエナメル技法によるモチーフで形作られており、ベゼルにセットされたダイヤモンドとともに、時を美しく表現する演出は、さすがだ。

1-5

レディ アーペル ロンド デ パピヨン
ケース|18Kホワイトゴールド(ダイヤモンド付き)
直径|38mm
厚さ|12.3mm
ムーブメント|自動巻き
機能|レトログラード式時針、バリアブル スピード ミニッツ、オンデマンドアニメーション
ストラップ|アリゲーター
防水|3気圧
発売時期|9月予定
予価|1410万円(税別)

Page02. 盤面の星が文字通りに輝く機械式時計

問い合わせ先

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク

0120-10-1906

http://www.vancleefarpels.com/

VAN CLEEF & ARPEL|ヴァン クリーフ&アーペル

詩情のあふれる世界を文字盤に紡ぎ出す(2)

盤面の星が文字通りに輝く機械式時計

ヴァン クリーフ&アーペルでモデル名に「ミッドナイト」を冠する時計は、「ポエティック アストロノミー」(詩的な天文時計)とも称される。これまで、精密な天文表示を装備する時計を登場させているが、この「ミッドナイト ニュイ リュミヌーズ ウォッチ」は一風変わった、先端的な仕組みで、文字盤に光をもたらしたのだ。

アベンチュリンガラスの深いブルー背景に文字盤には、さまざまな星座とともに神話の生き物であるユニコーン(一角獣)が描かれている。文字盤には、夜空の一際明るい星を表現してダイヤがセットされているが、ユニコーンには大小6つの星がセットされている。ケース8時位置のボタンをプッシュすると、この6つの星が輝くのだ。

純然たる機械式時計で、なぜ発光するメカニズムが可能になったのか。

18世紀から、特定の素材に機械的な圧力をかけると、電気が発生する圧電現象と言う物理現象が知られている。今回の時計では、この現象を先端的なセラミックを用いて応用したのだ。プッシュボタンを押すと、ムーブメントが振動し、それによってケース内の帯状のセラミックパーツに力が加わる。すると圧電現象で電力が発生し、ダイヤモンドの下のエレクトロルミネセント ダイオードが発光するのだ。

時計が動くパワーリザーブが残っている限り、この発光は3秒間継続し、美しい輝きを時計に与える。

時刻は、文字盤の左側に扇型にアワートラックを配し、レトログラード時針で表示する。秒針はおろか、分針さえ持たないワンハンド表示である。悠久な宇宙を表現している時計で、細く分秒の表示までこだわっている。ゆったりと時と天文を楽しむための時計なのだ。

1-5

ミッドナイト ニュイ リュミヌーズ ウォッチ
ケース|18Kホワイトゴールド
直径|42mm
ムーブメント|自動巻き
機能|レトログラード時刻表示(時針のみのワンハンド表示)、ライト オンデマンド(圧電現象による発電・発光機能)
ストラップ|アリゲーター
発売時期|未定
予価|未定

Page03. デイ/ナイトを美しく表示

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詩情のあふれる世界を文字盤に紡ぎ出す(3)

デイ/ナイトを美しく表示

この「レディ アーペル ジュール ニュイ フェ オンディーヌ ウォッチ」は、ハイジュエラーでなければ、実現することができないディテールをいくつも発見することができる。

文字盤の上には、池の睡蓮の葉の上でくつろぐ「水の妖精オンディーヌ」のモチーフが配されている。ミニアチュールペインティングと呼ばれる手法で、睡蓮の花や葉は着色され、それぞれのカラーに応じたジェムもセットされる。池の水面は半透明のエナメルで表現され、オンディーヌが本当に足を水につけているように見せている。

このモチーフの下には、24時間で1周する回転ディスクのモジュールがある。ミニアチュールペインティングによる空、細やかなホワイトもしくはイエローのダイヤモンドによってそれぞれ太陽と月が描かれている。朝の6時に太陽が昇り、ディスクに描かれた空も昼の明るさに。夕方6時には月が昇り、空も夜空へと変わっていく。しかも、沈んだ月や太陽は水面の半透明部分から透けて見え、まるでそれぞれが水面に反射している姿に見える。卓越した職人による細かい作り込みであることがうかがえる。

昼夜表示の仕組みを巧みに利用することも含めて、芸術的な表現力には唸らされるばかりである。

レディ アーペル ジュール ニュイ フェ オンディーヌ ウォッチ
ケース|18Kホワイトゴールド(ダイヤモンド付き)
直径|38mm
厚さ|11.8mm
ムーブメント|手巻き
機能|デイ/ナイト表示
ストラップ|アリゲーター
防水|3気圧
発売時期|2016年12月予定
予価|1550万円(税別)

問い合わせ先

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク

0120-10-1906

http://www.vancleefarpels.com/

           
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