パリ・ビエンナーレ| 萩原輝美が訪ねた、ビエンナーレの華やかな世界|La Biennale
La Biennale Paris|パリ・ビエンナーレ 2014
パリ・ビエンナーレに見るジュエリーの新潮流
萩原輝美が訪ねた、ビエンナーレの華やかな世界(1)
パリで9月11日から21日まで開かれた「アンティーク&オートジュエリー ビエンナーレ」を初めて訪れた。2年に一度行われるこのイベントは、1967年から偶数年におこなわれ、今年で第27回を迎える。
Text by HAGIWARA Terumi
グランパレでおこなわれた華麗なる競演
アンティーク家具やアート作品の見本市から始まったアンティーク・ビエンナーレだが、いまではオート・ジュエリーの新作も並び、一段と華やかだ。今年はヴェルサイユ宮殿をイメージした内装で、グランパレの入口を入ると大きな噴水。放射線状の緑の植え込みの中をシャンパン片手に、プロムナード(散歩)しながらジュエリーのブースを覗くという演出だ。
「ロワイヤル」をテーマにしたカルティエ
噴水の先、真正面にどんと構えるのがカルティエ。新作のテーマは「ロワイヤル」英国王室から受け継がれたパールを用いたティアラや、キングオフジュエラーだからこそ手に入れることができる、稀少な石を使った作品が並んだ。
右手突き当たりにあったのがシャネルだ。7月のオートクチュール コレクションのときに発表したハイ・ジュエリー「カフェ ソサエティ」に新作が加わった。1920年代の華やかな時代をイメージしながら、カメリア、コメット、ヴァンドームなどのアイコンがずらり。四季と都市をイメージした作品は、春~ベニス、夏~ニューヨーク、秋~上海、冬~フランスといった具合。
冬のフランスはマリンをイメージしたパールとサファイヤ。マドモアゼル シャネルが過ごしたドーヴィルの冬の海が浮かぶ。クチュール服にコスチュームジュエリーで知られるアバンギャルドなデザイナーだったマドモアゼルだが、実はダイヤモンドが一番好きな石だった。
La Biennale Paris|パリ・ビエンナーレ 2014
パリ・ビエンナーレに見るジュエリーの新潮流
萩原輝美が訪ねた、ビエンナーレの華やかな世界(2)
Text by HAGIWARA Terumi
名門ジュエラーの精緻な技巧を間近に見る
左手突き当たりがブルガリ。ローマ本店をイメージした内装でイタリアンジュエリーらしくカラフルな色が目に飛び込んでくる。エリザベス・テイラーがリチャード・ベートン贈られたオーダーした60.5カラット超のエメラルドネックレスからフリンジ使いのネックレスまで色石を自由に操る。
ヴァンクリーフ&アーペルのトンボや踊り子モチーフの繊細なジュエリーはアートピースのようだ。ビエンナーレでは普段見られない大きな色石を大胆に使ったネックレスも。
ピアジェのクリエティヴィティが開花した1960-70年のコレクションに、再解釈を加えたジュエリー&ウォッチが登場。
ディオールはムッシュー・ディオールのクチュールドレスをイメージした作品をミニチュアドレスとディスプレイしたクチュールメゾンらしいブースになった。
どのジュエリーも石、技術とも比べようのない最高級品。石の価値以上に注目したいのはデザイン。メゾンのストーリーを辿って新作をデザインする。その多くが売約済み。女性はみんなキラキラが好き。本物って何? の回答がビエンナーレにあった。