真冬でも楽しめる24時間ホットプールと、沖縄食材のシチリア仕立て。「星のや沖縄」は、計算された大人の楽園です|TRAVEL
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2021年12月29日

真冬でも楽しめる24時間ホットプールと、沖縄食材のシチリア仕立て。「星のや沖縄」は、計算された大人の楽園です|TRAVEL

TRAVEL|星のや沖縄

連載再スタート|「知る」は、おいしい!リターンズ 星のや沖縄編(1)

「星のや沖縄」をひと言で表現するなら? うーん、難しいな。“沖縄の伝統、文化、美味しいもの”を厳選した「幕の内弁当」でしょうか。しかも、とびきり極上の……。

Photographs by OHTAKI Kaku|Text by HASEGAWA Aya|Edit by TSUCHIDA Takashi

お籠りニーズまで満たす、あらゆる仕掛けが盛りだくさん!

“夢中になるという休息”をテーマに掲げている「星のや」。そして「星のや沖縄」は、2020年7月1日、読谷村(よみたんそん)の海岸沿いに誕生した「星のや」ブランド8軒目となる施設です。
那覇空港からクルマで約70分。東シナ海の自然海岸をなぞるようにして建つ同施設のコンセプトは“グスク(城)の居館”。沖縄や奄美諸島に残る史跡“グスク”にインスピレーションを得て作られた、背の高い城壁のような壁──グスクウォールに囲まれているのですが、これが圧巻でして。
横に長い敷地ということもあり、このグスクウォール、約1キロにわたって続いているんです。その壁の向こうに、魅惑のリゾートが広がっているというわけです。この時点で胸はどっきんどっきん。
何だろう、このスゴいところに来ちゃった感っ。
100室の客室はすべて海岸に面したオーシャンビュー、しかも海は西側に面しています。そうです、そういうことです(笑)。

客室は4タイプありますが、最もコンパクトな客室でも64平米という広さ。大きな窓の向こうには穏やかな海が広がり、窓を開け放てば潮風が通り抜ける造りもエモい。ぶっちゃけ、どの部屋タイプに泊まっても快適で、あとは好みの問題かと……。

荷物を置いて一息ついたら、まずは客室を探検しましょう。全国100万人(適当)の星野リゾートファンはご存知かと思いますが、同リゾートが手掛ける宿泊施設の客室は、郷土色てんこ盛りだったりします。もちろん施設にもよるんですけどね。「星のや沖縄」はどうかな、どれどれ……。

ひと際、存在感を放っていたのは、ベッドルームにある琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)の壁紙。沖縄で馴染みのある動物や植物をモチーフに、読谷村に伝わる伝説や風習が描かれていました。いくつか種類があるらしく、「えっ、他のも見てみたいんですけど」。やちむん(沖縄の焼き物)や、読谷村で古くから受け継がれているという読谷山花織のコースターも置かれていました。
強いこだわりを感じたのは、すべての客室に設置されている「土間ダイニング」と名付けられた、大テーブル。食べたり飲んだり、ゲストが集う場所をイメージして作られたそうですが、こちら、後でまた出てくるので覚えておいてくださいねー。
客室を確認したら、施設内を練り歩くとしましょうか。
「星のや」ブランドでおなじみの「集いの館」は、ここ沖縄にもあります。24時間、無料でドリンクとおやつがいただける“竜宮城”(※筆者の思い込み。ちょっと違う?)で、沖縄に関連した本や写真集も置いてあります。夕方には、ここで「宵の座」といって、琉球音楽や迫力満点の空手演武が披露されます。日ごとに内容が異なりますが、海からの心地よい風と琉球音楽に身を委ねる時間は贅沢そのもの……。身が清められたような錯覚に陥ったのですが、気のせいですかね。
そして私の「星のや沖縄」のハイライト、聞いてもらっていいですか? いいと言われなくても語りますけど、じゃーん、全長40mのインフィニティプールです。じつは私、「星のや沖縄」を訪れるのは2回目。その際、このプールに入り浸った前回の経験を生かし、今回が初訪問の編集担当・土田さんと、カメラマン・大瀧さんには、パソコンやカメラは忘れても、まずは水着を持ってくるべしと、全力でアドバイスしておきました(キリッ)。
プールに入りながら、東シナ海に沈む夕日を眺める──。なんですか、この笑っちゃうようなシチュエーション。華麗に、ちゃちゃっと海や空と一体化できる神スポットです。
「星のや沖縄」の立ち上げが決まった際、海に突き出たこの部分にプールを設置することは、すぐに決まったと聞きます。英断を下してくれた誰か、GJ(グッジョブ)! これをインフィニティと言わず、何をインフィニティと言うのですか状態のプールは、365日24時間利用可能。冬は加温され、真冬でもプールに入れちゃうのです。水深10㎝の浅瀬エリアで、足をちゃぽちゃぽさせるだけでも楽しいですよ。
「道場」。毎朝7時からは、「朝の調律深呼吸」と題した目覚めの体操アクティビティが行われます。琉球空手の組手から発想されたポーズで、お腹いっぱいに空気を吸い込みます。すると、食欲がもりもりと……。
赤瓦の屋根に縁側をそなえた「道場」では、多彩なアクティビティが用意されています。いま「道場?」と思ったあなた、ええ、あるんですよ。取り急ぎ、沖縄が空手発祥の地であることをお伝えしておきましょう。
なかなか飲むのが難しいぶくぶく茶ですが、まずは泡をガブリっといってしまうのがおすすめ。
で、この「道場」では、15時から16時半の間、「ぶくぶく茶」がいただけます(無料)。この「ぶくぶく茶」は、古くから沖縄で親しまれているお茶。旅人の疲れを癒し、安全を願う意味も込められているんですって。泡で口の周りを汚しながらいただこうじゃありませんか。また、琉球舞踊や歌三線、琉球空手のレッスン(有料・要予約)も実施されているとのこと。興味がある人はぜひチェックしてみてください。
そろそろ食事の話に移りましょうか……。旅の目的は人それぞれとはいえ、旅心と食とは切り離せません、いや、切り離したくありません(笑)。
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