ぜひ来冬の計画に! 白銀の奥入瀬で、とびきりの青森フレンチを、たっぷり3時間30分かけて堪能する|TRAVEL

フレンチレストラン「Sonore(ソノール)」全景。天然素材を生かしたデザインも、実に印象的!

LOUNGE / TRAVEL
2021年5月20日

ぜひ来冬の計画に! 白銀の奥入瀬で、とびきりの青森フレンチを、たっぷり3時間30分かけて堪能する|TRAVEL

RAVEL|奥入瀬渓流ホテル

奥入瀬渓流ホテルのフレンチレストラン「Sonore(ソノール)」で味わい尽くす、青森の「フレンチ魚介」と銘醸ワイン(2)

フランス料理ならではのサプライズ、そして盛り付けの美しさ!

土田貴史 ところで、今日の一番美味しかった料理は何だった?
長谷川あや 出た、おなじみの質問(笑)。こうやって幸せな時間を振り返り、それを肴に二次会をするのが旅の醍醐味よね。ただ、今日は本当に迷う! どれもこれも主役級。それでいて、それぞれが尖りすぎてなくて、バランスが取れているの。
うーん、迷うけど、やっぱりナマコかな。調理法も、ルックスも、ペアリングも予想を超えてきた。そう来たかって感じ。でも、最初のイカと冷凍りんごの前菜もかなり好き。
烏賊 青林檎
土田貴史 イカワタの濃厚さと、リンゴの爽やかさ。温かいものと冷たいもの、二項対立しているものが合わさって、新鮮な驚きを与えてくれたよね。しかも、ナチュールワインが生き生きとしていた。
長谷川あや ワイン単独でも十分に美味しいナチュールが、料理と合わさることで、さらに美味しくなって。ペアリングの醍醐味だよね。最初の一皿&一杯から、「今日は、こういう方向性で行くんで、よろしく」って気概を感じたよ。
土田貴史 うん、手間を惜しまずかけてるよ、っていう誇りが伝わってきた。続くカラス貝も、細やかな調理だったもん。春菊の苦味をカリフラワーソースで包み込んで。貝の出汁がいい味を効かせてたね。
烏貝 春菊
長谷川あや そもそもムール貝を“烏貝”(カラスガイ)と言うこと、そして烏貝が青森で採れることも知らなかったわ。そして、ローカル色の濃い食材なのに、見事なまでのフレンチに昇華してたね。カリフラワーのソース、おいしすぎて笑っちゃった。
鮪 長芋
土田貴史 そして鮪と長芋のスペシャリテ。これお洒落だよね。それでいてパンチも効いている。長谷川さん、SATC(SEX AND THE CITY)みたいって言ってたね。
長谷川あや 味も見た目もピノ・ノワール先輩に合いますこと。もうお洒落すぎるっ。それでいて、エスプリも感じるというか。でも、土田さんが“甘酸っぱい青春映画”と言っていた意味もわかる。根本は同じだもんね。
土田貴史 フフっ。いろいろ振り回されてキツイ思いもするんだけど、いい思い出になるという。あ、今日のコース、かなり山あり谷ありだったと思う。クライマックスが2回あった。1回目はナマコ、2回目はビーフ。
長谷川あや わかる。たぶん人によって、クライマックスは違うと思うけど、すべての料理がクライマックスになり得るクオリティだった。それでいて疲れない。お腹はかなりいっぱいになったけど。そしてたしかに肉は、よかった。
旬魚 大根 蟹
土田貴史 旬魚(この日はイナシギ)のポワレ。大トリのひとつ前のお皿も印象的だった。淡薄だけど旨味のある切り身。そこにコクがあってなおかつ酸っぱいソースが絡まっていた。これ、中華っぽいテイストも感じたね。そこに紹興酒の香りにも似たワイン「ヴァン・ジョーヌ」。ペアリングの妙でも印象に残ったな。
長谷川あや 付け合わせの大根餅、黒酢も効いて、すごく新鮮だった。土田さん、大トリの前に美川憲一さんの「蠍座の女」が来た! って色めき立ってたね。間違いない、という意味で。付け合わせを含め、完成度の高い一皿だった。これでもかというほど黒酢使いまくっていて、それがまた良し。
土田貴史 クエに近い味わい。甲殻類を使った、コクのあるソース。そして熟成黒酢。素材はフレンチから遠い気もするけど、すべての要素を足すと、がっちり合わさっているんだよね、味わいが。きっと、シェフとソムリエのチームワークがすこぶるいいんだろう。
長谷川あや 料理もワインもそれぞれ完成度高いけれど、そこから生まれるケミストリーがまた面白い。あー、まだこの余韻を引きずってるのに、すでにまた食べに行きたいんですけど(笑)。
土田貴史 奥入瀬渓流ホテルが冬季営業を開始して4年。まだ模索中なんて言ってたけど、冬の青森の凄みを引き出してるって感じた。この調子で、ぐいぐいと食文化を発見・披露していくんだろうね。
お茶菓子 南部煎餅
長谷川あや 冬の青森自体初めてだったけど、こんなに楽しいとは! 快適な環境で大自然の凄み、地の食材をいかしたフレンチを堪能する。幸せすぎる。分かりやすいところでは、フランス風南部せんべいはぜひ皆さんに食べていただきたい(笑)。
土田貴史 明らかに、関東の文化圏とは異なるね。その異文化をフレンチという共通言語で翻訳して、洗練して提供してくれる。これ、都内の星付きレストランの感動にまさるとも劣らない楽しさだよ。
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ほかにもあります。「ソノール」の素晴らしいメニュー。
というわけで、「ソノール」のフレンチは、青森だからこそのマリアージュがあります。ここに来なくては、食べられないものばかり。さらに、ご年配の方々にも優しい食材であることも付け加えておきます。次の冬に、ぜひ!

フレンチレストラン「Sonore(ソノール)」冬限定ディナーコース

  • 来季期間|2021年12月〜
  • 時間|17:30〜21:00
  • 参考価格|1名1万5000円(税・サービス料別)
  • 予約|公式サイトにて受付(3日前までに要予約)
  • 対象|宿泊者(小学生以上)
  • ※今回紹介した内容は、2020年の冬メニューです。2021年は価格および一部提供内容が変更になる場合があります。

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

  • 住所|青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
  • 客室数|187室
  • チェックイン/チェックアウト|15:00/12:00
  • 宿泊料金|1泊2万円〜(2名一室利用時1名当たり)
  • アクセス|JR八戸駅・青森駅から車で約90分
問い合わせ先

星野リゾート予約センター
Tel.0570-073-022
https://www.oirase-keiryuu.jp

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