MOVIE|チャン・イーモウ監督 × 女優コン・リー、8年ぶりのタッグ『妻への家路』
MOVIE|チャン・イーモウ監督 × 女優コン・リー、8年ぶりのタッグ
文化大革命に引き裂かれた夫婦を描く感動作『妻への家路』
中国を代表するチャン・イーモウ監督と女優コン・リーが8年ぶりにタッグを組んだ感動作『妻への家路』。3月6日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開される。
Text by YANAKA Tomomi
文化大革命当時、工場や農場での強制労働に就いた経験をもつイーモウ監督
1977年に終結した中国の文化大革命に翻弄され、愛する夫の帰りを待つあまり記憶障害になってしまった妻、そして家族の姿を描いた『妻への家路』。『HERO』や『LOVERS』などの超大作で世界的ヒット、さらには北京五輪の開会式の総監督などを務め、世界的な名声を得るチャン・イーモウ監督もまた文化大革命当時、工場や農場での強制労働に就いた経験をもつ。
監督にとっても思い入れの深い本作に主演として迎え入れたのは、女優のコン・リー。各国の映画賞に輝いた『紅いコーリャン』や『秋菊(しゅうぎく)の物語』など、中国映画史をともにつくりあげた名タッグが再び実現。あらたな傑作を結実させた。
また、知識階級でありながら理不尽な革命に押しつぶされる夫役には、イーモウ監督が「中国最高の俳優」と賞賛するチェン・ダオミン。自分のことを忘れてしまった妻を、それでも愚直なまでにまっすぐ愛しつづける夫を演じ、観る者の涙を誘う。
夫を待ちすぎるあまり夫の記憶を失ってしまう妻
文化大革命が終結した。20年ぶりに解放された夫は妻と再会するが、待ちすぎた妻は心労のあまり夫の記憶だけを失っていた。しかし、妻は夫を待ちつづけ「5日に帰る」という夫から来た手紙を信じ、毎月5日になると夫を出迎えに駅に立つのだった。
心因性記憶障害と診断した医師から、昔の思い出が記憶を呼び戻すかもしれないと聞いた夫は、かつて自分を密告した娘の手を借りながらも、さまざまな方法で思い出してもらえるように奮闘する。
ある日、妻は、夫がかつて収容所で書き溜めた何百通もの手紙を手にする。彼女は感激するものの、それを読んでくれるのが夫本人だとは気づかない。夫の隣でひたすら夫の帰りを待ちつづける妻。はたして、彼女の記憶は戻ることがあるのか?
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が「1時間涙が止まらなかった。パワフルで深い」と賛辞を送り、カンヌ国際映画祭やトロント国際映画祭など13もの映画祭で熱い拍手に称えられた感動作。文化大革命の時代を生き抜いたチャン・イーモウ監督だからこそ描くことのできた奥深い人間ドラマである。
『妻への家路』
3月6日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
監督|チャン・イーモウ
出演|チェン・ダオミン、コン・リー、チャン・ホエウェン
配給|ギャガ
2014年/中国/110分
http://cominghome.gaga.ne.jp/
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