MOVIE│ウディ・アレンが贈る軽妙洒脱なラブ・コメディ『恋のロンドン狂騒曲』

MOVIE│夢見る男女の幻想をあぶりだす、愛すべきおとなたちのアンサンブル・ドラマ

あふれんばかりの才能で名作をつぎつぎと発表してきた“天才”、ウディ・アレン。彼の最新作『恋のロンドン狂騒曲』が12月1日（土）からTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーされる。

Text by YANAKA Tomomi

2011年のアカデミー脚本賞に輝いた『ミッドナイト・イン・パリ』が日本をふくむ世界中で大ヒットし、あらたな絶頂期の到来を鮮烈に印象付けたウディ・アレン。彼が豪華キャストを配して撮影した『恋のロンドン狂騒曲』がついに日本にも上陸する。

おもいがけず人生の転機に差しかかり、重大な選択を迫られてゆく男と女の姿を見据えたラブ・コメディ。世代の異なる2組の夫婦の結婚生活が破綻し、あれよあれよという間に“4つの恋”へと枝分かれしていくスピーディーなストーリー展開は、ウディ・アレンの脚本ならでは。

キャストは、経済的不安や子づくりなど結婚生活にまつわる諸問題をこれでもかと抱え込んだ30代の夫婦サリー＆ロイにナオミ・ワッツとジョシュ・ブローリン。サリーの両親でもあるアルフィ＆ヘレナを大御所のアンソニー・ホプキンスとイギリスが誇る女優ジェマ・ジョーンズが演じた。

ある夜突然、ベッドで死の恐怖に襲われたことをきっかけに、若返りのトレーニングに励むようになったアルフィ。そんな結婚40年目の夫に去られて一度は自殺まで考えたヘレナは、占い師のインチキ予言に心の救いを見出し、精神世界の探求にのめりこんでゆく。

そんな折、夫妻の娘サリーと一発屋作家ロイの結婚生活も行き詰まっていた。やがてアルフィは娘よりも若い金髪のコールガールにプロポーズし、ヘレナは愛妻に先立たれた老紳士と意気投合。サリーは勤務先のアートギャラリーのオーナーに心惹かれ、ロイは自宅の窓越しに見かけた赤い服の美女の虜となってゆく──。

夢見る男女の“幻想”をあぶりだした『恋のロンドン狂騒曲』。おかしくて、切なくて、時にものすごく愚かな愛すべきおとなたちのアンサンブル・ドラマをどうぞご堪能あれ。

『恋のロンドン狂騒曲』

12月1日（土）から、TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショー

監督・脚本│ウディ・アレン

出演│アントニオ・バンデラス、ジョシュ・ブローリン、アンソニー・ホプキンス、ジェマ・ジョーンズ、ナオミ・ワッツ

配給│ロングライド

2010年/アメリカ＝スペイン合作/1時間38分