東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞、WOWOW賞をダブル受賞した話題作『草原の実験』|MOVIE
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2015年9月25日

東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞、WOWOW賞をダブル受賞した話題作『草原の実験』|MOVIE

MOVIE|東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞、WOWOW賞をダブル受賞した話題作

一切の台詞を排した『草原の実験』

大草原のなかで穏やかな日常を送る父と娘、そして娘と青年たちの淡い三角関係を、一切の台詞を排して描いた『草原の実験』。9月26日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

メガホンを取るのは、ロシアの新鋭アレクサンドル・コット監督

昨年の東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞、WOWOW賞をダブル受賞し、大きな話題となった『草原の実験』がついに劇場公開される。

メガホンを取ったのは、『ブレスト 要塞大攻防戦』(2010年)がロシアのアカデミー賞といわれるニカ賞3部門に輝くなど、新鋭として注目を集めるアレクサンドル・コット監督。旧ソ連時代に実際に起きた出来事にインスパイアされ、時代や場所を特定することなく、圧倒的な映像美と台詞がないからこそ活きる登場人物たちの繊細な表情で、衝撃の結末を迎える物語をつくりあげた。

またコット監督は、ヒロインに、これまで演技経験のなかった新星のエレーナ・アンを起用。このほかにも無名ながら、豊かな表情をもつキャストが起用され、台詞がない分、彼らの瞳、表情が雄弁に物語を語る。

そして、台詞のない映像世界のなかで響くのがうつくしい音楽。世界的に活躍するバイオリニストで、作曲家のアレクセイ・アイギが手がけている。

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穏やかな日常に突然差す暗い影

大草原にポツンと建つ小さな家で暮らす父親と少女。家の前には家族を見守る一本の木が立っていた。少女は毎朝、どこかへと働きに出かける父親を見送っては、帰りを待つあいだ、壁に世界地図が貼られた部屋でスクラップブックを眺め、遠い世界へと想いを馳せるのだった。

そんな繰り返される穏やかな生活にささやかな幸せを感じていた彼女には、おもいを寄せる幼馴染の少年がいた。そしてどこかからやってきた青い瞳の少年もまた、うつくしい彼女に恋をする。

3人のほのかな三角関係。しかし、静かに流れるかとおもわれていた日常に、突然暗い影がさしてくるのだった。

うつくしい少女をはじめ、登場人物たちの繊細で多彩な表情。光と影が織り成す圧倒的な映像美。そして染みわたる音楽。このうつくしい日常から一転、衝撃の結末を迎える物語は、私たちの心に大きな跡を残すことになるだろう。

『草原の実験』
9月26日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
監督|アレクサンドル・コット
出演|エレーナ・アン、ダニーラ・ラッソマーヒン、カリーナ・パカチャコーフ、ナリンマン・ベクブラートフ=アレシェフ
配給|ミッドシップ
2014年/ロシア/97分
http://sogennojikken.com

© Igor Tolstunov’s Film Production Company

           
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