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2020年3月24日
ヒトとクマの共生を目指しツキノワグマ保護管理に取り組む|NPO法人「ピッキオ」
Picchio Wildlife Research Center / ピッキオ
クマを傷つけず山に帰す“ベアドッグ”と共に、ツキノワグマ保護管理に取り組む「ピッキオ」の活動
かつて軽井沢ではクマによる農林業被害や市街地出没などの事例があった。軽井沢を拠点に活動を行なうNPO法人「ピッキオ」では、クマの行動調査やデータをもとに駆除に頼らず被害を防ぎ、人とクマが適度な距離を保ちながら共に暮らすための保護管理活動を行なっている。
Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi
クマの追跡調査と「ベアドッグ」による対策で、ヒトとクマがともに暮らせる環境を目指す
長野県軽井沢町で自然観察ツアーを行なうとともに、ツキノワグマ保護管理に取り組む「ピッキオ」。ここでは、「人の安全を守ること」と「貴重な野生動物であるクマを絶滅させないこと」の両立を目指して、1998 年よりクマの行動調査を行ない、2004年には日本初のベアドッグ(クマ対策犬)を導入し、クマも人も傷つけない「追い払い」などを行なってきた。
ピッキオでは軽井沢町の委託を受け、クマの活動期である6月~11月にかけてクマを安全な方法で捕獲。行動を追跡する電波発信器を装着して、森に戻す前に人間やベアドッグの声、ゴム弾などで威嚇し、人や犬に近づくと怖いと学習させる「学習放獣」を行なう。また装着した電波発信器で行動を追跡して、被害を出すクマとそうでないクマも特定し、誤った駆除なども未然に防いでいる。
また、ピッキオは2004 年にアメリカのベアドッグ育成機関 Wind River Bear Institute(WRBI)より、日本で初めてとなる「ベアドッグ」を導入。ベアドッグとは、クマの匂いを察知する特別な訓練を受けた犬のことだ。
人里の近くでクマに装着した電波受信器からのシグナルを検知した場合は、スタッフとともに現場に向かい、大きな声で吠えたてる「追い払い」で森に戻るよう促す。また通報を受けて出没現場に駆けつけた際、既にクマが立ち去っている場合でもベアドッグが匂いを元に付近の安全を確認し、万が一電波発信器をつけていないクマが潜んでいる場合でも、匂いでその存在を知らせてくれるため、スタッフは昼夜を問わず安全に活動を行なえる。
クマを傷つけることなく人の居住エリアから遠ざけることができるベアドッグは、2代目となる「タマ」「ナヌック」の2頭と、ベアドッグとして日本国内初の繁殖に成功し、タマから生まれた子犬6頭のうち「レラ」「エルフ」の2頭が2019年春から活動に加わっている。
人里の近くでクマに装着した電波受信器からのシグナルを検知した場合は、スタッフとともに現場に向かい、大きな声で吠えたてる「追い払い」で森に戻るよう促す。また通報を受けて出没現場に駆けつけた際、既にクマが立ち去っている場合でもベアドッグが匂いを元に付近の安全を確認し、万が一電波発信器をつけていないクマが潜んでいる場合でも、匂いでその存在を知らせてくれるため、スタッフは昼夜を問わず安全に活動を行なえる。
クマを傷つけることなく人の居住エリアから遠ざけることができるベアドッグは、2代目となる「タマ」「ナヌック」の2頭と、ベアドッグとして日本国内初の繁殖に成功し、タマから生まれた子犬6頭のうち「レラ」「エルフ」の2頭が2019年春から活動に加わっている。
さらにピッキオでは、クマが開けることのできないゴミ箱を開発し2003年より公共ゴミ集積所に順次導入した結果、1999年に年間100 件を超えていた被害事例が2009年に0件になり、現在まで1桁台を維持している。
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