特集|国際都市トロントで叶えるアートな旅|街中で楽しむアート・ウォーキング
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2015年5月31日

特集|国際都市トロントで叶えるアートな旅|街中で楽しむアート・ウォーキング

特集|ビジネス、エンターテイメントだけじゃない!

国際都市トロントで叶えるアートな旅

Chapter 3|街中のアートを楽しむアート・ウォーキング(1)

アメリカのハイファッション誌『ヴォーグ』が今年9月に選んだ「世界のクールな街15選」の2位にランクインしたのが、トロントのウエスト・クイーン・ウエスト地区(ちなみに1位は下北沢)。そんな注目のエリアに出かけてみてはいかがだろう? ジャーナリストのベティ・アンさんが案内する、とっておきのアート・ウォーキング。編集部が滞在中に見つけたアートなトロント情報もお見逃しなく!

Photographs by SUDO YukoText by MINOWA SachikoEdited by TANAKA Junko (OPENERS)

最新エリアをめぐるアート・ウォーキング

ウエスト・クイーン・ウエスト 2

案内役はチャーミングなジャーナリストのベティ・アンさん

旅行者にとってのジレンマは、住んでいる人のように街を楽しめないこと。その街に暮らす人に比べれば、圧倒的に情報量が少ないのは当然で仕方ないことだが、知人の住んでいる街に遊びに出かけるときにはこのハンデが覆され、思う存分楽しむことができる。

今回紹介するアート・ウォーキングもまさにその理論。ジャーナリストのベティ・アンさんの“眼鏡”にかなった場所やショップを巡る「アート・インサイト」は、住んでいる人でも知らないような面白い店に出合うことができる。

この日、アンさんに案内してもらったのは、トロントの流行発信地、ウエスト・クイーン・ウエスト。いまでこそ、世界のクールな街として名前が挙がってくる地区だが、以前は移民が多く住む地域として知られていたそうだ。2005年にNPO団体が、この地区のビルを借り上げ、部屋を探すことが難しいアーティストたちの住まいとして提供をはじめる。

個人経営のレストランやブティックが多く、アーティストたちの職探しに適していたことも、この地区が選ばれるポイントになった。アーティストが多く移り住むことによって個性的なショップも増え、現在のような流行発信エリアへと変わっていったのだとか。

そんな話を聞きながらのウエスト・クイーン・ウエストのアート散策は、ふつうに歩いていては気づかないような魅力的なショップを教えてもらったり、店の人の話を聞いたり、自分ひとりの観光では体験できない発見に満ちていた。

ベティ・アンさんの“眼鏡”にかなった注目スポット

ベティ・アンさんが案内するアート+デザインウォーキング「アート・インサイト」は、彼女がこれまでのリサーチや取材から得た知識のなかから厳選した施設やショップを紹介してくれる。今回案内してもらたウエスト・クイーン・ウエストのほかに、歴史的町並みを残すヨークビル、アートスタジオやエンターテイメント施設が集まるキング・ウエスト、美術館が多いハーバーフロントなど、さまざまなツアーを展開。リクエストにも応えてくれるそうだ。ほかでは体験できない街歩きをしたい方におすすめしたい。

「art insite:Art + Architecture Tours of Toronto」
http://artinsite.net

ベティ・アンさんに案内してもらった、ウエスト・クイーン・ウエストの注目スポットを早速紹介しよう。

ウエスト・クイーン・ウエスト 4

ウエスト・クイーン・ウエスト 5

ウエスト・クイーン・ウエスト 6

ウエスト・クイーン・ウエスト 7

ウエスト・クイーン・ウエスト 8

ウエスト・クイーン・ウエストが面白いのは、ちいさなオリジナルショップが多いから

BYOB カクテル・エンポリアム
972 Queen Street, West Toronto
Tel. +1-416-858-2932
時間|11:00~19:00(日曜は12:00から)
http://byobto.com

★個性的な店が並ぶウエスト・クイーン・ウエストのなかでも、一際異彩を放っていたのが、カクテルがテーマの雑貨店「BYOB カクテル・エンポリアム」だ。ピンクの壁が目を引く店の入り口には、トム・クルーズの主演映画『カクテル』のビデオパッケージがズラリ。店内にはアンティークのものから最新のものまで、世界各国のワイングラスやボトル、お酒にちなんだ食器類が所狭しと並ぶ。ワインバッグやカクテル本、ワイングラスを使ったシャンデリアなどの雑貨も豊富でプレゼント探しに最適!

Citizenry
982 Queen Street, West Toronto
Tel. +1-647-458-6672
時間|11:00~19:00
※月曜定休
https://www.facebook.com/citizenrytoronto

★まるで中世にタイムスリップしたような雰囲気の店「Citizenry」。カップルが経営する小さなブティックでは、芸術品のようなドレスやロマンティックで繊細なアクセサリーを販売。これらはすべてポルトガル製。店内にはカフェスペースも併設されていて、ゆっくりとお茶を楽しむこともできる。

gravitypope
1010 Queen Street, West Toronto
Tel. +1-647-748-5155
時間|月曜〜水曜 11:00~20:00、木曜・金曜 11:00〜21:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 12:00〜18:00
http://www.gravitypope.com

★トロントで一番センスのいい靴を買うならとベティ・アンさんが連れて行ってくれたのが「gravitypope」。現在エドモントン、カルガリー、バンクーバー、トロントの4店舗を構える靴のセレクトショップ。店内はブエノスアイレスにある映画館をイメージして設計されたそう。可愛い子供靴の品ぞろえも充実している。

ACADEMY OF LIONS ATHLETICS
64 Ossington Avenue, Toronto
Tel. +1-416-538-4967
時間|平日 18:00〜21:00、土曜 10:00〜17:00、日曜 9:00〜16:00
http://www.academyoflions.com

★「ACADEMY OF LIONS ATHLETICS」は、最新にして昔ながらのスポーツジム。というのも、このジムに最新のマシンは皆無。あるのは大きなタイヤ(!)にバーベル、縄跳び……と、古典的な器具のみだ。シンプルに体を鍛えるほうが逆にかっこよく見えてくるのが不思議。開放的な入口はカフェスペースになっているので、散策に疲れたらぜひオリジナルのヘルシードリンクでビタミンチャージを。

UNION restaurant
72 Ossington Avenue, Toronto
Tel. +1-416-850-0093
http://union72.ca

★ウエスト・クイーン・ウエストが誇るとっておきの隠れ家レストランが「UNION」。パリで修業したオーナーシェフのテオさんが作り出す料理は、素材を重視したビストロテイスト。奥に長い作りになっていて、裏庭には秘密のパティオもある。

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国際都市トロントで叶えるアートな旅

Chapter 3|街中のアートを楽しむアート・ウォーキング(2)

ここからは、編集部がトロントを歩きながら見つけたとっておきのアートなスポットを紹介。ギャラリーや美術館に展示されたアートとはまた趣の異なる、地に足のついた“アート”がそこにはあった。

アートの中で食事を楽しむ「ハウス・オブ・モーメンツ」

トロントの中心部からタクシーで約15分ほど。広い敷地内にはアートギャラリーと、まるでアートギャラリーの中にできたかのようなレストラン「ハウス・オブ・モーメンツ」がある。

このレストランを手がけたのは、自身もアーティストであるハミッド・クーチャックさん。なぜこの場所にこのレストランを作ったのか聞いてみたところ「アメリカのニューヨーク州と国境を接していることもあり、世界中の人種が暮らすトロントでは、国際的な映画の撮影も盛んにおこなわれている。トロント市内では広い敷地を確保するのが難しいし、映画関連の制作スタジオが多いこの場所ならアートのニーズもあると思ってアートギャラリーを作った」との答え。

アート・ウォーキング 11

アート・ウォーキング 12

ハミッド・クーチャックさん

その後、レストランも併設し、現在のアートギャラリー兼レストランへと変貌した。この日はサルサのイベントも開かれ、ムーディーな大人の夜といった雰囲気に包まれていた。

レストランエリアはクーチャックさんがタイやバリ、インドなど世界を旅するなかで集めたアンティークで囲まれており、まるでトロントにいるのを忘れてしまいそうな趣き。料理はトロントでも人気のジャパニーズスタイル。おまかせ8品ほどのコースで1人80ドルほどと、価格も比較的リーズナブル。

ハウス・オブ・モーメンツ
386 Carlaw Avenue, Toronto
Tel. +1-416-901-6003
時間|火曜〜木曜 18:00〜23:00、金曜・土曜 18:00〜翌2:00
※日曜・月曜定休
http://houseofmoments.com

ファン垂涎! ゴーストバスターズの監督が手がけたレストラン

映画『ゴーストバスターズ』を手がけたトロント生まれの映画監督イヴァン・レイトマンさんとセレブシェフ、ジョナサン・マックスマンさんが共同経営するレストランがここ「モンテチート・レストラン」だ。

店名になっているモンテチートとは、カリフォルニアにある地名からとられたそうで、提供するのはカナダの新鮮な食材を使ったカリフォルニア料理。オンタリオ産のフレッシュな果物や野菜、メノナイトから仕入れた有機鶏肉など、その日の食材により毎日メニューを変えるほど徹底している。

アート・ウォーキング 13

アート・ウォーキング 14

オープンキッチンのある1階と2回のダイニングからなる店内には、至るところに当時を彷彿させる写真が飾られており、スタッフも俳優では……と思うほどの美男・美女揃い! 落ち着いた大人のゲストが多いので、着飾って出かけたい。

モンテチート・レストラン
299 Adelaide Street West, Toronto
Tel. +1-416-599-0299
時間|月曜〜水曜 11:30~24:00、木曜・金曜 11:30〜翌2:00、土曜 11:00〜翌2:00、日曜 11:00~24:00
http://www.montecitorestaurant.ca

トロント市民の憩いの場「セント・ローレンス・マーケット」

旅行の思い出にちょっとしたアート作品を購入したい。そんなときは「セント・ローレンス・マーケット」がおすすめだ。

200年以上前からトロント市民の台所として賑わうマーケットには、地元の新鮮な食材をはじめ、お土産になるような雑貨も充実。週末には、マーケットの向かいにファーマーズ・マーケットも開かれ、農家のとれたて野菜やメープルシロップ、メノナイトが作るソーセージなど、色とりどりの食材が並ぶ。

また広場ではアーティストたちが絵ハガキやイラスト、陶器などの作品を販売。おいしい食べ物を片手に、お気に入りのアートを探してみてはいかがだろう。

アート・ウォーキング 15

アート・ウォーキング 16

アート・ウォーキング 17

セント・ローレンス・マーケット
92- 95 Front St East Toronto
サウス・マーケット
時間|火曜〜木曜 8:00〜18:00、金曜 8:00〜19:00、土曜 5:00〜17:00
ファーマーズ・マーケット
時間|土曜 5:00〜15:00
アンティーク・マーケット
時間|日曜 5:00〜17:00
※月曜定休
http://www.stlawrencemarket.com/

問い合わせ
トロント観光局
http://www.seetorontonow.jp/

           
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