特集|シンガポールは屋台★天国|Day 2「名所の隣にはホーカーがある!?」
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2015年12月1日

特集|シンガポールは屋台★天国|Day 2「名所の隣にはホーカーがある!?」

特集|シンガポールは屋台★天国
2泊3日、食い倒れの旅

Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(1)

中国系、マレー系、インド系など、さまざまな文化が共存するシンガポール。東京23区が入るほどの小さな国だが、懐はとてつもなく大きい。自らのルーツは大切に守りながら、無理のない範囲で異なる文化も受け入れる。そんな肩肘のはらない民族同士のつながりが、この国を織りなしている。その縮図ともいえるのが食であり、それぞれの故郷の味をベースにした“ソウルフード”(=郷土料理)、屋台料理である。その魅力を探るべく、屋台を食べ歩いた2泊3日食い倒れの旅。どうか最後までお付き合いのほどを。

シンガポールの台所ともいえる存在が屋台村、通称“ホーカーセンター”。朝から晩まで、老いも若きもここに集い、空腹を満たす。それは観光客もしかり。名所といわれるスポットの隣には、必ずといっていいほどホーカーセンターが用意されている──そんな噂を聞きつけ、朝から街へ飛び出した。

Photographs by JAMANDFIXText by TANAKA Junko (OPENERS)Special Thanks to Singapore Tourism Board

ホーカーセンターの誕生秘話

屋台は英語でストリート・フード(=路上の料理)と表現されるように、路上で料理を提供するのが一般的なスタイルだ。だがじつはこの昔ながらの屋台、法律で禁止されていて、いまシンガポールにほとんど存在しない。

転換期を迎えたのは50年ほど前。街中に規制が敷かれ、ホーカー(=行商人)対警察のいたちごっこが繰り広げられていた。そんな状況の当時立ち上がったのが、元公衆衛生局長官のダニエル・ワン氏。彼は1960~70年代にかけて、警察に追い回されていたホーカーを説得し、安全・安心な屋台の集合体、ホーカーセンターの設立に乗り出した。

彼の活動を振り返るとこうだ。ワン氏は全国の屋台を回り、無認可で営業をつづけるホーカーを説得。1968年には、2万軒以上あった“違法”屋台に認可を受けさせ、ホーカーと警察の対立に終止符を打つ。そして1971年からは、ホーカーセンターに誘致するため、次の説得をはじめた。

ワン氏の打ち出したホーカーセンターとは、駅やバス停、住宅地から近く、電気や水道、ガス(ときにはエアコン)などの設備が整った屋台の複合施設。これまでおろそかだった衛生面を強化し、抜き打ち検査で店の衛生状態をチェック。A~C判定なら合格、不合格を意味するD判定を受けた店は、店をたたむことになる。ホーカーにとっても、食事に訪れる人にとっても快適という、まったくあたらしい試みであった。

「場所が変わっても、ホーカー魂はいまも彼らのなかに息づいている」と話すワン氏。路上ではなくとも、ホーカーセンターで提供されているのは、間違いなく屋台料理だ。いまや全国に120以上も存在するといわれるこの“ネオ屋台”。「犬も歩けば棒に当たる」ほどに、シンガポールの名所を巡れば必ずひとつは見つけられるはず。さっそくホーカーセンター探しの旅へ繰り出すことにしよう。

名所とホーカーセンターの美味しい関係

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2泊3日、食い倒れの旅

Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(2)

世界一の観覧車の下に

2008年、“世界一の観覧車”として華々しくオープンした「シンガポール・フライヤー」。高さは42階建てのビルに相当する165メートル。シンガポールの名所はもちろんのこと、セントーサ島、インドネシアやマレーシアの一部まで見渡すことができる。

「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」  03

大型のキャビンは28人まで収容可能。1周を30分かけてまわるため、なかにはカクテルパーティや食事会を催す人もいるとか。キャビンを会議室にしてみる、なんてアイデアも。美しい景色を眺めながらの会議であれば、いつもよりスムーズに話し合いが進むかもしれない。

締めの一杯は、併設された「フライヤー・ラウンジ」で。カクテル・コンペに入賞したつわものカクテル&モクテル(ノンアルコールカクテル)を、ひと足先に試すことができる。

世界一の観覧車を堪能したあとは、1階チケット売り場の近くにある「シンガポール・フード・トレイル」へ。ここは1960年代の屋台をテーマにした、テーマパークのような位置づけのホーカーセンター。インテリアから街並みまで、当時の雰囲気を忠実に再現している。

「チキンライス」や「パクテー」、「オイスターオムレツ」といった人気メニューはもちろん、豆菓子「カチャン・プテ」やボール状に固めたかき氷「アイスボール」など、当時の屋台料理を再現したメニューもお勧め。いまやお目にかかることのできない、昔ながらの屋台を味わうにはうってつけの場所といえる。

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「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」  08

シンガポール・フライヤー
30 Raffles Avenue
Tel. +65-6333-3311
最寄り駅|MRT Promenade駅から徒歩5分
時間|8:30~22:30 ※最終入場時間は22:15
入場料|大人=33ドル、子ども(3歳~12歳)=21ドル、ファミリーコンボ(大人2名と子供1名)=78ドル
http://www.singaporeflyer.com

フライヤー・ラウンジ
30 Raffles Avenue #03-01
Tel. +65-6854-5247
時間|11:00~23:00
予算|30ドル~

シンガポール・フード・トレイル
30 Raffles Avenue #01-09/12
最寄り駅|MRT Promenade駅から徒歩5分、シンガポール・フライヤーからすぐ
時間|月曜~木曜 10:30~22:30、金曜~日曜 10:30~23:30
予算|5ドル~
http://www.singaporefoodtrail.com.sg

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Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(3)

“心の故郷”チャイナタウン

19世紀初頭、中国人の居住区に指定されたチャイナタウン。建築ラッシュに沸くシンガポールにあって、ここだけは時間が止まったかのように、昔ながらの面影を残す。チャイナタウンは世界中に点在しているが、国民の7割以上が華人というシンガポールでは、少し意味合いが異なる。観光客を惹き付ける名所という以上に、ここは中国系シンガポール人にとって生活の場であり、遠い故郷に想いを馳せる大切な街。

まずはテイアン・ホッケン寺院や佛牙寺、スリ・マリアマン寺院を巡り、公園で将棋に興じる老人にあいさつ。喧噪のなかにも、どこかゆったりとした大河のような時間が流れている。華人でなくとも、帰って来たくなる魅力がここにはある。

日常使いのレストランから高級レストラン、食材や雑貨を扱う店、土産物屋まで、一緒くたなのがチャイナタウンらしい。

食事どころは“フード・ストリート”の愛称をもつスミス・ストリートをお勧めしたい。ここはかつてクリニックや薬屋だった店が、カラフルでモダンな色に塗り替えられ、屋外ホーカーセンターになった場所。夕方になると、つみれの入った麺「フィッシュボールヌードル」や、野菜のクレープ「ポピア」を求めてやってくる地元の人びとでごった返す。歩行者天国と化した路上で、彼らに混じって屋台料理を食べれば、つかの間のローカル気分を味わえる。

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チャイナタウン
最寄り駅|MRT Chinatown駅からすぐ
http://www.chinatown.sg

テイアン・ホッケン寺院
158 Telok Ayer Street
Tel. +65-6423-4616
最寄り駅|MRT Tanjong Pagar駅から徒歩5分
時間|7:30~17:30
http://www.thianhockkeng.com.sg

佛牙寺
288 South Bridge Rd
Tel. +65-6220-0220
最寄り駅|MRT Chinatown駅から徒歩3分
時間|9:00~18:00
http://www.btrts.org.sg

スリ・マリアマン寺院
244 South Bridge Rd
Tel. +65-6223-4064
最寄り駅|MRT Chinatown駅から徒歩2分
時間|7:00~12:00

チャイナタウン・フード・ストリート
Smith Street
最寄り駅|MRT Chinatown駅からすぐ
時間|12:00~26:00
予算|10ドル~
※現在、閉鎖中。2013年後半にリニューアルオープン予定。

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Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(4)

旧き良き“あたらしい”街

歴史と文化の息づく街──。ティオン・バルに足を踏み入れたとき、そんな言葉が頭をよぎった。聞くと、植民地時代につくられた公団住宅にここ数年、続々と若いカップルが移り住んでいるという。そのせいか、街にはモダンなカフェやブティックが点在する。

「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」  31

街の中心に位置するのは「ティオン・バル・マーケット」。1階に八百屋や果物屋が軒を並べる生鮮市場、2階にホーカーセンターを配した2階建て。仕事前に朝食をとる地元の人びと、美味しいものを求めて立ち寄る観光客……とにかく朝から晩まで賑わっている人気のマーケットだ。

訪れたのはちょうど朝食の時間。家族連れから、ひとりで新聞片手にやってくる人まで、まるで自宅のキッチンのように、寝巻に近い恰好のまま、リラックスした様子で食事をしていたのが印象的だった。

こうした旧き良きシンガポールをいまに伝える一方で、歴史的な建造物を若い感性でよみがえらせる。そんな動きが、ここティオン・バルではじまっている。たとえばヨンシャク通り。“紅茶と中国茶の国”にカプチーノとラテを浸透させたカフェ「40 ハンズ・カフェ」など、慣習にとらわれない若い感性があたらしい風を巻き起こしているのだ。

その状況を象徴する存在が「ブックス・アクチュアリー」。2005年にオープンした、独自のセレクトが話題のインディペンデント書店だ。天井まである大きな本棚には、世界中から集められたライフスタイル誌や写真集にくわえ、文房具、アンティーク雑貨が所狭しと並ぶ。これは店長のケニー・レックさんをはじめとする店のスタッフが、自分たちの目で見つけてきたもの。彼らの愛情が詰まった本や雑貨は、あなたの心を豊かにしてくれることだろう。

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ティオン・バル
最寄り駅|MRT Tiong Bahru駅からすぐ

ティオン・バル・マーケット
30 Seng Poh Road
最寄り駅|MRT Tiong Bahru駅から徒歩9分
時間|7:00~23:00
予算|3ドル~

40 ハンズ・カフェ
Yong Siak Street #01-12
Tel. +65-6225-8545
最寄り駅|MRT Tiong Bahru駅から徒歩8分
時間|火曜~木曜 8:00~19:00、金曜・土曜 8:00~22:00、日曜 8:00~19:00
定休日|月曜
http://www.40handscoffee.com

ブックス・アクチュアリー
9 Yong Siak Street
Tel. +65-6222-9195
最寄り駅|MRT Tiong Bahru駅から徒歩8分
時間|月曜 11:00~18:00、火曜~金曜 11:00~21:00、土曜 10:00~21:00、日曜 10:00~18:00
http://booksactually.com

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Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(5)

新名所の相棒はサテー(串焼き)?

シンガポールが“シティ・イン・ザ・ガーデン”として注目されているのをご存知だろうか? 政府は「“緑の都市”から“庭園のなかに建つ都市”へ」を合言葉に、街の緑化を進めている。街を歩いてみれば、たしかに至るところから(高層ビルの合間からも)木々が顔を出している。

そんな折、満を持して登場したのが「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。「マリーナ・ベイ・サンズ」を擁する繁華街、マリーナ・ベイ地区から歩くこと5分、突如目の前に101ヘクタールの敷地を誇る巨大庭園が広がる。それが2012年6月にデビューした新名所である。

「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」  53

圧倒的な存在感を見せつけているのは人口樹、スーパーツリー。地上50メートルまで伸びた18本の大樹には、それぞれの役割がある。夜のライトアップを担う太陽光パネルを配した樹や、熱を吸収して放散させる樹、雨水を集めて植物に行きわたらせる樹など、地球にやさしい設計で知られるガーデンズ・バイ・ザ・ベイを抽象する存在なのだ。

庭園を堪能したあとは、併設するホーカーセンター「サテー・バイ・ザ・ベイ」へ。ここの売りは施設名にもなっている「サテー」。串にさした肉を炭火で香ばしく焼いた、シンガポールでは不動の人気を誇る屋台料理だ。どこのホーカーセンターにも必ずあるが、ここでは伝統的なレシピに沿った昔ながらのサテーを提供してくれる。

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ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
18 Marina Gardens Drive
Tel. +65-6420-6848
最寄り駅|MRT Bayfront駅から徒歩7分
時間|アウトドア・ガーデン 5:00~27:00、園芸植物園&スカイウェイ 9:00~21:00

入場料|園芸植物園 大人=28ドル、子ども(3歳~12歳)=15ドル
スカイウェイ 大人=5ドル、子ども(3歳~12歳)3ドル
www.gardensbythebay.com.sg

サテー・バイ・ザ・ベイ
9 Senoko Loop
Tel. +65-6273-1217
最寄り駅|MRT Marina Bay駅から徒歩15分
時間|8:00~22:00 ※ドリンク屋台のみ24時間
予算|4ドル~
http://www.sataybythebay.com.sg/

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Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(6)

心を満たすドリアンの内と外

国を挙げての取り組みが功を奏し、芸術の分野でも少しずつ存在感を増しているシンガポール。そんな取り組みのひとつが、マリーナ地区にある複合文化施設「エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイ」だ。まず度肝を抜かれるのはその外見。トゲトゲした殻が覆っているように見えることから、あの強烈な匂いを放つフルーツ、ドリアンに例えられることも。2002年にオープンするとたちまち話題をさらった。

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中身はといえば、そこは知的好奇心を満たす舞台芸術の宝庫。最新の設備と音響装置を兼ね備えたコンサートホールから、日夜さまざまな公演が繰り広げられている劇場、世界でも珍しい舞台芸術専門の図書館「ライブラリー@エスプラネード」まで、充実したコンテンツで常に話題を提供しつづけている。

そして建物の外に広がるのはマリーナ湾。対岸には「マリーナ・ベイ・サンズ」や「アートサイエンス・ミュージアム」、「マーライオン」といった、シンガポールを代表するアイコンが建ち並ぶ。シンガポールに来た、そう実感させてくれる景色である。

「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」  69

もうひとつ“ドリアン”の外に待ち構えているものがある。12店の屋台が立ち並ぶ「マカンストラ・グラットンズ・ベイ」だ。ここは、1日目の「ワールド・ストリート・フード・コングレス」で紹介した、マカンストラ社が運営する屋外ホーカーセンター。

沿岸沿いの席を確保できれば、絶景を眺めながら、カニを卵やチリソースに絡めた名物「チリ・クラブ」、マレー風玉子サンド「ロティ・ジョン」など、シートウ氏が厳選した屋台の味を堪能することができる。心地よい潮風に吹かれながらの食事は格別だ。

エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイ
1 Esplanade Drive
Tel. +65-6828-8377
最寄り駅|MRT Esplanade駅から徒歩5分
時間(チケット売り場)|月曜~金曜 10:00~20:00、土曜 11:00~20:00
http://www.esplanade.com/

ライブラリー@エスプラネード
8 Raffles Avenue #03-01
Tel. +65-6332-3255
時間|11:00~21:00
定休日|祝日

マカンストラ・グラットンズ・ベイ
8 Raffles Avenue #01-15
Tel. +65-6438-4038
最寄り駅|MRT Esplanade駅から徒歩5分、エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイからすぐ
時間|月曜~木曜 17:00~26:00、金曜~土曜 17:00~27:00、日曜 16:00~25:00

予算|10ドル~
http://www.makansutra.com/

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Day 2「名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?」(7)

アートの扉を叩いてみれば

「エスプラネード・シアター・オン・ザ・ベイ」より芸術の旅をつづけよう。次に向かった先は、2011年に誕生したアーティストやクリエイターの活動を支える施設「グッドマン・アーツセンター(GAC)」。ここはかつてマレー系の中学校だった場所。その後「ラサール・カレッジ・オブ・アート」「スクール・オブ・ジ・アーツ(SOTA)」(どちらもシンガポールで一、二を争う芸術大学)へと姿を変えたものの、一貫して校舎として機能してきた。

つづいてここにやってきたのが、音楽や映画、美術、舞台芸術、出版など、さまざまな芸術活動の支援をおこなう政府機関「ナショナル・アーツ・カウンシル(NAC)」。緑豊かな2.8ヘクタールの敷地を、レンタル施設とテナントからなる、芸術活動の発信地にすると発表したのだ。

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GACのはじまりは、学生を育てる場所から、アーティストを受け入れる場所になるということ。教室だった場所はアート・コミュニティの基地へと生まれ変わった。これはより長く、より深く、クリエイティブな活動を支援しようという政府の志の現れでもある。

現在、敷地内にはNACのオフィス、ギャラリーや劇場、陶芸スタジオなど35のレンタル施設、48組のアーティストやクリエイターが入居するテナントがある。テナントに関して言えば、2011年のオープン以来ずっと満室状態だという。

「アーティストにとって活動しやすい環境だとおもいます。わたしもオープンしてからずっと入居しているひとりです」。そう語ってくれたのは、ここのB棟を拠点にブックアートの世界で活躍するエリコ・ヒラシマさん。「小さな国なので、クリエイティブな活動をしている人はすぐ顔なじみになるんです。GACはそれをさらに凝縮させたコミュニティ。ダンスカンパニー、出版社、劇団……それぞれジャンルは異なりますが、ゆるやかな横のつながりがあって。居心地はとてもいいです」

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ヒラシマさんと同様に、B棟をアトリエとして使う現代アーティストのジャスティン・リーさんも、2011年から入居するGACの1期生。さらに1992年から2007年までここを拠点にしていた、芸術大学「ラサール・カレッジ・オブ・アート」の卒業生でもある。「特別な思い入れがある場所だから、戻って来ることができてうれしい」と話す。

なぜGACがアーティストやクリエイターにウケているのか。彼はその理由をこう分析する。「こんな手頃な家賃で借りられるテナントはほかにありません。たとえば30平方メートルの大きさなら、月に200ドル以上も安く借りられる。政府の助成金で補ってくれているんですが、アーティストにとってこれ以上ありがたいことはないです。これからは入居者同士のコラボレーションとか、GACにしかできないイベントが増えるといいですね」

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オープンから2年。定期的に展覧会やパフォーマンスを開催しているほか、一般の人が参加できる陶芸や製本のワークショップをおこなうなど、GACは芸術活動を生み出し、発信する場所としてうまく機能しているようだ。そのほか、アトリエとして使用しているテナントを一般開放する「オープンハウス」も、年に数回おこなわれている。次回は9月に開催予定とか。

アート散歩を堪能したら、「51 オールド・エアポート・ロード・フードセンター」へと急ごう。GACから車で3分と至近だ。「ワンタン麺」や「フィッシュボールヌードル」といったおなじみの麺料理から、カキを卵で包んだオムレツを、オイスターソースに絡めて食べる「オイスターオムレツ」まで、コストパフォーマンスの高さは地元っ子のお墨付き。一度ご賞味あれ。

グッドマン・アーツセンター
90 Goodman Road
Tel. +65-6342-5790
最寄り駅|MRT Mountbatten駅から徒歩5分
http://www.goodmanartscentre.sg

エリコ・ヒラシマ(LA LIBRERIA主宰)
http://www.lalibreria.com.sg

ジャスティン・リー(現代アーティスト)
http://www.justinleeck.com/

51 オールド・エアポート・ロード・フードセンター
Blk 51 Old Airport Road
最寄り駅|MRT Dakota駅から徒歩3分、グッドマン・アーツセンターから車で3分

時間|7:00~12:00
予算|2ドル~

           
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