特集|シンガポールは屋台★天国
特集|シンガポールは屋台★天国
“ソウルフード”の魅力に迫る──2泊3日、食い倒れの旅
中国系、マレー系、インド系など、さまざまな文化が共存するシンガポール。東京23区が入るほどの小さな国だが、懐はとてつもなく大きい。自らのルーツは大切に守りながら、無理のない範囲で異なる文化も受け入れる。そんな肩肘のはらない民族同士のつながりが、この国を織りなしている。その縮図ともいえるのが食であり、それぞれの故郷の味をベースにした“ソウルフード”(=郷土料理)、屋台料理である。その魅力を探るべく、屋台を食べ歩いた2泊3日食い倒れの旅。どうか最後までお付き合いのほどを。
Photographs by JAMANDFIXText by TANAKA Junko (OPENERS)Special Thanks to Singapore Tourism Board
世界10カ国の屋台料理が一堂に
「ワールド・ストリート・フード・コングレス」に潜入!
初日の舞台はマリーナ・ベイ地区にある「F1ピットビル&パドック」。年に1度、ドライバーたちが激しいバトルを繰り広げる場所が、5月31日から6月9日までの10日間、屋台料理の祭典「ワールド・ストリート・フード・コングレス」の会場へと様変わり。世界10カ国から集められた選りすぐりの屋台料理を堪能したあとは、屋台について学び、話し合う「ワールド・ストリート・フード・ダイアローグ」にも参加。屋台文化にどっぷりと浸った1日であった。
シンガポール屋台の醍醐味
名所の隣にはいつも“ホーカー”がある!?
屋台とは、厳密にいえば屋根のついた台で立ち売りする、移動式の店のこと。じつは昔ながらの屋台は法律で禁止されていて、いまシンガポールにほとんど存在しない。代わりに屋台料理を提供してくれるのは、1960年代後半から登場したホーカーセンター(=屋台村)だ。全国に120以上も存在するといわれるホーカーセンター。「犬も歩けば棒に当たる」ごとく、名所を巡れば必ずひとつは見つけられるはず!? 2日目はそんな実験のような冒険を試みた。