EAT|1日1組の貸切料亭「辻家庭園~前田家家老旧横山家迎賓館~」
EAT|金沢屈指の広大な日本庭園を一般開放し、「茶寮」としてオープン
1日1組だけの貸切料亭「辻家庭園~前田家家老旧横山家迎賓館~」
金沢屈指の日本庭園「辻家庭園」のなかにある国登録有形文化財の建物が、1日1組だけの貸切料亭「辻家庭園~前田家家老旧横山家迎賓館~」として来年1月にオープンする。また、朝から夕方にかけては手づくりの和菓子が食べられる茶寮として、すでに一般に開放されている。
Text by YANAKA Tomomi
大正モダンあふれる建物内にある圧巻の「群青の間」
近代日本庭園の傑作とされる、椿山荘(山県有朋別荘)や平安神宮を手がけた近代造園の先駆者「植治」こと、七代目小川治兵衛が設計したといわれる「辻家庭園」。広さ6600平方メートルもの広大な敷地のなかに滝などを借景とした、自然の趣を生かした回遊式庭園であり、金沢の街並みや山、川を一望できる絶好のスポットでありながら、これまでは原則非公開となっていた。
この「辻家庭園」と庭園内にあり、大正モダンな雰囲気をいまに伝える国登録有形文化財である母屋を全国で結婚式場などを手がけるノバレーゼがリニューアル。12月に茶寮としてオープンした。また、1月からは夜に1日1組限定の貸切料亭もスタートする。
料亭、喫茶のスペースとなる母屋は、金沢最大級の大正モダン漂う豪華な邸宅建築。外観はそのままに、内観も絢爛な建築要素を残し、10室のうち4室を飲食スペースにリニューアルし、17卓60席が設けられた。また6人から8人までに対応し“個室料亭”となる「群青の間」は、青金石(ラズライト)で真っ青に塗られた壁が圧巻。その趣を残しつつ、居心地のよい掘りごたつが用意された。
茶寮では、日本料理店「神戸たむら」などで和食の真髄を学び、腕を振るってきた玉田慎介氏が料理長に就任。加賀や能登の野菜などでつくる郷土感のある創作和菓子で来場者をもてなし、夜は品のある上質な会席料理が振舞われる。また今後は庭園を利用したウェディングなども展開されるそう。
これからの季節は雪のなかに赤い花を咲かせるヤブツバキなど、四季折々の美しい自然を愛でることができ、金沢のあらたな魅力を伝える「辻家庭園~前田家家老旧横山家迎賓館~」。金沢通をも唸らせる新スポットとなりそうだ。