写真人生｜『RESET BEYOND FUKUSHIMA 福島の彼方に』
『RESET BEYOND FUKUSHIMA 福島の彼方に』
“深い感銘”を感じる一冊の写真集との出会い……
フォトジャーナリスト、小沢一真が3・11に東日本を襲った大震災直後から被災地に入り、被災地のかたがた、そして福島第一原子力発電所で働く人たちを取材し、写真に撮り納めた非常に深い感銘を受ける写真集と出会った。
Text by IIZUKA Hidemi
“記録写真”が持つすばらしさとは？
被災地のかたがたの声をテレビやインターネットなどでよく耳にする事があるが、そのなかで“いま、なにが必要ですか？”と言う問い掛けに、“津波で流された家族写真が欲しいです！”と言う言葉がすごく印象にある。
普段では単なる記念写真とされている家族写真が、住む場所も食料もない状況のなかで、一番必要なものになっていた事に写真のすごさを大いに感じさせられた。
写真とは、人の目に見えるものや感じるものを、写真機で写し出した言わば記録である。その記録写真には言葉で言いあらわすことのできない“真実”と“事実”が共存しており、そしてその過去のものとなった一枚の写真を目にすることで、人は感動したり驚いたり、喜びや悲しみを感じ、時には1枚の単なる“記録写真”が人を幸せにする事もある。
小沢一真が撮り下ろしたこの一冊の写真集から感じる“深い感銘”で世界の平和を直接守れる事はないとしても、自分をより理解し身近かの小さな出来事や疑問に気ずき、それらを真剣に捉える事で未来の人々の平和や幸福につながるのではないだろうか。
小原一真｜OBARA Kazuma
1985年岩手県生まれ。金融機関で働く傍ら、Days Japanフォトジャーナリスト学校にて学ぶ。3,11の3日後、会社を退職、取材を開始する。福島第一原発での取材はヨーロッパ各国で報道される。
http://kazumaobara.com
『RESET BEYOND FUKUSHIMA 福島の彼方に』
価格：5800円（税込み）
言語：日本語/英語 200項
出版社：
Lars Müller Publishers
http://www.lars-mueller-publishers.com
出版協力：
DELFONICS
http://www.delfonics.com
三宅純
http://junmiyake.com
写真展：
DELFONICS渋谷ギャラリー
http://www.delfonics.com/news/2736.html
写真集特設サイト：
http://resetbeyondfukushima.com
写真集取り扱い先：
DELFONICS（渋谷/表参道ヒルズ/丸の内/パリ ルーブル）
http://www.delfonics.com