「演劇×美術鑑賞」のナイトミュージアムが出没|HIROSHIMA NIGHT MUSEUM
LOUNGE / ART
2021年4月9日

「演劇×美術鑑賞」のナイトミュージアムが出没|HIROSHIMA NIGHT MUSEUM

HIROSHIMA NIGHT MUSEUM|ひろしまナイトミュージアム

閉館後の美術館で生まれる、極上のアートキュレーション

広島県のナイトタイムエコノミーを推進する新たな取り組み「HIROSHIMA NIGHT MUSEUM」が、2021年4月24日よりひろしま美術館で開催される。美術鑑賞にインタラクティブ性と演劇の要素を組み込んだという、新たな没入体験とは?

Edit & Text by TOMIYAMA eizaburo

ゴッホに導かれながら、閉館後の美術館を巡る

HIROSHIMA NIGHT MUSEUM

後期印象派を中心に、日本有数のフランス近代美術作品を有する「ひろしま美術館」。そんな日本を代表する美術館が、この春より画期的な試みに挑戦する。それが、閉館後の美術館を貸し切って行うナイトミュージアム「HIROSHIMA NIGHT MUSEUM」だ。
参加者は、円形フォルムが美しい「ひろしま美術館」の前庭に集合。日没間際、シャンパンなどのウェルカムドリンクと共に優雅な時間を楽しんでいると、ランタンを手にしたゴッホがやってくる。ゴッホ曰く、同館所有の「ドービニーの庭」に描かれるはずだった黒猫を探しているとか。
ちなみに、ひろしま美術館のマスコットは「ゴッホくん」であり、同館を象徴するアーティストでもある。
観客はゴッホに導かれるまま館内に入り、中央に置かれたマイヨールの「ヴィーナス」像の話を聞きながら展示室へ。ゴッホは数ある作品の中からマネの「バラ色のくつ(ベルト・モルゾ)」を選びだすと、絵画の詳細を語り始める。さらにはマネを呼び出して・・・・。
このように、演劇と美術鑑賞が融合した独自のコンテンツが繰り広げられていく。テーマは「没入するアート体験」であり、閉館後の誰もいないナイトミュージアムならではの特別な時間を過ごすことができるのだ。一尾直樹氏(映画監督/脚本家)による脚本を同館の学芸員が監修しているため、作品に対する正しい知識はもちろん、つい誰かに話したくなる豆知識も豊富に得ることができる。
セザンヌの「曲がった木」を解説するモネ
登場人物はゴッホの他、マネ、モネ、セザンヌ、ルノワールと誰もが知っているアート界の巨匠たち。演じるのは、広島を中心にテレビや映画、CMなど幅広く活躍している劇団グンジョーブタイだ。
「HIROSHIMA NIGHT MUSEUM」で登場する作品
ゴッホ「ドービニーの庭」(1890年)
マイヨール「ヴィーナス」像
マネ「バラ色のくつ(ベルト・モリゾ)」(1872年)
ルノワール「パリスの審判」(1913-1914年)
その他:ルノワール「勝利のヴィーナス」(1913年)/モネ「アムステルダムの眺め」(1874年)/セザンヌ「曲がった木」(1888-1890年)

1万人が熱狂する場所を100箇所作っていく

「静かにひとりで、またはオーディオガイドを聴きながらアートを鑑賞することが日本では多いように思います。しかし、海外では学芸員が説明しながら楽しんでいる。今回は、そこにエンターテイメントの要素を加え、アートに興味がない方でも楽しめるものを目指しました」とは、企画から実施までを担当したエクスペリサスの丸山智義氏。
広島の観光といえば平和公園や宮島ばかりが注目され、日帰り客が多くリピーターが少ないという点が課題だった。そこで、より多くの魅力的なスポットを紹介することで長時間滞在してもらい、さらにはリピーターになってもらう試みが続けられている。
「ロングテールなプロダクトを造成していきたいと考えています。100万人が集まる一箇所よりも、1万人が熱狂する場所を100箇所作っていく」とは、広島県観光連盟のチーフプロデューサーである山邊昌太郎氏。
ナイトタイムエコノミーへの取り組みとしては、これまでにも宮島・大聖院境内をライトアップする「大聖院 紅(赤)もみじライトアップ2020」。弥山山頂に宿泊することで満天の星空と広島の夜景が堪能でき、さらには写経写仏朝勤行なども体験できる「弥山の星空と御来光」。外国人観光客向けの「夜神楽公演」など、さまざまな試みを打ち出して好評を得てきている。
ひろしま美術館は広島の中心部にあり、周辺には多くの観光スポットやプレイスポットが点在。また、同館は1978年誕生と長い歴史を誇る美しい建築としても一見の価値あり。フランス近代美術と日本近代美術作品を中心に、約300点もの美術作品を所蔵しており、日本を代表する美術館のひとつである。
この機会に、アート鑑賞でも演劇鑑賞でもない新しい体験を広島の「夜の美術館」で堪能してみてほしい。

HIROSHIMA NIGHT MUSEUM

  • 開催日|4月24日(土)、5月8日(土)、5月15日(土)、6月5日(土)、6月26日(土)
  • 時間|開場 17:45、開演 18:30、終了 20:00
  • 場所|ひろしま美術館(広島市中区基町3-2)
  • 定員|各回20名
  • 料金|5250円
  • 申込(抽選方式)|https://www.hiroshima-kankou.com/nightmuseum
  • 主催|一般社団法人広島県観光連盟、公益財団法人ひろしま美術館、エクスペリサス株式会社
  • 協力|ブルックリンブルワリー・ジャパン
問い合わせ先

エクスペリサス
info@xperisus.com