ART|映像の奇術師ゴンドリーが仕かける玉手箱
ART|映像の奇術師が仕かける玉手箱
『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』展がMOTで開催中
ビョークのミュージックビデオや、映画『エターナル・サンシャイン』などで知られる気鋭の映画監督ミシェル・ゴンドリーの展覧会が、2015年1月4日(日)まで東京都現代美術館で開催中だ。11月3日(月・祝)には、ミシェル・ゴンドリーが来日し、アーティスト・トークやサイン会も予定されている。
Text by WATANABE Reiko(OPENERS)
映像制作の原風景を日本のセットで追体験
旬なアーティストのミュージックビデオから長編映画まで、これまで数々の独創的な映像作品を手がけてきた映画監督のミシェル・ゴンドリー。現在MOTで開催中の『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』は、世界で活躍する映像作家としての顔と、アマチュア映画愛好家としての顔を持ち合わせるゴンドリーの魅力に、「ホームムービー・ファクトリー」「Around the World in 19 Videos」の2部構成で迫る企画展だ。
まず第1部に登場するのは、路地裏、カフェ、電車などのセットを舞台に、来場者が実際にオリジナルの映画作りに挑戦できるワークショップ型の体験展示「ホームムービー・ファクトリー」。2008年にニューヨークのダイチ・ギャラリーで開催されて以来、モスクワ、サンパウロ、パリなど世界各地を巡回し、今回がアジア初上陸となる。音とシンクロして流れる車窓景色、劇中劇のごとく舞台装置を大胆に使った画面など、奇抜な表現で知られるゴンドリーの世界を、日本ならではの見慣れたセットによって再現している。
つづく第2部に登場するのは、ユニークなアイディアが詰まったミュージックビデオの傑作をインスタレーション形式で紹介する「Around the World in 19 Videos」。伝説的なダフトパンクの「アラウンド・ザ・ワールド」から、詩情あふれるビョークの「ハイパーバラッド」、「バチェラレット」「ヒューマン・ビヘイヴィアー」、最新作メトロノミーの「ラブレターズ」まで、新旧19の名作を楽しむことができる。
また映画『ムード・インディゴ:うたかたの日々』や『恋愛睡眠のすすめ』などの撮影で実際に使用された、ロマンティックで不思議な美術セットや小道具、衣装のほか、最新作『背の高い男は幸せ?』のためのドローイングなども展示されている。
なお、11月3日(月・祝)には、ミシェル・ゴンドリーが来日し、アーティスト・トークやサイン会なども予定されている。ミシェル・ゴンドリーの遊び心に満ちた映像魔術の世界を歩き回る「Around the World in 19 Videos」、そして彼の映像制作の原風景を追体験できる「ホームムービー・ファクトリー」。2つのゴンドリーワールドから、次世代クリエイターたちに影響を与えつづける気鋭監督の創造の源を探ってみてはいかがだろうか。
アーティスト・トーク
日程|11月3日(月・祝)
時間|13:30開場、14:00開演
会場|東京都現代美術館 B2F講堂
定員|200名(先着順)
※当日10:00から本展チケット提示で配布する整理券が必要
※逐次通訳付き
サイン会
日程|11月3日(月・祝)
時間|15:30開始予定
会場|東京都現代美術館 B2F講堂
定員|50名(先着順)
※当日ミュージアム・ショップにてゴンドリーDVD、書籍、本展のトートバッグのいずれかの購入者
※上記のレシートとアーティスト・トークの整理券を併せて提示した人に配布する、サイン会の整理券が必要
Q&Aコーナー付き上映会
上映作品|『背の高い男は幸せ?』(2013)
日程|11月3日 (月・祝)
時間|16:30開場、17:00開演
会場|東京都現代美術館 B2F講堂
定員|200名(先着順)
※当日10:00から本展チケット提示で配布する整理券が必要
※逐次通訳付き
『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』展
日程|9月27日(土)~2015年1月4日(日)
休館日|月曜日(11月3日、11月24日は開館)、11月4日、11月25日、12月28日~2015年1月1日
開館時間|10:00~18:00(入場は17:30まで)
会場|東京都現代美術館 (企画展示室3F/1F・B室 /ホワイエ)
主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、ホームムービー・ファクトリー協会
料金|一般 1,000円、大学生・65歳以上 800円、中高生 600円、小学生以下 無料
*「ホームムービー・ファクトリー」のみ無料エリア
Tel. 03-5245-4111(代表) 、03-5777-8600(ハローダイヤル)
www.mot-art-museum.jp
ミシェル・ゴンドリー|Michel GONDRY
映画監督。代表作に、『ムード・インディゴ:うたかたの日々』(2013年)、『僕らのミライへ逆回転』(2008年)、『恋愛睡眠のすすめ』(2006)、『ブロック・パーティ』(2005)、『エターナル・サンシャイン』(2004)、『ヒューマン・ネイチャー』(2001)など。現在『背の高い男は幸せ?:ノーム・チョムスキーとのアニメーション会話(Is the Man Who Is Tall Happy ?)』を世界各地で上映中。 また、ビョーク、ホワイト・ストライプス、ザ・ローリング・ストーンズ、ベック、ダフト・パンク、ケミカル・ブラザーズ、フー・ファイターズ、シェリル・クロウ、カイリー・ミノーグ、ポール・マッカートニーなど、名だたるアーティストたちのミュージック・ビデオを手掛け、数々の賞を受賞している。