ART|荒木経惟インスタントフィルム写真展『結界』を新スペース「AM」で開催
ART|表参道にあらたなアートスペース「AM」が誕生
オープニング第一弾は荒木経惟インスタントフィルム写真展『結界』
時代の風を嗅ぎ分け、地道な活動をおこなう表現者たちとのコラボレーション・プロジェクトの紹介を目的としたアートスペース「AM」が、10月16日(木)、東京・表参道にグランドオープン。そのオープニング企画として、12月15日(月)まで、写真家の荒木経惟氏によるインスタントフィルム写真展『結界』が開催される。
Text by OPENERS
『結界』という名のもとに、写真をとおしておこなわれる聖と俗との再編集
今春まで中目黒を拠点に活動をおこなってきた「Impossible Project Space」の企画スタッフの運営により、東京・表参道にあらたにグランドオープンするアートスペース「AM」。オフィスビルのなかに突如立ち現れる洞窟のような異空間を舞台に、先陣を切って開催されるのが、写真家の荒木経惟氏によるインスタントフィルム写真展『結界』だ。
「結界」とは、仏教用語で、「俗界をわかち、その内側に聖域を結ぶこと」。清と濁、幸と不幸、楽園と地獄。相反するものが、程度の差はあれ、だれの人生にも必ずつきまとう。華やかな成功と世界的な評価の一方で、身近な者の死、自身の癌手術、右眼の失明に直面した荒木経惟氏は、身のまわりにわき起こる渦のような出来事のすべてを正視し、レンズを通して受けとめてきた。
今回の荒木氏の作品群を通して表現されているのは、その『結界』というタイトルのもとに、写真をとおしておこなわれる、聖と俗との再編集にほかならない。2枚のインスタントフィルムの断片を荒木氏自身の手でふたたび固く接ぎあわせることによって、まったくあたらしい世界が紡ぎだされる。
なお今回の展示にあわせて、インスタントフィルム原寸サイズの特製ボックスにおさめた同名の作品集も300部限定で製作され、同会場で先行発売。
そんな荒木経惟氏の写真展『結界』とともに、華々しく幕を開けるアートスペース「AM」。今後この空間から生み出されるであろう、さまざまなアーティストとのコラボレーションの数々にも期待が高まる。