YAMAGUCHI KENICHI写真展が開催中|ART
ART|YAMAGUCHI KENICHI写真展「memento」
『memento 安らかな未来への記録』
写真家 山口賢一氏による写真展『memento 安らかな未来への記録』が開催中だ。展示は3つのテーマに分けられており、山口氏が切り取った“一瞬”が並ぶ。期間は2019年1月7日(月)まで。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
安らかな未来を願って捉えた作品が並ぶ
本展『memento 安らかな未来への記録』は、山口氏の“写真は「記録」である”という考えのもと、安らかな未来を願って捉えた作品が展示されている。
展示は、「Freeze Flowers」、「Land」、「Sanctuary」の3つのテーマで構成されている。
「Freeze Flowers」というテーマは、強く、来たる次の季節を待ちわびながら生きるということを表している。2011年の震災以後、更なる未来へ想いを馳せていた感覚が停止した、と山口氏は語る。
しかし、そのような状況下にあっても、人・多様な生命はどうしようもない不安にかられながらも、懸命に日々を生きていることを教えられ、その気持ちを忘れたくなかったという。山口氏はこのテーマを毎年撮影し続けている。
「Land」は風景や街並みといったものを対象にしたもの。そのなかでも人間の時間なんか忘れてしまうような姿が存在している。「Land」というその圧倒的存在をいかに写すか、伝えようかと考えて対峙する。
山口氏は「50年たっても、100年たってもこの姿が同じように存在することを、いずれ子供たちがこの写真を見ながら確かめてほしい」と語った。
「Sanctuary」は、動物がテーマになっている。大きな動物たちが、自らの意志で大地を駆け回り自然の中に生きる姿は滅多に見られない。北の草原では夏の間だけ、放牧された馬たちが、かつて彼らが野生であった時のように身を寄せて暮らしている。
人間の気配が感じられないこの場所で、動物たちの“生”を切り取った。
本展に関して山口氏は「記憶を記録することを礎に、日々活動しています。本展では2006年から2018年のアーカイブを、4×5でのフィルム撮影からデジタル撮影の三部作で構成しています。過去の『記憶』を皆さまにご覧いただき、安らかな未来につながる何かを少しでも感じていただけましたら幸いです。来年は2019年にベルギー、シンガポール、韓国、上海で開催予定です。まずは横浜で見ていただければと思います。よろしくお願い致します。」とコメントした。
山口賢一|Kenichi Yamaguchi
1975年 長野県生まれ。stilllife撮影を中心に各種媒体へ作品を提供。ジュエリーを始め各種インダストリアルプロダクトの撮影で高い評価を受ける。近年は人物撮影にも取り組み,音楽や芸術など「創る人々」を撮影。ロングタームプロジェクトとして、世界各地を訪れランドスケープ、出会った人々を撮影。
『memento 安らかな未来への記録』
期間|2019年1月7日(月)まで
開館時間|10:00~18:00(入館は17:30まで)
※1月7日(月)は15:30閉館
休館日|2018年12月29日(土)~2019年1月3日(木)まで
会場|横浜市民ギャラリー 1F展示室
神奈川県横浜市西区宮崎町26-1
入場料無料
山口賢一 HP