代表作から初公開作品を展示。「マイケル・ケンナ写真展 A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018」|LOUNGE
LOUNGE|世界屈指の風景写真家
自然や文化への憧憬をモノクロームで映し出す
風景写真家マイケル・ケンナ氏の写真展「マイケル・ケンナ写真展 A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018」が、東京都写真美術館で開催される。期間は2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)まで。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
約169点のプリント作品が展示
世界屈指の風景写真家として知られるマイケル・ケンナ氏。この度開催される展覧会「マイケル・ケンナ写真展 A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018」では、彼が活動してきた45年間に撮影された代表作や日本初公開作品が一堂に会する。
独自の美意識と独特のコンポジットの中で、移ろう自然の神秘と多様な文化への憧憬を、時には長時間露光を駆使して写真に焼き付けていく芸術性が世界中で高く評価されている。
静謐で叙情を備えたプリント作品は、ロンドンのビクトリア&アルバート美術館やサンフランシスコ近代美術館をはじめ、世界各国の美術館に収蔵されている。
本展で展示される作品のなかには、彼が愛する日本で撮影された写真を含む展覧会となる。また彼は美しい風景描写のみならず、原発や廃れゆく工業地帯などの数々の社会的なテーマにも取り組んでいる。
1989年から約12年の歳月をかけてナチスドイツの強制収容所跡28ヵ所の撮影を敢行、300点のプリントとネガをフランス政府に寄贈し、芸術文化シュヴァリエ賞を受賞。今回、特別展示としてこの連作「Impossible to Forget」を日本で初めて展示する。
また、被写体に「人物」を選んだ新たな試みとしてこの10年にわたり、日本の古い家屋で撮影された未発表ヌード作品も、本年11月のパリでの世界初公開に続き日本初公開される。
開催初日の12月1日(土)には、マイケル・ケンナ氏による講演会が実施される。モノクロームの美しさを追求してきた彼からどのような発言が飛び出すのか気になるところ。
マイケル・ケンナ
1953年、イギリス西北部ランカシャー生まれ。London College of Printingで写真を学んだ後、サンフランシスコに拠点を移し写真家として活動を続ける。現在はシアトル在住。作品は、伝統的でストレートな技法、構成によって表現され、独自の美意識による卓越したプリント・テクニックが作品のオリジナリティとクオリティを決定づけている。また光と大気の微妙な変化を焼き付ける彼の作風は、時に現実を離れた異次元空間を思わせ、クラシカルでロマンティックな叙情に満ちた作品として、アートに携わる世界中の人々から高い評価を得る所以となっている。
マイケル・ケンナ写真展 A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018
会期|2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)
会場|東京都写真美術館 地下1F展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間|10:00~18:00(木曜・金曜は20:00まで)、毎週月曜休館(ただし1月24日(月・振休)開館、12月25日(火)、1月15日(火)は休館
年末年始:12月29日(土)~1月1日(火・祝)は休館、1月2日(水)・3日(木)は11:00~18:00開館 12月28日(金)、1月4日(金)は10:00~18:00開館
入場料|【一般】1000円(団体800円)【学生】800円(団体640円)【中高生・65歳以上】600円(団体480円)※( )内は20名以上の団体料金、小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者は無料、第3水曜日は65歳以上無料
講演会
日程|2018年12月1日(土)
時間|【開場】14:00 【開演】14:30
会場|東京都写真美術館1Fホール
参加費|500円
定員|190名