ART|インスタントフィルムによるモノクロ写真たち 森山大道『white and vinegar』展
LOUNGE / ART
2015年1月27日

ART|インスタントフィルムによるモノクロ写真たち 森山大道『white and vinegar』展

ART|インスタントフィルムによるモノクロ写真たち

森山大道写真展『white and vinegar』

「ブレ」や「ボケ」といった作風で世界的に高い評価を受けている写真家・森山大道の写真集『white and vinegar(ホワイト&ヴィネガー)』が、自身も参加するレーベル「MMM」より発表された。これを記念して、東京・目黒の「IMPOSSIBLE PROJECT SPACE」で12月14日(金)から2013年の1月27日(日)の期間、写真展『ホワイト&ヴィネガー』を開催する。

Text by IWANAGA Morito(OPENERS)

プリミティブな写真だからこそ見える「現在」

「もしも世界から、印画紙もフィルムも現像液も、写真にかかわるいっさいが消失したとしたら、スーパーマーケットで卵と酢をしこたま買ってきて、卵白(ホワイト)と酢(ヴィネガー)を混ぜてそこらにある紙に塗り、なんでもいいから物をその上に乗せて日光に当て、レイヨグラフ(日光写真)をつくればよいのだ」

今回の『ホワイト&ヴィネガー』というタイトルは、森山自身のこんな考えに由来している。

撮影はおもに森山の自室でおこなわれた。インスタントフィルムに写しこまれ、セピアに変色しはじめていた約10センチ四方のモノクロームの世界が、デザイナーによって35ミリフィルムのサイズにトリミングされ、サーモン・オレンジとブラックによって2色分解されたイメージへと印象を変える。

ART|インスタントフィルムによるモノクロ写真群 森山大道『white and vinegar』展02

ART|インスタントフィルムによるモノクロ写真群 森山大道『white and vinegar』展03

フィルムの定着は予測できない。イメージがあらわれるまでには時間がかかるし、定着までの環境によって不規則に変動する。写真の鮮明さを追求する現代の流れに逆行することで、あっという間に時間に押し流される未来と、記憶のなかで明滅する過去との交差点である「現在」を浮かび上がらせる。

レーベル「MMM」が『ホワイト&ヴィネガー』を語る

写真集『ホワイト&ヴィネガー』は、アートディレクターの町口覚、キュレーターの本尾久子、そして森山大道の3人によるレーベル「MMM」から発表された。本展の最終日には、レーベルのメンバーによるワークショップがおこなわれる。写真集ができるまでの話や、この展覧会の作品が生まれてから世に出るまでの裏側が聞ける貴重なイベントになるだろう。

今回の写真展では、写真集に集録された42点のオリジナル写真に未収録作品をくわえて展示される。森山大道が見せてきた世界の真骨頂を、その目で見届けていただきたい。

森山大道写真展『white and vinegar』

日程|2012年12月14日(金)~ 2013 年1 月27 日( 日)

場所|IMPOSSIBLE PROJECT SPACE

東京都目黒区青葉台 1-20-5 OAK BLD 2F

Tel. 03-5459-5093

http://www.the-impossible-project.jp

メイキング オブ 写真集『white and vinegar』by 町口覚(アートディレクター)+

ギャラリートーク 写真展『white and vinegar』by 本尾久子(キュレーター・編集者)

日程|2013年1月27日(日)

場所|IMPOSSIBLE PROJECT SPACE

東京都目黒区青葉台 1-20-5 OAK BLD 2F

Tel. 03-5459-5093

定員|先着30名

参加方法|「IMPOSSIBLE TOKYO KK」のフェイスブックページ(http://ja-jp.facebook.com/pages/Impossible-Tokyo-KK/151195978278650)からメッセージを送信

           
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