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ART
2015年2月18日
ART|フランス人画家が絵筆で描く日本情緒
ART|フランス人画家が絵筆で描く日本情緒
ベルナール・ジョナー絵画展『Japon à pinceau levé』開催
9月13日(木)から9月30日(日)まで、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールにてベルナール・ジョナー絵画展『Japon à pinceau levé』が開催される。独特の情緒を込めて描かれる彼の作品は、私たちになじみ深くも新鮮な日本を再発見させてくれるだろう。
Text by IWANAGA Morito
画家に少年の心を呼び起こさせた日本の風景と精神
ベルナール・ジョナーは幼少のころ、祖父がアジアで体験した神秘によって、人生に深い影響をあたえられたという話を母から聞いていた。それは、宝のようなものとして幼き少年の記憶に刻み込まれた。やがておとなになり、画家としての人生を歩んでいくなかで2008年、ジョナーははじめて日本を旅する機会を得た。そしてこの旅が、彼の頭のなかにある迷路に宝の痕跡を見つけだす旅となったのだ。ジョナーの目に飛びこんでくる日本の光景は、彼を本能のままに行動する子供に返らせた。何千という映像を刻み込み、膨大なスケッチとともにフランスに帰国したジョナーは、日本人の特別な眼差しに触れ、自らの眼差しをもってそれを表現すべく、創作に打ちこんだ。
本展覧会では、画家として長年にわたり古典的な技法を重んじながらもあらたな表現を磨いてきたベルナール・ジョナーが、日本の風景と、その精神に触れ、表現した作品の数かずを紹介する。さまざまな色と線をもって描かれた作品からは、物心ついたころの宝物の記憶に近づいたジョナーの、大きなよろこびが伝わってくる。
フランス人である彼が見せてくれる“日本”は、わたしたちの記憶の片隅にある、平和な日常の風景を呼び起こしてくれることだろう。