大芸術家ミロと日本文化との知られざる繋がりを探る大規模展示|ART

左/ジュアン・ミロ 《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》 1945年 油彩、キャンバス 福岡市美術館。© Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4304 中/ジュアン・ミロ 《絵画(パイプを吸う男)》 1925年 油彩、キャンバス 富山県美術館。© Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4304 右/ジュアン・ミロ 《絵画》 1966年 油彩・アクリル・木炭、キャンバス ピラール&ジュアン・ミロ財団、マジョルカ Fundació Pilar i Joan Miró a Mallorca Photographic Archive © Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4304

LOUNGE / ART
2021年12月8日

大芸術家ミロと日本文化との知られざる繋がりを探る大規模展示|ART

ART|ミロと日本の深いつながりを紐解く世界初の展示

Bunkamura ザ・ミュージアムで『ミロ展―日本を夢みて』が開催

東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて、2022年2月11日(金・祝)~2022年4月17日(日)の期間、『ミロ展―日本を夢みて』が開催される。創作活動の初期から日本文化に興味を持ち、自由闊達な表現を模索したミロの約130点の作品と資料を通覧できる、貴重な機会だ。

Text by OZAKI Sayaka

ミロの若き日の日本への憧れを象徴する初期作品や代表作を含む約130点を展示

スペイン・カタルーニャのバルセロナで生まれた大芸術家、ジュアン・ミロ(1893~1983年)。美術学校で学んだミロは、同じカタルーニャの小さな村モンロッチとバルセロナを行き来しながら画家としての人生を歩み始め、幼い頃から中世のフレスコ画やガウディの建築に触れ、その大胆な形と色に魅了された。
故郷の風土に根ざした生命力溢れる作品を制作する一方で、1920年からはパリに出て詩人アンドレ・ブルトンと親交を結び、シュルレアリスムの運動に参加。大戦中は戦禍を避けて各地を転々としながら制作を続け、画材の入手もままならない状況に置かれたが、1944年に陶芸と彫刻の制作をはじめ、素朴な自然の素材に触れることで活力を得ていく。1956年、マジョルカ島パルマにアトリエを構え、彫刻、陶芸、壁画、版画、詩と多彩な芸術活動を行い、1983年に90歳で没した。
ジュアン・ミロ 《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》 1917年 油彩・コラージュ、キャンバス ニューヨーク近代美術館 © The Museum of Modern Art, New York. Florene May Schoenborn Bequest, 1996 / Licensed by Art Resource, NY © Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 E4304
ミロは、ピカソと並ぶ現代スペインの巨匠として広くその名は知られているが、その創作活動の裏側には日本文化への深い造詣があったことは意外なほど知られていない。ミロは1888年に開かれた万国博覧会で始まったジャポニスム・ブームに影響を受け、創作の初期から日本文化への憧れや興味を示していた。「一枚の草の葉には、一本の木や、山と同じだけの魅力がある。素朴な人たちや日本人のほかは、ほとんど誰もが、これほど神聖なことを見過ごしている」という言葉を残した若き画家ミロは、浮世絵にも親しみ、特に葛飾北斎を敬愛していた。その熱中ぶりは、《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》の背景に浮世絵をコラージュしたことからも見て取れる。本作はミロと日本の繋がりを示す出発点であり、こうした日本への興味をうかがわせる、ミロの若き日の作品も展覧される。
本展では、若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして56年ぶりの来日となる《絵画(カタツムリ、女、花、星)》を通し、画家と日本の関係に迫る。さらに本人のアトリエで所蔵されていた日本の民芸品や批評家の瀧口修造との交流を示す多彩な資料を通して、ミロと日本の深いつながりを紐解き、ミロという芸術家を約130点の作品と資料で新たな角度から紹介する。

『ミロ展―日本を夢みて』

  • 会場|Bunkamura ザ・ミュージアム
  • 住所|東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
  • 会期|2022年2月11日(金・祝)~2022年4月17日(日)
  • 時間|10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで、入館は各閉館時間の30分前まで)
  • 休館日|2月15日(火)、3月22日(火)
  • 主催|Bunkamura、東京新聞、フジテレビジョン
  • 協賛|ネスレ日本、ライブアートブックス
  • 協力|ヤマト運輸
  • 後援|スペイン大使館、インスティトュト・セルバンテス東京
  • 出品協力|ピラール&ジュアン・ミロ財団、マジョルカ
  • ※状況により、会期・開館時間等が変更となる可能性があります。
  • ※新型コロナウイルス感染症対策のため、入場制限や一部日程で入場日時予約が必要となる場合があります。
問い合わせ先

Bunkamura ザ・ミュージアム
Tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/