エスパス ルイ・ヴィトン東京で『Pierre Huyghe – Untilled Host』展が開催|ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO
LOUNGE / ART
2016年7月13日

エスパス ルイ・ヴィトン東京で『Pierre Huyghe – Untilled Host』展が開催|ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO

ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO|エスパス ルイ・ヴィトン東京

ART|ピエール・ユイグの新たな手法による創造と展示の見せ方

『Pierre Huyghe – Untilled Host』展開催

ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO(エスパス ルイ・ヴィトン東京)では、ピエール・ユイグによる『Pierre Huyghe – Untilled Host』展を開催中。フォンダシオンのコレクションから、ピエール・ユイグによる2つの作品『The Host and the Cloud』(2009-2010)と『A Way in Untilled(未耕作地の場景)』(2012)を展示している。2017年1月9日(月・祝)まで開催中。

Text by OPENERS

観る者を否応なく視覚・聴覚的な旅へと誘う、ピエール・ユイグの世界

渋谷区神宮前のルイ・ヴィトン表参道ビル7F、ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO(エスパス ルイ・ヴィトン東京)では、ピエール・ユイグによる『Pierre Huyghe – Untilled Host』展を開催中。本展覧会はフォンダシオン ルイ・ヴィトンがキュレーションを担う『Hors-les-murs (壁を越えて)』プロジェクトの一環として企画された。『Hors-les-murs』プロジェクトは、これまで非公開だったフォンダシオンの所蔵品を、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、東京のエスパス ルイ・ヴィトンにて紹介することで、国際的なプロジェクトを実現している。

本エキシビションでは、フォンダシオンのコレクションから、ピエール・ユイグによる2つの作品『The Host and the Cloud』(2009-2010)と『A Way in Untilled(未耕作地の場景)』(2012)を展示する。

Photo Ola Rindal

Photo Ola Rindal

『The Host and the Cloud』 ©ADAGP, Paris 2016 for the work of the artist. Photo Ola Rindal

1990年代初頭以来、ピエール・ユイグは新たな手法による創造と展示の見せ方を考案し続けてきた。彼の作品は、「ライブ」のシチュエーション、フィルム、オブジェクト、写真、素描といったさまざまな制作媒体を用いて、現実とフィクションとの境界を探ってきた。ユイグは、科学、SF、文学、哲学、考古学、映画、音楽、建築、仕事と遊びの関係といった大衆文化から学究的なものまで、現代社会特有の幅広い文化的テーマを扱っているのが特徴だ。これらのアプローチはしばしば、他のアーティスト、ミュージシャン、建築家、科学者などとのコラボレーションという形で実現した。

『The Host and the Cloud』(2009-2010)は、かつて国立民俗民芸博物館(Musée National des Arts et Traditions Populaires)として使用されていたパリ市内の建物で、1年をかけて撮影された。これは、遊園地の片隅にある閉鎖された博物館での実際の出来事を撮影した実験的な作品である。この「実験」は観客の目の前で展開されるライブ形式で行われ、ハロウィーン、バレンタインデーそしてメーデーの3日間の様子が部分的に記録されている。『The Host and the Cloud』はひとつの物語であり、不在の主体の心を巡る旅である。この映像に登場する架空の人物は「もう一人の自分」であり、不在の主体の精神風景の中に存在する現実だと思わせる。

Photo Ola Rindal

『A Way in Untilled』 ©ADAGP, Paris 2016

Photo Ola Rindal

『A Way in Untilled』(2012)は、2012年夏「dOCUMENTA(13)(ドクメンタ(13))」の会場であるカールスアウエ公園内(カッセル、ドイツ)にて撮影された。夕暮れ時に撮影されたこの映像は、頭部が蜂の群れで形成された女性像が半身を横たえた『Untilled(未耕作地(横たわる裸婦))』という彫刻の周りで、有機物が腐敗していく様子が映されている。頭部は蜂の群れにより覆い隠され、蜂のコロニーは催淫性や精神活性作用のある植物に授粉する。頭部の見えない身体は、 泥の中に横たわり、あたかもカメラの前で並行する別世界が出現しているかのような映像が印象的だ。

ナレーションはなく、主役を演じるのは蛍光色の脚を持つ犬。空間は閉ざされ、積み重ねられてきた歴史のさまざまな時代に属する要素が、由来を示す手がかりもなく、 また年代順も関係なく並べられていく。それは、架空あるいは現実の記録や既存の事物の、物理的な適合である。カールスアウエ公園という「堆肥(compost)」に、人工的な物、無生物、有機体、植物、動物、人間そしてバクテリアが、培養され、養われることなく、見る者の存在に依存せず、そして 関心なく打ち捨てられているのである。

これら、SF的ドキュメンタリー映像を通し、ピエール・ユイグは観る者を否応なく視覚・聴覚的な旅へと誘ってくれる。『Pierre Huyghe – Untilled Host』展は、2017年1月9日(月・祝)まで開催中。入場料は無料なので、ぜひ足を運んでピエール・ユイグの世界を堪能してほしい。

PIERRE HUYGHE - UNTILLED HOST
開催期間|6月25日(土)〜2017年1月9日(月・祝)
会場|エスパス ルイ・ヴィトン東京
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
開館時間|12:00‐20:00
休館日|表参道店に準じます
入場料|無料
www.espacelouisvuittontokyo.com

問い合わせ先

ルイ・ヴィトン クライアントサービス

0120-00-1854

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