LOUNGE /
ART
2026年4月6日
アートギャラリーが持つカウンターカルチャーの精神。「Goyo Gallery」が増床リニューアル
Goyo Gallary|ゴヨウ ギャラリー
東京・天王洲のTERRADA ART COMPLEX IIを拠点とする現代アートギャラリー「Goyo Gallery」は、2026年4月11日(土)より同ビル3階に新たな区画を加え、2スペース体制での運営をスタートした。これを記念した展覧会『Goyo Gallery The Collection』も同日より開催されている。会期は2026年5月6日(土)まで。
Text by WASEDA Kosaku
縮小が続く業界で、あえて拡張という選択
「Goyo Gallery」は、代表の木村賢次郎氏が自身の審美眼で「コレクションしたい」と感じた現代アーティストを紹介する、独自の視点を持つギャラリーだ。アーティストの作家性と真摯に向き合いながらソロショーを中心に企画・運営しており、現代アートファンのみならず、感度の高いファッション業界人からも注目を集めている。
「ギャラリーは単に作品を展示する場所ではなく、アーティストが新しい創作に挑戦するための勝負のステージである」という信念のもと、小さくまとまらず作家性を十二分に発揮できる環境の提供を目指している。
2025年、東京・天王洲「TERRADA ART COMPLEX II」に移転し、より広い会場を手に入れ、大幅なアップデートを経たことは本誌でもお伝えした通りだ。
2025年4月からは、約30年にわたりバーニーズ ニューヨークの名物PRとして国内外のファッションシーンで活躍してきた中野光章氏が、プロデューサーとして参画。以来、アート・ファッション・カルチャーを横断するコミュニティが形成され、アーティスト・コレクター・クリエイターが自由に交差する文化的プラットフォームとしての機能を担っている。
そしてギャラリー移転から1年。オンライン展示の普及や市場の合理化を背景に、ギャラリーの縮小・移転が相次ぐなかでの増床は、業界の流れに逆行する挑戦的な決断だ。
一貫して掲げているのは「作品とリアルに対峙する体験の価値」だ。デジタル化が加速する時代だからこそ、優れた作品と良質な空間のなかで向き合う体験はより重要性を増すという考えが、この決断の根底にある。
「Goyo Gallery」は、木村氏のアートコレクションを起点として誕生した。長年にわたり独自の美意識で収集してきた作品群は、世代やジャンルを横断しながら広がり続けている。今回のリニューアルオープンを記念した『The Collection』展では、そのコレクションの中から厳選された作品を紹介し、ギャラリーが培ってきた視点を提示する。
新設のスペースIIでは、同一作家による横断的な展示のほか、異なる作家の個展も実施される予定だ。2つの空間を活用したキュレーションにより、作品同士が生み出す相互作用や新たな文脈の創出が期待されている。新スペースの開設により、今後は展示を毎月刷新しながら、より多くのアーティストと丁寧に向き合う場を創出していく方針だ。
アートとカウンターカルチャーは、かなり強く結びついてきた関係がある。アートにとどまらず、ついにアートを収めるギャラリーまでもが時代への反抗を始めたのだ。デジタル化によるギャラリーの縮小が続く業界のなかで、あえて拡張を選んだ「Goyo Gallery」の決断は、そのままカウンターカルチャーの精神といえる。時代に逆らう者たちが、次の文化を作るということは、歴史が証明しているのだ。
Goyo Gallery The Collection
期間|2026年4月11日(土)~5月6日(水)※月曜休館
時間|12:00 - 19:00
場所|TERRADA ART COMPLEX II 3F Goyo Gallery
東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅「B出口」より 徒歩8分
入場料|無料
今後の展示予定作家
2026年5月 きくちゆうき|増田洋一郎
6月 谷敷謙
9月 NKSIN|杉山日向子
12月 櫻井啓裕|Jini
※会期・展示作家は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
問い合わせ先
Goyo Gallery
Tel.03-6260-2554
Q.TERRADA ART COMPLEX IIとは?
A.東京・天王洲にある、現代アートに特化した複合施設。寺田倉庫が運営しており、2016年にTERRADA ART COMPLEX I、2020年にTERRADA ART COMPLEX IIがオープンした。海外ギャラリーの進出や、国際的なアーティストの展示も多く、東京における現代アートのハブ的存在になっている。
