デザイナーが解説する「ユリウス」2016年春夏コレクション|JULIUS
FASHION / MEN
2015年7月29日

デザイナーが解説する「ユリウス」2016年春夏コレクション|JULIUS

JULIUS|ユリウス

年2回パリでコレクションを発表するメンズブランド

デザイナーが語る「ユリウス」2016年春夏コレクション(1)

“退廃的な美とアグレッシブなフェティシズムを追求した世界観”をブランドコンセプトに、2001年にアートプロジェクトとしてスタートした「JULIUS(ユリウス)」。服だけではなく、服・映像・グラフィック・音楽の4つの表現方法でつくりあげられる独自の世界は、都市に住みながらアバンギャルドな生き方を指向する男たちに熱狂的に受け入れられている。ドメスティックブランドながら年2回パリでコレクションを発表するデザイナーの堀川達郎氏に、2016年春夏コレクションについてお話をうかがった。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

風のような、祝福的なイメージのコレクション

ユリウスがスタートして15年目を迎え、6月27日にパリで発表されたコレクションは、 [ sefiroth ; ]をコンセプトとして披露された。

――今回の春夏コレクションのテーマ [ sefiroth ; ]の発想の原点を教えてください。

堀川達郎 「自然」です。あらゆる物質が法則性をもって存在するという古代カバラの哲学、セフィロスの法則。そこから展開したエッセンスとして、陰と陽、白と黒(文明的な意味での)だったり。
僕は、ひとつの抽象的なイメージを積み重ねていくタイプなので、テーマはなかなか限定できないのですが、最終的にはテクノロジーとトライバル(民族)の対比、その融合的な側面が強かったショーだったと思います。
あとはモロッコを旅したときに出会った“トゥアレグ”という砂漠の民族からの影響が大きいです。彼らは砂漠で生きる誇り高い部族でした。

コレクションのテーマとなった“セフィロスの木”は「生命の樹」ともいわれ、さまざまな解釈があるが、今回、ユリウスでは善悪や生死など対比するあらゆる要素を含めて生命の輪廻感をあらわしている。

ユリウスはこれまで現代社会=都市をサバイブするイメージが強かったが、今回のショーでは「自然との共存」にフォーカス。都会的なイメージを省略し、より自然的・原始的な、アフリカのシャーマニズムにアプローチしている。

JULIUS|デザイナーインタビュー

JULIUS|デザイナーインタビュー

JULIUS|デザイナーインタビュー

オーガニックなあたらしい民族性の提案

アフリカ民族のセレモニー時におこなわれる、顔に白いラインをペイントする「ペインティング」したモデルがランウェイに現れる。風のようになびくドレーピングアイテム中心に、ユリウスならではの黒に、太陽に焦がされた石をイメージしたオフホワイトやベージュの色が重なる。

――今回のコレクション会場を選んだ理由と、その会場の効果について教えてください。

堀川 今回は、パリ6区の医科大学の敷地内にあり、中世に修道院として建てられ、現在では文化財として指定されている「COUVENT DES CORDELIERS」を会場としました。ヒストリカルな会場を使いたかったのと、退廃的な柱や壁と対比する要素として、巨大なLEDのライトでソリッドに、コンテンポラリーに演出しました。

――パリコレを始めた理由と、つづけられている理由、その意味を教えてください。

堀川 僕にとってはナチュラルなことでした。東京での展示会にも海外のバイヤーは来てくれましたが、ただ、やはりパリでの発表は望まれていましたし、僕もそうしたかった。彼らのニーズと僕らのテンションが一致したということでしょうか。
ショー自体のクオリティも東京では難しいと感じていました。パリでショーをやる以外の選択肢は意外となかったのです。これからもないと思います。

JULIUS|ユリウス

年2回パリでコレクションを発表するメンズブランド

堀川達郎が語る「ユリウス」2016年春夏コレクション(2)

ハリス・エリオットを起用した理由

――今回のコレクションを象徴するルックをいくつか挙げてください。

堀川 ショーは、初めにシャーマンがモデルに秘術をほどこしてから始まります。プリントは部族の証であるタトゥー、刺繍はインプラント、テントのようなルックは成人への通過過程としてのイニシエーション。部族の長のシンボルとして身体に木が巻きついていたり。

――今回のスタイリストにハリス・エリオット(Harris Elliott)を起用した理由は?

堀川 僕は彼のスタイリングやディレクションにつねに土着的な意味でのスピリチュアルな側面を感じていました。今回のショーをただのファッションショーとしてではなく、何か部族の「儀式」のようなものとしておこないたいと考えていて、白と黒(人種的な部分、カルチャー的な部分、カラーとしての部分も)も大事な要素だったので彼にオファーしました。
彼はキャスティングまで担当しました。今回は僕のショーのなかで一番好きなキャスティングです。ストリートキャスティングのモデルも何人かいます。彼らは特別輝いていました!

JULIUS|デザイナーインタビュー

JULIUS|デザイナーインタビュー

JULIUS|デザイナーインタビュー

ショー自体をより表現に特化させていきたい

――パリコレから得るものはありますか?

堀川 なにより世界中にカスタマーがいるという幸福感はなかなか得られるものではないでしょう!

――ファッション(ショー)で何を伝えられるとお思いでしょうか?

堀川 基本的には僕の世界観を作品として見てもらうためにショーをおこなっています。もちろん時代のムードや世界の情勢は反映されていますが、これからはもっと強くパーソナルなテーマを打ち出したいと考えています。
僕らは定番的なプレコレクションや、よりストリート色の強い別ブランドもスタートさせました。つぎのコレクションからはフォーマルラインも展開する予定で、それらの成長とともに、ショー自体をより表現に特化させていきたいとかんがえています。

――今回のコレクションを終えての感想を。この記事を見られる方にメッセージもお願いします。

堀川 すでにつぎのショーに向かって動いているので、2016年春夏はあまり振り返れませんが、つぎのショーを楽しみにしていてください。

問い合わせ先

JULIUS FLAG STORE

Tel. 03-5728-4900

www.julius-garden.jp

https://instagram.com/_julius7official/

           
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