新しい時代のグランドツーリングカー──マクラーレンGTに試乗|McLaren
CAR / NEWS
2019年10月30日

新しい時代のグランドツーリングカー──マクラーレンGTに試乗|McLaren

体脂肪率ひとケタ前半台のアスリートのような走り

南フランスは海岸沿いは路面の良好なところが多いのだが、山間部に入ると途端に悪化してくる。舗装の割れや凹凸などに整備が間に合わないのだろう。そうしたところでも、マクラーレンGTは路面からのショックを柔らかく受け止め、なにごともなかったかのようにフラットな姿勢を保ちながらハイスピードクルージングを続けていく。走行モードを“ノーマル”から“スポーツ”に変更してみても、大筋では変わらない。
実用性も快適性も重視されつつ、超高性能は変わらない。もっとも、当日は朝から激しい雨が降り止まず、その実力の一旦しか試すことができなかったけれども、香水の名産地で有名なグラースから山を下り、オートルートA8号でカンヌ方面へステアリングを切った時に一気にスピードを上げてみた時の安定感と上質な加速感覚といったら!
街中や一般道を中低速で走っている時には、普通のクルマのようにおとなしく、節度を守った走りっぷりをしているのに、ひとたびアクセルペダルが深く踏み込まれると豹変し、強烈なパワーで後押ししてくる。
その加速の具合も超上質で、ただ闇雲に速いというわけではない。服にも靴にも心地良い着心地と履き心地があるように、クルマの加速にも“上等”は厳然と存在している。
マクラーレンGTのそれを例えると、眼に見えないパワーの粒子の直径が小さく、サイズも揃っている感じなのだ。そのツブツブ同士がアクセルペダルに応じて動くのが加速の原動力に思えてくる。骨格を成すシャシーも、軽いのに強靭だから、ハンドリングもコーナリングもシャープなのに過敏ではない。まるで、体脂肪率ひとケタ前半台のアスリートのように走る。
インテリアとエクステリアのデザイン、エンジン音など感性に訴える部分にもおいても、イタリアのライバルたちとは対照的に、とてもストイックだ。ミニマリストなのである。
現役でF1グランプリを戦う若い自動車メーカーであるが故に先進技術や新装備の導入に貪欲である点もマクラーレンの一大特徴だ。新しいシリーズを生み出すというマクラーレンの狙いは達成されていることが分かった。GTは新しい時代のグランドツーリングカーであり、ブランドの幅を広げることに成功したと言えるだろう。
Spec
McLaren GT|マクラーレン GT
ボディサイズ|全長 4,683 × 全幅 2,045(ミラー収納時) × 全高 1,213 mm
ホイールベース|2,675 mm
乾燥重量|1,466 kg(油類及び燃料90パーセント積載のDIN値は1,530 kg)
エンジン|3,994 cc V型8気筒 ツインターボ
最高出力| 456 kW(620 ps) / 7,500 rpm
最大トルク|630 Nm / 5,500-6,500 rpm
トランスミッション|7段オートマチック(SSG)
駆動方式|MR
ブレーキ 前|φ367 mm キャストアイアン ディスク
ブレーキ 後|φ354 mm キャストアイアン ディスク
サスペンション|ダブル ウィッシュボーン
タイヤ 前/後|225/35R20 / 295/30R21
トランク容量|フロント 150リッター、リア 420リッター
最高速度|326 km/h
0-100km/h加速|3.2 秒
0-200km/h加速|9.0 秒
200-0km/h減速|127メートル
100-0km/h減速|32メートル
CO2排出量(WLTP)|270 g/km
燃費(WLTP combined)|11.9 ℓ/100km(およそ8.4 km/ℓ)
価格|2,645万円
問い合わせ先

マクラーレン
https://cars.mclaren.com/jp-ja

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